東京オペラシティで開催中のサイモン・フジワラ・ホワイトデーなる摩訶不思議なタイトルの企画展の内覧会に参加しました。
サイモン・フジワラは、人名であり、名前それ自体から明らかなように日本人の血の混じったハーフです。
サイモン・フジワラの作品展というのはわかるのですが、それでは「ホワイトデー」って何ということになります。
ヴァレンタインデーは、本来、恋人たちの愛の誓いの日なのですが、日本では販売促進を企む製菓会社の陰謀により、なぜか女性が男性にチョコを贈る日という誠に奇妙な風習が作為的に作り上げられました。その風習は、さらに愛とは何ら関係のない赤の他人への義理チョコなる世にも奇妙な風習にまで広がり、挙句の果ては、ヴァレンタインのお返しなるホワイトデーなる世界中どこにもないおよそ理解不能な因習にまで極まることになりました。
サイモン・フジワラは、ホワイトデーのような不思議な「システム」に焦点を当て、そのシステムの背後の理由、経緯、思惑を明らかにするのだそうです。つまり、思惑を含んだ社会のシステムの代名詞としてホワイトデーが選ばれたようです。
聞いていると分かったような気にはなるのですが、実は煙に巻かれているだけで、理解不能なタイトルのようです。
そのことは気にしないとしても、不思議な企画展です。
企画展の中に絵画もありますが、それはサイモン・フジワラの描いた作品ではありません。たとえば、パトリック・ヘロンの描いた抽象画の後ろにモニターを設置して、そこにサイモンと少年の会話の場面を映し出しているといった作品です。また、この企画のキュレーターで解説をしてくださった野村さんが子供の時に描いた絵とその絵をもとに野村さんのお母さんが製作したぬいぐるみを合わせて展示して作品にしているといったものもあります。
サイモン自身はアイデアを提供して、展示物を並べているのであって、絵画を描いたり、彫刻を制作しているのではないというところに不思議な点があります。
絵を描いても、彫刻を作ってもダメですが、人と違うアイデアだけは次々と浮かんでくる(というか完全に人と違う発想しかしない変鼠です。)ねずみのFrederickも、このようなタイプの作品なら製作することができるかと思いました。
BerlinのHohenzollernplatzの駅にあった鷲
ドイツの軍事学校にあった飾り板(鷲がDer Dritte Reichの象徴として抉り取られている。)
これらの2つの鷲は、須田国太郎の≪松鷲≫とセットで作品になっていました。
レベッカ
兵馬俑のように見えます。実際、兵馬俑と無関係ではない作品です。