Zooey's Diary

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足を止めて

2010年12月12日 | 社会
もう何年もの間、教会のアメリカ人の牧師さんの説教(sermon)の
翻訳のお手伝いをさせて頂いています。
説教には時によって色々なエピソードが盛り込んであるのですが
聖書からの引用が多いので、クリスチャンでない私には
失礼ながらあまり興味を持てない話が多いのです。
しかし、今回のエピソードは面白かった。

2007年1月12日金曜日の朝、ワシントンポスト紙が面白い実験をしました。
ワシントンの地下鉄の駅の構内で、世界的なバイオリニストであるジョシュア・ベルが
バイオリンを奏でたら、人々はどんな反応をするかというものです。

43分の演奏の間、通り過ぎた人は1097人。
その中で足を止めて小銭を投げ入れたのは27人。
殆どの人は、足を止めもしなかった。
普段着に野球帽を被った音楽家の足元に置かれたバイオリン・ケースに
投げ込まれたお金は32ドルと少し。
その内の20ドルは、聴衆の中で唯一彼に気がついた人からのものだったと。
ジョシュア・ベルが奏でていたバイオリンは3億円以上のストラディヴァリウス、
その二日前には100ドル以上のチケットの、一流ホールでのコンサートを満席にさせた
ばかりだというのに。

牧師さんのお説教は、神様の偉大な愛、神様の尊さに気がつかないのも
ジョシュア・ベルの美しい演奏に気がつかないのと同じことだ、
私たちもイエス様について選択をしなければならないと結ばれていましたが
(Just as people in the subway that ordinary morning had a choice
to make about Joshua Bell,we have a choice to make about Jesus.)
私はすっかりこのエピソードに心奪われてしまったのでした。

後でネットで調べてみたら
ワシントン・ポスト紙は、現代人は日々の忙しさにかまけて珠玉の美を見落としている
という結論を導き、見事この記事はピュリッツァー賞に輝いたのだそうです。
おまけにこの実験の、動画まであるのですね。



しかし金曜日の朝の出勤時間。
そりゃやっぱり足を止めてはいられないだろうなあ…
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2 コメント

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Unknown (mayumi)
2010-12-13 22:24:11
私も以前に聞いたことがあります。
道端に咲く一輪の小さな花のきれいさに気づく人と気づかない人の違いは、その人の生き方によるものだって。
些細なことでも楽しいとか嬉しいとか感じていたいと思っていても、地下鉄の構内を歩いてる人たちのようにもったいなくも素通りしてしまっているんですね。
だんだん歳を重ねてきて、一日一日を大事にしたいと思ってきていたところでした。
ありがとうございました。
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mayumiさま (zooey)
2010-12-14 07:54:45
実際問題、どんなに美や音楽を愛する人でも
出勤前の地下鉄で足を止めることは難しいと思いますが…
それでも「道端に咲く一輪の小さな花のきれいさ」になるべく気がつきたいものですね。
実際には毎日の生活の中で、気がつくどころか足で踏み散らしているような気もしますが。

こんな実験を考えつく新聞社、それを引き受けた音楽家の度量の広さにも驚きました。
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