今日も今日とて、忙しい一日。
河南省から役人が来ていて、ご当地の代理店も一緒に総勢10名が上海にやって来ている。
目的は
“視察”
まあ、要は代理店の金で遊びに来ているわけでありまして、上海にオフィスを構えていると、地方からこういう口実でやって来ること多数なのであります。話は聞いていたけど、何も僕が来ている時に・・・、と思っていたら、
「たーさん、折角ですから挨拶をお願いします。」と営業の連中。
「や、来ていることは知らないだろうから、遠慮しとくよ。そちらでうまくやっといて。」
「でも、今日いらしていることは代理店が知っていますから、まずいですよ。」
「何で知ってんの?」
「担当のTが、この日ならたーさんが来ています。と言ってましたから。このあいだ。」
「ええっ!じゃあ、この部屋にいることしってるわけ?」
「そうです。」
「はああ・・・、今日の夜はM社と約束があったのになあ・・・。」
「すいません。これから食事に出ますから、挨拶をお願いします。」
「へいへい。よござんすよ。ばれてちゃあ仕方ないね。」
てなことで、営業スマイルに切り替え役人と代理店がわいわいやっている会議室へ。
「こんにちは。ようこそいらっしゃいました。たーさんです。」
お定まりの名刺交換をしながら、お愛想を振りまく。我ながら名演技だ。
数人と名刺交換を終えて、真打組に近づくと、
「あれえ?」
「たーさん、ご無沙汰していましたね。」
「Rさんじゃあありませんか?どうして?北京じゃないの?」
「昨年、河南省に転出したんですよ。」
「へええ、いやあご無沙汰しました。ということは、北京にもここしばらくお邪魔してないってことだ。」
「Hが寂しがってましたよ。たーさんは来ないのかってね。」
Rさんは、北京のお役所関係で随分と横の連絡を買って出てもらっていたので、随分と親しい。役人の中にも賄賂組と党の中での地位をあげるために、清廉潔白かつエリート街道を突っ走っているタイプと2つがあるが、彼は後者であり、役人になる前は自分で会社をやっていて、政府から請われて今の地位についている。
「Rさんがいるんじゃあ、逃れられませんね。代理店の皆さんは酒が強いので、今日は失礼させてもらおうと思ってましたが、とことんお付き合いしますよ。」
「そうこなくちゃあ。御社の代理店とは知らずに今回はお世話になっていますが。」
「彼らはいろんなことしていますからね。うちの仕事はアルバイト程度じゃあ?」
「たーさん。それはないよ。ここんところ沢山売ってるでしょ。」やっと、代理店の社長が口をはさむ。
「たーさんとRさんがお知り合いだったとは知りませんでしたな。」
「中国も意外と狭いね。」
「まったく。ははは。」
ローカルスタッフの案内に身をまかせて、Rさんと代理店社長と3人で深夜まで飲み倒す。
Rさんも気が緩んだのか、今日ばかりはカラオケのお嬢さんをお持ち帰りです。
やれやれ、政府関連のホテルに泊まっているのに、いいのかねえ。
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