奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その594)

2018-04-10 08:15:00 | 奈良・不比等
「奇跡の四国遍路(黛まどか著・中公新書ラクレ2018刊)」を読んだ。黛まどか(まゆずみまどか1962生れ)女史は、フェリス女学院短大卒で、富士銀行に務めた後、俳人となる。現在、北里・京都橘・昭和女子大学の客員教授である。----
「奇跡の四国遍路」では、88ヶ寺の巡礼記録と出合った人々の話が書かれている。そしてボリュームの後半を彩るのは、西垣通(にしがきとおる1948生れ)氏の「黛まどかさんへの88問」である。西垣通氏は東大(計数工学科)卒で日立製作所勤務を経て東大教授となられた。30代まではコンピュータ研究者であったが、フランスに留学するなどして文理融合の情報学に取り組まれている。-----
「奇跡の四国遍路」の面白い処は、黛まどか女史が四国遍路をするまでに「スペイン・サンティアゴ巡礼道(1999)」「韓国・釜山からソウルまで(2001~2002)」を踏破されており、単なる四国遍路絶賛のスタンスではないのが魅力的である。----
「奇跡の四国遍路」の実際の行程は2017年4月~6月初旬だったそうであるが、韓国を歩かれてから17年が経過している。その間にも黛まどか女史には人生の様々な出来事があったから1400kmの全行程を自分の足で歩く通し遍路に徹したのだとか。-----
近畿地方に住む人たちにとっては「西国33所」があるので態々(わざわざ)四国くんだりまで行かなくても良いとの気持ちが有り、「四国88カ所の巡礼」は関東方面でこそ人気なのだろう。----
奈良県でも「西国33所」の札所が揃っており、もう少し歩き遍路が可能なように遍路道の整備をしても良いのではないかと思った。
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