80ばあちゃんの戯言

聞いてほしくて

塾の先生(6)

2010-07-26 08:33:57 | 思い出
 それから数年たってたまたま行った藤沢の路上で、本当に数年ぶり

に茅ヶ崎の団地にいたある奥さんに会った。

私のところへ勉強に来ていた当時5年生のお嬢さんのE子さんのお母さん

だった。

お子さんはなかなかしっかりとしたいいお子さんだったし、勉強の方も

まあまあだったのだが、ある時、彼女に道端であったらそっぽを向いて

しまわれた。お友達と一緒であったので、塾には、一切行かせていない

とご近所にふれこんでいたので、塾のことは内緒にしなければいけないと

きつくお母さんに言われていたのだそうであった。

私のところでは一日も休まず楽しそうにしていたのにと、なんだか妙な

気持ちになった。

 その後いい高校に入学されたが、そのときには、荒武さんのお蔭で算数の

考え方をしっかりと見につけられたのがよかったと言われたのだが、

其の5年後、一流銀行に就職された後でひょっこりお母さんに会ったときには

”E子は荒武さんのお蔭で銀行の就職試験の数学が一番だったので、

  コンピューターの方へ廻されたって、お蔭で今とっても苦労しているわよ。

  本当に毎日遅くてうらんでいるわ。”

 と、言われたのであった。