今日も台湾の老板たちに誘われ、カラオケに出撃。
なんとなく気乗りがしないまま、マグ○○○に到着。部屋に通され、いつものセレクションの後、早速北京方面の情報交換やら、最近の南に事情などをわいわい話していたのだけれど。外が何やら騒がしい。
まあ、酔っ払いが騒いでいるのだろう。と思いそのままねーちゃんはべらかして飲んでいるところへ!
突然ドアが乱暴に開けられ、どやどやと地元と思しき風体の男達が数人、乱入してきた。
「よーし、そのまま動かないように公安だ。」
頭の中に翻訳されたのは、「御用改めである。神妙に致せ。」
女の子達はばね仕掛けのように飛び上がり、次々にお白州に引き出されているようだ。
すかさず、横の老板が、
「たーさん、パスポートもってないが、アメリカ人だと言ってください。中国語喋っちゃ駄目ですよ。」とアドバイス。
「身分証明書を出せ!」高圧的な公安の態度。
老板達は台湾の往来証など、複数のものを見せている。中にはシンガポール在住、マレーシア在住もいるので、公安のほうも面食らっているようだ。
次は僕の番。
「オー!パスポート。モッテイマセン。中国アブナイカラホテルノキンコノナカヨ。」
「アナタタチナンデスカ?エッ?ポリス?ミブンショーメイヨクミセテクダサイ。中国ニセモノオオイ。」
などと、英語でまくしたてる。
僕は外見からして、髪の毛は色がチョッと薄いし、誰がどう見ても一見香港系アメリカ人に見えるらしく、公安の誰もが日本人とは気がつかないようだ。
身分証明を見せろ、見せろと詰め寄ると、誰も英語はわからないらしく、ついには、御用改めの岡っ引きと思しき
恰幅のいい男が手を振ると、
「おまえらは、もういい。早く帰れ。」と一喝。
台湾人が通訳をするふりをすると、有無をも言わさず、捕り方が両脇を抱えて、ロビーまで連行され、そのまま踵を返してしまった。
「おい、こりゃあ、飲み得、無罪放免ってやつかね?」
「そうみたいですなあ・・もうけ、もうけ。さあ、早いとこずらかりやしょう。」
池田屋騒動の攘夷浪士よろしく、ほうほうの態で店を出る。当然、マイタン等と言って、呼び止める奴もいない。
表に出て、遠巻きに見ている野次馬の中に入ってしまうと、一安心。
全員まったく、興醒めしてしまい、お開きと相成った。
いやあ、長年中国来てて、ドラマでは現場の様子を見ているけど、直面したのは初めて。
全員アカデミー賞とまではいかないけれど、それなりの演技かなあ。
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