80ばあちゃんの戯言

聞いてほしくて

家具と私(17)

2010-07-07 19:09:14 | 家具
 昭和46年の秋5社に手紙を出した。

其のうちの一社大手のデパート家具電気用品部からすぐ電話が来た。

”これは相当によく練り上げられた家具だと思いますので、もし、

  商品化が実現したらすぐお知らせください。私どもで売らせて

  いただきます。”

 と言う事だった。

 次に電気メーカー関係のトップの会社からはがきが来た。

 ”なかなか良く考えられたもので関心させられました。ただ、

  今の当社ではこのような家具は作る予定がないと言う事であった。

 それから十日後大阪のジェフサ「全国優良家具協同組合)の代表者

から電話が来た。

  ”私が出張中だったのでお返事が大変送れて申し訳ありませんで

した。

   でもびっくりしましたよ。茅ヶ崎の田舎からこんなしゃれた

アイデアが出てくるなんて。いろいろご相談して、実用化したい

と思いますので、大阪までお越しいただけませんか?”

   そこで大阪までの新幹線の切符を送っていただいて出かけること

になった。

   場所は其の前にあった万博会場の岡本太郎さんの太陽の塔のすぐ

前の小さなビルだった。  

   電話を下さったお偉いさんが、デザイナーの方を紹介してくれ、

   3人でいろいろ話しあった。

   試作品ができたら又来るようにと言われて、都合4回大阪へ行った。

   デザイナーの方とはいろいろな点でよく話があって楽しかったのだが、

   最後に私へのアイデア料の話になって、急にデザイナーの態度が硬化

   した。

   素人の私に4回も試作品をつくったのもご機嫌を損ねた理由だったよう

   で、何時も僕のものなんか一回しか試作品を作ったことがなかった。

   それに1%しかもらっていないと言う話であった。売り上げの1%なのか、

   工場出し価格の1%なのかは聞き忘れたが、急に明らかな不満顔になら

   れたのにはびっくりもし、がっかりもした。

   とにかく全国優良家具共同販売に加盟している家具のお店のうちの大手

   ばかりの80数社と聞いていたのだが、とりあえず50台つくりますと

   いうことで10万円をいただいた。

   
   だが、今もって残念に思っているのは、最後の試作品は見せていただけ

   なかった事である。

   ただこの組合にはデパートは加盟していないので、他に作ってくれる

   ところを当ってみる必要ができた。

(つづく)