奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1446)

2020-08-08 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「はじめての日本古代史(倉本一宏著・ちくまプリマー新書2019刊)」を読んだ。倉本一宏(くらもとかずひろ1958生れ)氏は、1983東大(文学部国史学専修課程)卒、1989同大学院(人文科学研究科)博士課程修了。1997東大/博士(文学/日本古代国家成立期の政権構造)。2009より国際日本文化研究センター教授である。------

倉本一宏氏は日本古代史専攻の歴史学者である。しかし、日本古代史は時代区分が原始時代から平安時代までとされており、倉本一宏氏の専門領域としている時代は平安時代なのであり、奈良時代以前はそれ程に研究の手を広めてこられなかったように見受けられる。古代史ファンの多くは、平安時代を日本古代とは見ていないことが多く、この時代認識ギャップは改められることなく、存置(そんち)されている。------

この本「はじめての日本古代史」で、倉本一宏氏は日本古代史の通史を書いておられて、高校の日本史の教科書に相当する内容として幾分詳しく、また最近の研究成果をも考慮して書かれているのだ。-----

天智天武以降の歴史上の人物は登場するのだが、それ以外の神代からの英雄は誰も登場しない。勿論、聖徳太子なども登場しないようだ。------

高校の教科/日本史が必修科目から除外されて久しく、倉本一宏氏はその点に関しては寂しいようであり、此処にきて、このような初心者向けの良心的な日本古代史入門書を書いておきたいと思われた理由なのかもしれない。------

日文研の初代所長/梅原猛(1925~2019)をこれまでは意識されたのだろうけれど、これからは、どしどしと日本国家成立期の日本古代史について諸々の暗愚な説を快刀乱麻で裁いてほしいものである。

 

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