奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その607)

2018-04-23 08:15:00 | 奈良・不比等
「世界一非常識な日本国憲法(長尾一紘著・扶桑社新書2017刊)」を読んだ。長尾一紘(ながおかずひろ1942生れ)氏は、中央大学(法学部)卒で、東大大学院(法学政治学研究科)修了を経て、中央大学に戻り、助手・助教授・教授を務め上げて現在は中央大学名誉教授である。-----
「世界一非常識な日本国憲法」では、タイトル程の過激さは無いが、戦後憲法の解釈の変遷について分かり易く解説して呉れている。憲法学者の戦中戦後の宗旨替えであるとか、下世話な文章で読者の興味を引き付けている。しかしながら憲法学者と云えども戦後の風潮の中で生き残らねばならないので、止むを得ざる変節であったのだろうとも擁護している。------
そして未だに、戦後憲法はアメリカの占領時代の思想を色濃く残して、日本の弱体化に成功し続けていると云う。一旦洗脳されてしまったり、自ら進んで洗脳された人と云うのは一生その洗脳が解けることは無いので、困ったものだと云う。長尾一紘氏自身の罹っている洗脳については読者の判断に拠るしかないが、何れにしても日本人には憲法などと云う高尚な文章体系は不得意と云わざるを得ない。大先生と云えども、倭人の血を引く日本人には、哲学・思想・宗教に弱いように、憲法体系についても諸外国の真似は出来るが独自色を出せるような処までとうてい届いていない様に思った。-----
1億2千7百万人のうち誰が、天皇制や共和制の得失を憲法論の中で正面から論じることが出来るだろうか。とても難しいと思うことだろう。此の民主社会の中にあっても。
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