Zooey's Diary

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「ワン・ライフ 奇跡が繋いだ6000の命」

2024年06月26日 | 映画

イスラエルがこれだけ暴挙に出ている昨今、反ナチの映画と聞いても素直に受け入れられない気もしますが、これは個人の話です。
ニコラス・ウィントンはロンドンで株の仲買人をしていたが、大戦直前の1938年に訪れたプラハで、ナチスから逃れて来た多くのユダヤ人難民の悲惨な生活を目にする。
せめて子供だけでも救いたいと、難民の子供をイギリスに避難させる活動を始める。
里親探し、資金集め、ヴィザの発給、政府の許可を得るために、同志と共に奔走する。
子供たちを次々に列車に乗せて渡英させるが、遂に開戦の日が訪れてしまう。
そこから49年、救出できなかった子供たちを忘れられず、自責の念に苦しんでいた彼の元に、BBCの番組からの参加依頼が届く。そこには思いもかけない再会が待ち受けていた…



チェコスロバキアから収容所に送られたユダヤ人の子供は約1万5000人、生き残ったのは約200人。
ニコラスと仲間たちが救ったユダヤ人の子供は669人。
この数だけでも、ニコラスの偉業の凄さが分かります。
若き日のニコラスを演じたのはジョ二ー・フリン。
晩年の彼を演じたのは、アンソニー・ホプキンス。
エンドロールに御本人の写真が一瞬写りますが、どちらも似ているのに驚きました。
そしてヘレナ・ボナム=カーター、「眺めのいい部屋」で美しい令嬢を演じていた彼女が成功したドイツ系イギリス人夫人となり、弱腰の政府官僚を叱りつけていました。



定年後、妻と共にのんびり暮らしていたニコラスが、娘に孫が生まれるというので、書斎に溢れるモノを片付けるシーンから映画は始まります。
長い間捨てられなかった茶色のブリーフケースの中には、チェコの難民の子供たちの写真や出生データなどがびっしり詰められていた。
彼は遠い目をして、あの頃のこと、そして自分が救えなかった子供たちのことを思い出す。
半世紀近く彼の偉業は全く知られてなかったが、新聞王の夫人と知り合った縁で、BBCの番組で取り上げられることになるのです。
その前には、難民問題などネタにはならんとケンもホロロだった地元の新聞社が、テレビに出て有名になった途端にすり寄って来たのを、ニコラスが追い返す場面が痛快でした。
この映画の撮影には、実際に彼に助けられた子供達やその親族が、世界中から参加したのだそうです。
最後に、当時救った669人の命が現在の6000人の命に繋がっているというテロップが流れます。




ニコラスの素晴らしい功績は、半世紀後とはいえ世間の知られるところとなり、彼はエリザベス女王から勲章を受け取り、ナイトの称号も得ています。
それに引き換え日本の杉浦千畝は、生前に認められることは一切なかったのですね。
彼は岐阜の出身ですが、私が子供の頃はその名前を聞いたこともありませんでした。
言っても詮無いことですが…


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