「たーさん、中東に来るならめがねを変えて来いよ。」
某大手商社の現地支店長からアドバイスをもらっていたものの、メガネを買いに行く時間もなく、そのままロンドンからクウエートへ。まだ、湾岸戦争が始まるまえのことだったので、クウエート現地は平穏そのもの。空港には現地スタイルの取引先がベンツ!でお出迎え。同じドイツ車でも、熱い地域ではBMWよりベンツのほうが多いのは、冷房の効き具合が格段に違うからだろう。 実に良く冷えている。
BMWは香港、タイでも経験があるが、バカになっているのか、全く冷えない。
これがレース出身の車だ!と、開き直っているとしか思えない。もちろんアメリカでも冷房は効きはしない。
香港の悪友も、カミさんの趣味でBMWを買ったのだが、あまりに冷えず、頭にきて3ヶ月で売り飛ばしてしまった。
クウエートくんだりまで来る気になったのは、ひとつだけ、どうしても試したいことがあったから。
それは・・・・、
“ベンツのボンネットで果たして卵焼きが作れるのか?”
これだよなあ。これを試しにわざわざわざ、イギリス経由でこの国まできたんだ。仕事もついでにね。
かねてから、疑問に思い、ヨルダンとか、サウジの皆さんに聞いてはみたのだけれど、どうも皆さんというか、アラブ人というのは遊び心ってものがないのか、誰もやってみたという連絡をしてくれない。
“むう、こればっかりは自分で検証せねばなるまい。”と決心していた矢先のクウエート行きだったので、渡りに船とはこのこと。
で、取引先がベンツで出迎えてくれたのをいいことに、買いたいものがあるといって、スーパーに寄って貰う。
多分、取引先の性格から見て、滞在中はこの運転手が僕の専属ドライバーであろう。早速スーパーで卵とちょっとしたものを買い込み、実験に備える。
まあ、仕事の話はこの際まったく抜きにして、2日目の日程を終えた僕は、くだんのドライバーにベンツでホテルまで送ってもらう。食事の時間までにはまだ間があるので、いそいそとバッグを部屋に置き、冷蔵庫に入れておいた
卵を2個取り出し、ホテルのフロントで待たせておいた車のところへ戻る。
レバノン出身のドライバーは、不思議そうな顔をしているが、かくかくしかじかでちょっと車を汚すよと言うと、ニヤリと笑いながら、事の次第を見守る構えだ。
よーし、卵を炎天下にあった、ボンネットに落とすぞ!
コンコン、パキッ!パカーン。ピシャッ!
むむ、ちょっとだらりと垂れてるな。
おっ!おおっ!白身が・・・・、少しずつだが、固まっていく!
やったー!大成功。少しずれながらも、ゆるいサニーサイドアップの出来上がり!
車でもこんなに熱くなってしまうのだから、めがねを変えて来いというのも頷ける。
後日談: 調子に乗って炎天下でこの卵焼きの実験をしていた僕は、その日めがねのつるのあたっているところが、赤く腫上がって火傷のようになっているのをバスルームで発見したのでした。
セルフレームに変えてくれば良かった・・・・・。
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