奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1445)

2020-08-07 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

平城宮跡歴史公園の“天平みはらし館/VRシアター”にて、“三笠の山にいでし月かも/阿倍仲麻呂”を再鑑賞(20分間)した。以前に観たときは、上映途中からだったので、前半を見損なっていた。今回、全部を観て、ストーリーの自然さに納得した。------

実写版にて、結構作り込まれており、冒頭で、三笠山を彷徨(さまよ)う阿倍仲麻呂が、遣唐使として彼の地に渡り何をなすべきか悩んでいるシーンであった。月の明るい晩で、突然に女神が降臨して、己の思いに忠実に生きるのであれば、三笠の山から阿倍仲麻呂の生き方の応援をしてあげるとの恩寵を垂れるのである。-------

後半は、日本史で習うように、阿倍仲麻呂が勇躍勉強し、唐で科挙に受かり、玄宗皇帝に御目文字叶(かな)う位に到達するのである。------

東アジアで大唐帝国が覇を唱えていた時代、日本だけでなく周辺国からは、長安を目指して、優秀な若者たちが集まったのである。これは、ローマ帝国の歴史を見ても同様であり、ローマ帝国は、ロンドンやウィーンやアレキサンドリアやアテネなど地方にも学芸の拠点を置き、その地域の人材を養成した上で、その中の更なる秀才はローマに集めて高度な教育を施した。このように、ユーラシア大陸の東西で帝国の版図を平和に統治するだけでなく、その統治を掌る人材の供給にも、意を尽くしていたのだ。--------

世界史的な視点を持てば、阿倍仲麻呂が唐に骨を埋めたことにも納得がいくだろうと思った。------

天平みはらし館の人出は、平日でもあり、展望デッキで3人、VRシアターは独り占めであった。コロナ禍のお陰で、今のところ、平城宮跡歴史公園の散策は、とても贅沢の限りである。

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