昨夜、黄身色の荘厳な月にそわそわしつつ
軟風にそよと吹かれ
温泉に浸かりながら
ぼうっとして意識を放った短い隙間に
心身に浮かびあがった情念は
はや染み褪せつつある亡き母のことだった
温泉好きだったよなぁと
そしてふくふくと笑っていた健康だった横顔や
会う度に蝕まれていた管だらけの病院での姿を思い
出棺の時だけ、決めごとのようにか細い雨が瞬間的に降っていたなぁと
葬儀の日に不自然に飛んでいた蚊や虫は
最後のお別れの挨拶に来てるんだよと教えて貰ったなぁとか
1年ってもう早いのか遅いのかすら
分からない
ワタシは身の丈にあった人生を
どうにか続けていきます
ぐるぐると様々雑多な感情のあやを張り巡らしたところで
結局は自分の額にひっかけているような気がするけど
夜には暗がりにしか見えないもの触れないものがある
それに気付いては躊躇し、怯え、すっぽり抱かれる
もう寝よう
今夜は虫の音も聞こえないね
サカナクション 「enough」
軟風にそよと吹かれ
温泉に浸かりながら
ぼうっとして意識を放った短い隙間に
心身に浮かびあがった情念は
はや染み褪せつつある亡き母のことだった
温泉好きだったよなぁと
そしてふくふくと笑っていた健康だった横顔や
会う度に蝕まれていた管だらけの病院での姿を思い
出棺の時だけ、決めごとのようにか細い雨が瞬間的に降っていたなぁと
葬儀の日に不自然に飛んでいた蚊や虫は
最後のお別れの挨拶に来てるんだよと教えて貰ったなぁとか
1年ってもう早いのか遅いのかすら
分からない
ワタシは身の丈にあった人生を
どうにか続けていきます
ぐるぐると様々雑多な感情のあやを張り巡らしたところで
結局は自分の額にひっかけているような気がするけど
夜には暗がりにしか見えないもの触れないものがある
それに気付いては躊躇し、怯え、すっぽり抱かれる
もう寝よう
今夜は虫の音も聞こえないね
サカナクション 「enough」