たーさんの裏街道を行く!!

世界中の街角から数々の失敗談,ちょっとエッチな話,面白情報をお届けします。(ノンフィクション)

たーさんの裏街道を行く アルゼンチン編 Vol. 7

2005-12-13 | 中南米編



クラブでの美人大学生との出会い。

もう社長は帰り支度をしている。スペイン語で話しかけられずうろたえている僕を見て、リトアニアの彼女が一言。
「大丈夫よ。彼女も一緒に行くって。」
「ええーっ!そうなの?」ちょっとは嬉しい気もするが・・・

次に辿り着いたのは、本当に場末の雰囲気が漂うタンゴ・バー。
一日の仕事を終えたタクシー運転手風のおっさん、きりっとネクタイは締めているものの、どことなく哀愁が漂うビジネスマン、さっきまで厨房で料理を作っていたような、若いあんちゃんなどなど、種々雑多な人たちが集まっている。ロンドンやダブリンのパブの賑わいとは違って、何だかパリのシャンソンを聞かせるバーのような雰囲気だ。

この中に入ると社長他ぼくらはとっても明るい部類で、わいわい言いながら酒を注文する。社長の発案でコルドバのワインボトルをとることにする。「社長、MELOTにしてよね。」
彼女の名前はNatalia。名前から見ても、外見から見ても完全ロシア系のようだ。あまり深くは詮索しない。

アルゼンチンはスペイン語圏なので、スペイン系が多いと思っていたのだが、なんと一番多いのはイタリア系移民。
つぎにスペイン系、ドイツ系と続き、4番目はなんとロシア、及びバルト3国。
Nataliaはブエノスアイレスでも有名な大学で経済を学んでいる。将来はアメリカに留学したいとも。アメリカには佃煮になるほど行っているので、ロスやニューヨークの話を聞きたがる。
こちらは、店の専属だろうが、タンゴを踊っている二人のステップを目を皿のようにしてみながらの話なので、どうにも身が入らない。それに気づいたかどうか、そのうち黙ってしまった。
二人で並んでダンスを見ているものだから、ダンサーとも自然に何回も目があう。
とうとう、お客さんと踊るというような、コーナーがあって、真っ先に二人とも引きずり出されてしまった。

二人で抱き合い、濃厚なアルゼンチンタンゴのご教示を受ける。
「そこは足をからめて。」
「もっと、腰を引き寄せて。」
「情熱的に瞳の中を見て。」
などと、ダンスの講義が、違う講義がわからなくなってくる。Nataliaは近くになってみると、丸いボディでそれなりに胸を大きいし、超ミニで足をからめるもんだから、中が見えてしまうのだ。
健康な男の子としては、素直に反応してしまい、Nataliaも気づいたらしく、僕を見てにっこり笑っている。

散々飲んだあとに、きつーいアルゼンチンタンゴは、さすがに辛い。店のお客さんにもいいようにからかわれてしまったが、本職の指導を受けるのは悪い気はしない。やっと、解放されて席に戻ると、足ががくがく、心臓はバクバク、ふーっ!しんどかった。
Nataliaはさすがに若さのせいか、息も切らしていない。夜毎のディスコ通いが功を奏しているのだろう。

「たーさん?」
「ん、何?」
「さっきさあ、どうしたの?」
「そりゃあ、何たってNataliaが魅力的だからじゃない。パンツも見えちゃったし。」
「このあと、ゆっくりタンゴの続きをしない?」
「ここで?」 何とおばかな質問。
「違うわよ。あなたの部屋で。」
「えーっ?君みたいな美人があ?」
「だって、私が行かなきゃ、あのリトアニア人が行くんでしょ?」
「何の話?」
「彼はいい男だから、私が行かないんだったら彼女がもらうっていってるわよ。」 どういう会話してたんだろ。
「とにかく、あなたに異存がなければ私はお邪魔するわ。タンゴ踊ってるとき何となく相性良かったもん。」
ワインをぐっ、と飲みながら言われてしまいました。こちらは大歓迎だけど、社長になんて言おう。

そのあとは、タンゴ談義。社長もタンゴには詳しくいろんなことを教えてもらった。明日はタンゴのCDを買おう。

戦いすんでの状態で、社長の車に乗せてもらい五人でホテルに向かう。
Nataliaはずっと腕を組んでいて離れないので、仕方がないからそのままホテルのロビーへ。
社長曰く、「仕事が出来る奴は手も早いな。」 社長違うって。
「まあ、いい。ゆっくりしてくれ。明日は10時半に来る。じゃあ、GOOD FUCK!」 その横でご婦人二人はしてやったりという、いたずらっぽい笑顔でバイバイと手を振っている。

彼らと別れてからもロビーで話をしている。
「これからどうするの?」
「いやあ、帰らなくていいのかい?」
「私は一人暮らしだから、全然問題ないわ。」とすっかり、部屋に入る気だ。
「うーん。じゃあ、いくらお小遣いあげればいいの?」
「なに言ってるの。私は娼婦じゃないわよ。お金なんてもらうわけないじゃない。」
「そんなら、仕方がないね。部屋へ行って横になってアルゼンチンタンゴ踊ろうか。」
「うん。」

ロシア系独特の折れそうなウエストは非常にタンゴが踊りやすかったです。はい。


後日談:彼女は結局アメリカに留学しL.A.でホテル関係の勉強をし、今は立派はホテルクラークになっています。

たーさんの裏街道を行く アルゼンチン編 Vol. 6

2005-12-13 | 中南米編


セニョール・タンゴでの食事。

入り口周辺には世界の有名人の来場記念写真が所狭しと飾られている。タンゴを見るならこの店という有名店だ。1F席はバスで来るような団体や、旅行社のオプションの皆さんが陣取っているが(それなりのイベントも用意されているが)、僕らは2F席のボックスでステージを見ながらのんびりと食事をすることに。
ここのところ、牛肉しか食べていないので、さすがに食傷気味の僕は魚(ほっけだね。)を注文する。
「たーさん、いい選択だ。ここの肉はそんなにおいしくはないからね。」と社長。
ほどなくショーの始まり。

アルゼンチン・タンゴの素晴らしいところは難しいダンスもそうだが、曲の中の思いとダンス自体からひしひし伝わってくる情念のようなものが、ずしんと響いてくることだ。
いつもながら、見事なダンス。最後のアルゼンチン国歌になると、やはり、皆さんが立ち上がるので、右へならうしかない。 ワインは実に良かったし、意外なことにアルゼンチンのコーヒーはヨーロッパタイプですこぶるおいしい。
エスプレッソなど飲みすぎて、胃が悪くなりそうだ。

「いやあ、社長。ごちそうさまでした。今回もアルゼンチン・タンゴが満喫できました。」
「うん。今日はここにして良かったね。比較的空いていたし。」
「今度また来るときまで、お元気で。」
「いやいや、今日は付き合ってもらうよ。せがれもいないしね。」
「はっ?」
「今日はご婦人がたにも楽しんでもらわなきゃいけないので、これからディスコに行って飲もうじゃないの。」
「えーっ!ディスコっすかあ??」
「良いところがあると彼女のご推薦だ。」 まあ、いいか。
このへんはどこだろう。コルドバの裏手になるのかなあ。なかなか賑わっている一角をすぎると、こぎれいなディスコに到着。ディスコというよりはサパークラブのような趣だが。

中はボックス席が主体ではあるが、だだっ広いスペースと、映画カクテルのトム・クルーズのようなバーテンダーのいるカウンターで構成されている。
「たーさん、気に入った女の子がいたら、近くに行って踊るといい。」
「こういうところは、男たちと一緒に来てる子のほうが多いだろう。女の子だって殆どグループだろうしさ。」
「まあ、見てりゃあわかるよ。」

リトアニア出身の彼女は、英語は喋れるのだがロシア訛りが入っていて非常に聞き取りにくい。
しかも、他の二人は意地悪く、殆どをスペイン語で喋るのでこれまたしんどい思いで、あまり酔えない。
女性達は二人で踊ってしまっているので、こちらはカクテルをちびちび飲りながら、ダンスフロアを見ていたのだが、案の定こんな時間ではパラパラとしか人がいないし、女の子なんて・・・と思っていたが。

な、な、なんと!ぞろぞろと人が入ってきたとみるや。ぜーんぶ女の子。しかも殆どがグループではなくて、単独の様子だ。彼女達はカウンターで少し飲んでいたかと思うと、次々にフロアで踊り始める。
着ている服はいずれも悩殺系列。ファスナーとかは一切なく、全てが紐でできているような洋服をきているし、下はあと2-3cmで大事なところに辿り着けそうな超ミニスカートばかり。
「なっ!たーさん、言ったとおりだろ。」
「これは一体?」
「あれは玄人じゃないよ。中には居るかもしれないが、殆どが学生やOLだと思う。遊びに来てるのさ。」
「さあ、近くで踊ってくるといい。喋れなければ彼女達に訳してもらえばいいさ。」
やっと、酔いが回ってきた僕は、言われるままにふらふらと、しかし一番美しいと思しき赤いミニドレスを着ている女の子のほうへ。それと見た、彼女達も僕のほうに近づいてくる。
ほんの3分も踊っていると、向こうから、
「あなたは、コリアン?それともチーノ?」
「いや、ハポネスだ。」
「おーっ、ハポネス!お友達はアルゼンチンの人」
「そう。」
「一緒に飲んでもいいかしら?」
「大歓迎だ。」
てな訳で、あっさり僕らのテーブルに。話は殆どスペイン語なので、わからないが、断片的に彼女が大学生であること、テストの点数があまり良くなかったので、気を晴らしに来ていたことなどを教えてもらった。
何にせよ、ロスのモデルには負けるが、これだけスタイルの良い、美人と呼べる女の子が隣に座っているのは、目の保養だけでも十分であろう。

しばらく、5人でわいわいやっていたのだが、社長はやおら、「さて、次に行くか。」と言って席を立つ。
あらあ、折角一緒に飲んでくれてるのになあ・・・・

つづく。

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たーさんの裏街道を行く サンクスギビング

2005-12-13 | アメリカ編


でっかいゴールデンレトリバーのビスケット君のお迎えで○○○○家に入る。

ソファーにかけているMさんが皆さんに僕を紹介してくれる。
やあやあ、ようこそ○○○○家へ、といったアメリカ独特のウエルカム。
料理はもう少しかかるらしく、皆でワインを飲みながら歓談するが、犬のビスケット君は遊んで欲しいらしく、皆のまわりを行ったり来たり。僕を誘ってくれた方が気に入ったらしく、近くから離れない。
これだけ大きいと、しっぽも太く、思いっきりふっているので、こいつが人にあたる。相当に痛い。
「ビスケットは後ろに鞭がついているみたいだ。」誰かが言ったがその通りかも。

やっと、料理ができたようだ。
皆さんがテーブルについて、さあてお食事。
あらっ?いきなり食事がはじまっちゃたぞ?普通ならここは主人が主に祈りをささげ、アーメンやってから食事に入るところだけど?ちょっと不思議に思って、聞いてみると、
「神様が何をしてくれるっているの?自分の力だし、苦しいことがあったら酒以上の薬はないわよ。」
と誰かが、答えてくれた。他の皆さんも違いないと言って大笑い。 うーん、そうなのか??
聞いてみると、この一族の出自はデンマーク。
ヨーロッパに絶望して、一族で移り住んだ経緯があるらしい。 合理的といえば合理的かも。

前菜が終わり、とうとう七面鳥の番が来る。
つぎつぎとテーブルに並べてくれるのは、この家の奥さんと長男のお嫁さん。七面鳥にかけるオレンジソースはその家の一番若い女の子がサーブするのが、なかばお決まりになっている。
この家では長男の娘、5歳のドロシーちゃんがその役目だ。人形のように可愛い。
小さい手でソースポッドを持ち、みんなにソースをどうぞ。といって回る。

うーん、七面鳥はあんまり得意じゃないなあ。
ぱくっと一口。 な、な、何だこの味は!? うまい!!強烈にうまい!
柔らかいし、ドロシーがサーブしてくれたソースはこの世のものとも思われないほどおいしい。
「!!!」
「うまい!」思わず口に出てしまったのだが、皆さんは聞き逃さない。
「そうだろう。代々伝わる○○○○家秘伝のソースなのさ。」異口同音のお答え。
「これは、いったいどのような作りに・・・・」
メインディッシュのサーブを終えた、奥さんとお嫁さんがテーブルについて説明してくれた。
「これは七面鳥のレバーをペーストにしてオレンジと一緒に煮込むんだけど、家は3日間位前からことこと煮込むの。ウサギのワイン煮込みと同じ要領ね。決して沸騰させてはいけないので、大変な作業なのよ。今年も人気で一安心ね。」お嫁さんは横でニコニコ笑っている。 こうして伝統の味が受け継がれていくんだなあ。
兎に角、過去いろんなところで七面鳥をいただいたが、○○○○家のソースを超える料理には、もう二度とめぐり合えないだろうなあ。

○○○○家の皆さんは皆さんセレブに属する上流社会の皆さん。
ガレージにはサーフィンボードや、スケボー、BENZが所狭しと並んでいて、主人は単独でファンドを運用するファンドマネージャーなので、朝5時くらいから仕事をはじめ、昼前には仕事を終えてしまう。あとは、趣味のやり放題だ。日暮れまでたっぷりと趣味に費やし、家族揃って食事をする。
典型的なサクセスアメリカンの生活だ。 こんな生活がいいなあ。

満ちたりた食事で、お誘いをいただいた方に感謝もしつつ、食後に皆さんとソファで歓談。

聞いてびっくり。僕がエスコートした彼女の経歴だ。
“G.I.ジェーン”っている映画がありましたね。
このモデルになったのが彼女なのでありました。海兵隊初の女性隊員。男性と同じ条件で、同じ扱いを受けた唯一の女性隊員。退役の最終階級は大尉。
そして、彼女の軍服はスミソニアン博物館に展示されているのだそうであります。 大変な人だ。

「たーさん、これからは毎年ここでサンクスギビングを過ごしたらいい。みんな大歓迎だ。」
彼女も、「日本人にしては、レディファーストが完璧よ。大したもんだわ。」とお褒めの言葉。

彼女も今年で83歳。
次の機会まで、お元気で。


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たーさんの裏街道を行く サンクスギビング

2005-12-13 | アメリカ編


サンクスギビングは終わってしまったけれど、忘れられないお宅があります。クリスマスの前に・・・・


アメリカもサンクスギビングが終わって、あとはクリスマスまで金を使う日々が続きます。

サンクスギビングの時期には何故か、アメリカにいることが多くて、この時期には仕事にならない。僕はといえば、スーパーにいってヘリウムガスがはいった風船を買ってきて部屋に飾ってKFCでフライトチキンのセットを買ってきてのんびりしているのだが、この年にはひょんなことで、お誘いを受けた。
「どうせ暇なんだから、招待されている家に一緒に行こう。」とのお誘い。
「だけど、見ず知らずの家にお邪魔するのは気が引けるし、歓迎されないと思いますし・・・」 
丁重にお断りのだけれど、
「ババアのエスコートが足りないから車で向かえに行けばOK」というので、しぶしぶお受けした。
実は、サンクスギビングに食する七面鳥。あれのどこがうまくて食べるのかが、いまひとつわからない僕はあまり、気がすすまない。とはいえ、手ぶらで行くわけにも行かないので、ロバート・モンダビのMELOTを半ダースほど買い込み、指定されたお家へお迎えに。

ピンポーン。

チャイムを鳴らすと中から、長身のおばあちゃんが登場。
「はーい、こんにちは。お迎えにあがりました。」
「あなたがたーさんね。日本人?懐かしいわね。さあ、中に入って、ちょっと待っててくれる」
玄関を入ると、中国風の飾りだな、中には扇子や、湯飲み茶碗、中国のアクセサリーが所狭しとディスプレイされているが、決してうるさくなく、住んでいる人のセンスが感じられる。

何となく、オリエンタルなインテリア。
知性が感じられる話し方、おいしいコーヒー、よく手入れされているテラスのガーデン、さっぱりと清潔感のある服装、どれをとっても若い頃には相当バリバリ何かに打ち込んでいたに違いない。
支度も終わり、彼女が道案内で○○○○家のパーティに向かう。

向かったお家は一角がすべてゲートでガードされている高級住宅地だ。
駐車場の入り口にあるような機械で、到着を告げるとゲートがゆっくりと自動で開く。その家の人はガレージを開けるときのようなリモコンを車に装備しているそうだ。

相当に大きい家。3F建てになっているようだ。
皆さんもう集まっているようだった。車がおいてある。なになに、BMWにBENZ、ありゃあボクサーまで置いてある。
レンタカーのカムリじゃあ、全然釣り合いがとれないなあ。
車を止めて、彼女のドアをあけ、エスコート。階段を登ってドアに向かう。

ライオンのついたドアノッカーをコンコンとやると、誘っていただいた方と大きな犬がが迎えてくれた。
彼女Mをお預けして、買ってきたワインを運び込む。
バーコーナーには皆さんが持ち寄った、ワインやら、ウイスキーやらが既に大量に並んでいる。

つづく。



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たーさんの裏街道を行く アルゼンチン編 Vol. 5

2005-12-13 | 中南米編


今日はまじめにお仕事、のはず。

数年来のお付き合いがある会社と、その他2社とのミーティング。時間が限られているので、午前1社、午後2社、の予定だが、なにせいここはアルゼンチン。時間通りに仕事が終わったためしがない。

1社目は前々からお付き合いのある会社。かって知ったる会社の内部。旧知の皆さんに挨拶をしながら、とことこと社長室まで歩いていくと、秘書のおねーちゃんから声がかかる。
「あら、たーさん、おはようございます。社長がそわそわして待ってますよ。」
「久しぶり。せがれは?」
「アメリカに行っています。」
「じゃあ、社長と二人でミーティングか。難しいところになったら通訳してくれる?」
そう、この会社の社長は英語を話すものの、そんなに得意ではない。難しい話になると、もともとイタリア移民の子孫の社長は手を広げて知らんぷりを決め込む。
「やあ、たーさん。!」
「おはようございます。ご無沙汰しましたね。」
「まったくだ。来い来いと言ってるのに。」
「アルゼンチンは遠いよ、社長。今回の注文は大きくなりそうだから直々にきたけど。」
「まあ、いい。良く来てくれた。さあ、入ったり、入ったり。」
彼らの近況と、彼の長男についての愚痴で既に2時間が経過。もう、だめだ。他は明日ということになるな。
彼のワイン好きは有名で、昼間からアルゼンチン・イタリアンの店で一本くらい軽々あけてしまう。しかも、現地スタイルの食事となるので、たっぷり2時間かける。
やっと、仕事になったのは3時を回った頃。4時になると、秘書がエスプレッソを持ってくる。
「たーさん、お茶にしよう。」
30分ほどの無駄話。今日の夕食についての段取りなどをのんびりとお話。
4時半にお仕事再開。やっと6時すぎに注文の話になり、条件もあったが、こちらに一任ということで、アメリカ
経由の送金ベースで決着。
6時になるとまたもや、お茶になるのだが、今度はブランデー付き。
やっと、仕事が終わってホテルに送ってもらったのは7時すぎだった。
今日はべただが、セニョール・タンゴにリザーブを入れてくれたというので、8時までには行かねば。

顔を洗って、着替えを済ませてロビーで待っていると、社長と2人の女性が到着。
おや?秘書じゃないなあ。
「たーさん、お待たせ。言ってなかったか?俺の彼女とたーさんの彼女も連れてきた。」
「はあ?」
「というのは嘘だが、俺の彼女の友達だ。リトアニア生まれの未亡人だ。」
「セニョール・タンゴあたりでも、男一人じゃあ格好がつかないから彼女のエスコートを頼むよ。英語は大丈夫だ。」
「OK。そういうことなら。」
「ただし!」
「何だい?」
「今日一日英語で付き合ったから、たーさんこれから夜の時間はスペイン語にさせてもらうよ。
「ええっ?わからないじゃないか。」
「本を持ってたろ。あれでいいから持っといで。」
いわれるままに、アメリカで買ったベルリッツのENGLISH/SPANISHの本を持参でも食事と相成った。

彼のBMWでセニョール・タンゴに向かう。
やーれやれ、今日はそれなりにしんどかったから英語が良いのになあ。まあ、彼女が英語喋れるからいいかあ。

つづく。


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