北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない
「年齢は捨てなさい(下重暁子著・幻冬舎新書2019刊)」を読んだ。下重暁子(しもじゅうあきこ1936生れ)女史は、早大(教育学部国語国文学科)卒、NHKに入局し、アナウンサーとして活躍した。民放キャスターを経て、フリーとなり、文筆活動に勤(いそ)しんできた。ジャンルはエッセイ/評論/ノンフィクション/小説と幅広い。“日本自転車振興会”や、“日本ペンクラブ”の役職も歴任してきた。-------
この本の章立ては次の通り。“年齢という魔物”、“年齢は自分で決める”、“年齢を超越するということ”------
裏表紙の抜き刷り文は次の通り。年齢を気にせず好きなことに没頭している人は、皆若くて生き生きしている。一方で“もう年だから”が口癖の人は総じて老け込み、侘(わび)しい人生を送っている。ことほどさように年齢を意識しすぎることは、何の得にもならず、生き方を狭(せば)めてしまうだけである。年齢を聞くことは品の無い行為、還暦祝いが嬉しい人はいるのか、外見の若さを求め続けるといつか破綻する、今日という日が人生で一番若い、年齢を自分で決めると楽になる、等々。年齢にとらわれず自由で充実した人生を送るヒントが詰まった一冊。------
下重暁子女史は“家族という病(2015)”がベストセラーとなってからは、多分、新書を書けば必ず売れて出版社から“引っ張りだこ”の作家の一人となられたのだろう。この本「年齢は捨てなさい」を読むと、以前読んだエピソードも書かれていて、下重暁子女史の新たな情報は多くないのだが、ファンとなってしまえば、そんなことはどうでも良くて、下重暁子女史が一方的にお喋(しゃべ)りされる、取り留めの無いお話を聴いているのが、とっても楽しいのだ。そのような本である。-------
大所高所の話は全く出てこず、個人レベルの話に終始するのであり、政治色もなし/戦時/戦争の話もなしで、イデオロギーに感化されてもおられず、無色透明な感じで、好感が持てるのだ。