天空☆faya-y的毎天☆

~faye-yの日常~ 天空疊著層層的思念。

NHKヒューマンドキュメンタリー「二人の旅路」 日中激動を生きた京劇夫婦

2011-08-25 12:41:48 | 映画
二人は二枚貝のようだった。ぴったりと合わさる二枚貝。他ではけっして合わない。


NHK「二人の旅路」日中激動を生きた京劇夫婦
先にBSで放送されたものの短縮版のようです。
上の言葉は、登場する残留孤児真理さん(65)のお父さんからの手紙の文面。戦中、真理さんのお母さん(中国人)は、日本人と結婚しますが終戦により離れ離れになり中国人と再婚します。
冒頭、亡くなったお母さんの骨壷を船から海に入れるシーンがありました。中国の習慣により夫婦の骨壷は結んで投げ入れられるそうですが、真理さんの異母兄弟たちはそれをせずにそれぞれの骨壷を海へと投げ入れ、真理さんは異母兄弟たちに感謝します。父親の違う真理さんに配慮したのです。
実は真理さんのお父さんは、再婚もしますが離婚し、生涯真理さんのお母さんを想い続けていたのです。

今、福岡で暮らす真理さんと夫の梁さん(70)はかつて寧夏省の京劇劇団の役者夫婦。梁さんは国が認める国家一級俳優でした。
しかし、真理さんの出生の背景は中国で役者を続けるものに重くのしかかります。そして、梁さんが決意したのは京劇俳優としてのキャリアを捨て妻のために国を出ることでした。

梁さんは選んだ選択をまったく後悔されておらず、そして真理さんのことを深く愛しているのだなあ、と画面を通して感じました。
梁さんの未来を奪ったのではないか、私なんて死んだほうがいいのではないかと言う真理さんに
「考えすぎだよ。そんな考えを持ってはいけない。その考えは何の役にも立たないよ。人生は苦労するのが当たり前なんだよ」
言えない。こんなことを私は言えません。
梁さんはたくさんの苦労をしたであろう日本での20年間を「幸せだ」と言われます。それは、きっと真理さんとの支え合う生活によるものなのでしょう。

さて、二人に寧夏京劇団から招へいがありました。劇場を建て直すことになったので最後の舞台に立ってほしいというのです。
二人は中国へと向かいました。演目は「覇王別姫」。夫婦の物語です。しかし、真理さんは夫婦の共演を固辞して梁さんの活躍を見守ります。
梁さんは奇跡を起こしました。20年舞台に立たなかったのにすばらしい覇王を演じました。
真理さんの心もほどけていきます。真理さんが舞台に立たなかった理由のひとつは物語の結末が哀しかったことでした。翌日、客席に誰もいない舞台で二人だけの「覇王別姫」を演じます。

二人は日本で大変な苦労をします。現在も日本語はたどたどしいのです。京劇の舞台を見ていて、お二人の才能を生かした仕事が日本にもあっただろうにと思うと残念でした。もしかして、京劇を封印していたのかもしれませんが。
これからの人生もお二人に幸多からんと祈ります。
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4 コメント

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re:となこさま (faye-y)
2011-08-26 18:17:30
丁寧に作られたとてもいい番組でしたよ。
私もまた行きたくなりました。
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この番組 (となこ)
2011-08-26 01:35:32
先日、NHK見てたら、番組のCMのようなのをちらっと目にしました。
一瞬のことだったのですが、「なんだろう?」と興味をもちました。
中国はいつか行ってみたい国です。


あ、そうそう、今夜もついつい早食いしちゃってました。
反省。
返信する
re:書子さま (faye-y)
2011-08-25 22:33:33
3月のBS放送時の詳細をアップしていたブログが
あったので読んでみるとBSでは1時間半の放送だった
ようでカットされていることも多いみたいです。

お二人が寄り添うように歩く姿が今でも浮かびます。
真理さんもきれいでしたが、梁さんは70歳に
思えない姿勢と動きでしたね。
きっとずっと体を鍛えておられたのでしょうね。。。

本当にいい番組でした!
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感動した (書子)
2011-08-25 22:14:22
いや~、この番組良かったですね。
ちょっと感動した。
BSで放送していたのかあ。
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