たーさんの裏街道を行く!!

世界中の街角から数々の失敗談,ちょっとエッチな話,面白情報をお届けします。(ノンフィクション)

たーさんの裏街道を行く トルコ編 No.27

2011-06-02 | トルコ編


今回もミュンヘン経由でイスタンブール入り。
しかし、この時間フライトはあまり好きじゃない。
というのもこのフライト、イスタンブールに到着してからの景色が全く楽しめないから。
ひたすら暗ーい道をアタチュルク空港からタクシム界隈までタクシーで行くことになる。
しかも気を抜いていると、暗いのをいいことに隙を見ては遠回りをしようとする
タクシー運転手を牽制しながらになるので、もういい加減疲れている身にとっては結構きつい道中なのだ。

中国ではマッサージがあるけれど、こちらはトルコ風呂。
むくつけき大男がバシンバシン、ガッシュガッシュとやってくれるので気持ちは
いいのだが、終わったあとが結構疲れる。
中華料理屋があるし、それなりに裏のところもあるので、中国風按摩はないものか?
懇意にしていた上海人のやっていた中華料理屋は武運つたなく撤退の
憂き目となってしまったので、そこそこのお店に行き、料理人に聞いてみる
ことにした。

取り急ぎ、可も不可もない焼きそばを頼み、現地ウエイターを横目に
カウンターから中を覗き込む。

「ニンハオ!」
「ニンハオ!」 うん、ちゃんと中国語で返事が返ってきたね。
「このあたりで、中国風按摩はありやなしや?」
「あるよー。」
「えっ?本当?どこどこ?」
「住所と電話番号を教えるよ。今日行くの?」
「ここでご飯食べたあとにね。」
「じゃあ、電話しておくよ。ママさんは○○って人だ。これが住所と番号。」
「ありがとう。助かるよ。いくら位?」
「話せるんでしょ?Chinese価格でお願いしとくよ。」
「多謝!」

もらった住所を頼りにトコトコ歩いていく。
住所が正しければ、全くの住宅街にある格好だ。
もうすでに暗くなっている街並みを歩いていく。

「うーん・・・、書いてもらった住所によるとこの建物のはずだけど・・・」
静かな住宅街に佇む建物は、到底マッサージ屋がある建物には見えない。
「電話するか・・・」
書いてもらった電話番号にかけてみると、
「メルハバ」 どうやらおばちゃんらしき女性が、
「ニンハオ、ここは按摩屋さんで間違いない?」
「あら、ニンハオ、そうですよ。ご予約?」
「いや、えーっと、今、どこそこの住所の建物前にいるんだけど。」
「そうですか。ちょっと待ってて、迎えに行きますから。」
やっぱりここでいいのかなあ・・・
「お待たせしましたー」のくだんの建物から女性がひとり。
「どうぞ、こちらです。」 案内されるまま建物の中へ。
確かに、階段を使ってたどり着いた先にはティピカルな中国式按摩屋さん
の佇まい。

「へええ。」
「今日、中華料理屋さんにいらっしゃった方ね?」 
迎えに来てくれた女性はどうやらこの店の老板らしい。
「そう。連絡あった?」
「ええ、言葉大丈夫だから、VIP価格でってね。」
「よろしくお願いしまーす。」

部屋に通され、ウーロン茶が出てきた。 こころなしか香の臭いもする。
いやあ、まさかイスタンブールの街中でチャイナスタイルの按摩ができるとは・・・。
今日はあまり人がいないらしく、ママよりは少し若めのお嬢さんがご担当。

「イスタンブールは初めて?」
「いや、何回も来てるんだけど、ここは初めてさ。そういうママさんは長いの?」
「いつの間にか長くなっちゃったわねえ。」
「いろいろあったみたいだね?」
「ええ、まあいろいろねとね。」
「日本人も結構来るの?」
「ええ、いらっしゃるけど、知ってる人はそんなに多くないはずよ。」
「VIPクラブかい?」
「でもないけど、某自動車会社の偉いさんも来ていただいたわ。」
「そうなの。 知る人ぞ知るってやつだね。」

たっぷりと90分ほど、もみほぐしてもらい、もう一度お茶をもらって、建物を
後にする。
(確かに壁にあった料金表が正しいとするなら、ずいぶん安くしてもらったようだ。)

次回来る時にも、残っているといいなあ・・・・
ぼんやりと考えながら、月の明るい夜道をホテルまで。

疲れが一気に出たのか、シャワーも浴びずに沈没の夜。 極楽。

*効果抜群の十二神将と干支の護符をご紹介*

 ご訪問有難うございます。



Copyright © 2005-2011 Ta-san, All rights reserved

たーさんの裏街道を行く トルコ編 No.26

2011-06-01 | トルコ編


アジア側でD氏とF夫妻とお食事。

ナザルボンジュの入り口用特大をF氏の奥さんのお母さんから、ということ
で頂戴したあっしは上機嫌で、D氏と奥さんとトルコの酒ラクとトルコワイン、
久々の新鮮野菜ですっかり酔ってしまっていた。



「Dさん、もうやめとこう。ひっくり返っちゃう。」
「たーさん、何言ってるの?飲みましょうよ。」とFの奥さん。
「いや、奥さんとはワイン、Dさんとはラクじゃあ、分が悪い。頭痛くなってきた。」
「よし、じゃあ一旦ここは出て、フランスズ ソカゥで飲みなおそう。」
「賛成!」と奥さん。
「おいおい、まだ行くのかい?」と酒を飲まないF。
「おまえはデザートにInciでも買ってきて喰っとけ。」
(Inciというのはちっこいシュークリームのチョコレート漬みたいな現地では有名なお菓子)
「そんな・・・」
「さあさあ、早く行くぞ。F、会計してくれ。」

唯一人酒を飲まないFが結局は支払いをして、車を運転し、しかも車で
乗りつけたにもかかわらず、降りたのは3人だけ。 Fは駐車場まで車を
置きに行く羽目に。

「なあ、たーさん、Fは本当にInci買って来るんじゃあないか?」とDさん。
横合いから付き合いの長い奥様が一言口をはさむ。
「あの人、絶対に買って来ると思うわ。甘いもの大好きだもの。」
「うーん、奥さんが言うんだから買ってくるかなあ・・・・。」
「ダメだ、たーさん。それじゃあ賭けにならない。俺は買ってこないほうに賭けよう。」とウインクしている。
(ああ、なるほど。)
「よし、じゃああっしも来ないほうに賭けておこうか。」
「それがいい。奥さんは買って来るほうに賭けるんだな?」
「US$30.00賭けよう。」
「えーっ!そんなに?」
「問題ない。負けても支払いはFだ。買ってこなかったあいつが悪いということになる。」
「じゃあ、いいわ。」 (おいおい!)

そうこうしているうちにちょっとしたつまみと酒が到着。

「かんぱーい。」

Fはどこに車を止めに行ったものやら、一向に戻ってこない。
1杯目を片付け、2杯目に差し掛かったところで、やっと到着。

「Fさん、遅かったな。どこまで止めに行ったの?」
「ごめん、ごめん。 ついでにIncをi買ってきた。」
3人とも顔を見合わせ大爆笑。
「どうしたの?折角ワイフとみんなのお土産用に買ってきたのに・・・」
「Fよ。お前はそういうところに意外性がない。」
「へっ?」
「今、みんなでお前がInciを本当に買って来るかどうか、賭けてたところだ。そして、やはりお前のワイフが賭けに勝って総取りしたところだ。」
「えっ! 本当?いくら勝ったの?」
「だーから、そんなことはどうでもいいんだよ。やはりお前のことは奥さんが一番わかってるってことだ。
感謝しろよ。ま、ここでお前が紅茶の礼に、たーさんにブレスでも買ってくりゃあ、俺が全部もったがな。」
いつもポカンとしているような顔をしているFだが、ますますポカンとした顔をしている。
「F。US$60.00の勝ちよ。ありがとう!」
チューをしてもらって、やっと呑み込めたのか、大笑いしている。
「甘いもの好きも、たまにはいいことがあるもんだ。たーさん、食べる?」
「いいよー。今は遠慮しとこう。」

奥さんの信頼を取り戻した?Fはそのあと終始ご機嫌。
すっかり夜も更けて、3人ともいーい感じに酔っ払ってしまった。

「あー、もうごちそうさま。明日も早いから、もうそろそろ寝るよ。お先に。」
ここからなら、ホテルまで歩いても10分ちょい。酔いをさましながら歩くのもいい。
「ダメだ、たーさん、送ってく。」
「いいよ、F。ここからだと、車を回したほうが時間がかかる。」
「いいや、送る。待っててくれ。」 と、言いつつ、もう戸口に向かっていく。
「たーさん、ま、送らせてやれよ。あいつもあいつなりに楽しいんだ。」
「そうよねー。普段こんなに飲んでたら口もきかなくなるわよ。」
「そうなの?」
「そうよー。今日は自分が飲めないからって言ってたもの。で、私も久々に羽根を伸ばせるし。」
「あいつも飲めるようになると良いのにね。」
「ま、あいつが飲まないおかげで俺は思いっきり飲めるわけだが・・・。」

帰りがけの朝にはFの家に立ち寄り、一緒に朝食を食べる約束を奥さんにさせられ、Fの運転でホテルまで。
Dさんと一緒だと、いつもいいようにやられているので、今度はFご夫妻だけ招待してあげよう。

*効果抜群の十二神将と干支の護符をご紹介*

 ご訪問有難うございます。



Copyright © 2005-2011 Ta-san, All rights reserved

たーさんの裏街道を行く トルコ編 Vol. 25

2008-11-23 | トルコ編




「こんにちは。久しぶり。」
「たーさん、お久しぶり。いつまでイスタンブールにいるの?」
「明後日のフライトでミュンヘンに出る。」
「ねえ、この間面白いものがあったから、おみやげにしようと思って買っといたのに、Fったら、今朝“たーさんと会う”って言うのよ。」
「ほほう・・・。」 ちらとFのほうを見るとそっぽを向いている。
「で、今日は母のところに行く予定だったんだけど、子供を預けて一緒に来たのよ。」
「ふーん。」 どうやらFとしては、ワイフとベイビーがお母さんのところにいれば、今夜は羽目がはずせると思って
期待していたらしい。
「さ、挨拶も終わったことだし、めしを食いに行こう。F、運転を頼むよ。」
「OK」

4人で車に乗り込み、アジア側に向かって海峡にかかる橋をわたる。
トルコ人の親日のひとつの理由でもある橋だ。
(日本が施工を請け負った橋なのだが、工期を大幅に短縮して完成されたこの橋は、日本人の勤勉さを示すものとして、建築・土木業界のお手本になっているのだ。)

橋を渡ってから20分ものんびり走ると、そのレストランはある。
海に向かってぽっつり建っているので、知らなければ民家と間違える造りになっている。
幸い営業中。
電話に出なかった理由は? 買出しに行っていた。というなんとものどかな・・・・。

Dさんとしては、お約束のごとく、テーブルに着くなりラクを頼むが、こちらはこれ以上飲むと食事どころではなくなったしまうので、Fに頼んでワインをとってもらうことにした。 トルコの地ワインもなかなか捨てたもんじゃない。

伝統的トルコ料理のスタイルで、小皿に盛られてきたものを皆で取り分けて食べていく。
結局、一人では飲みきれないということで、ラクも飲む羽目になっているのだが、魚がなにせい新鮮だし、ここのところ不足していた野菜が採れるのは有難い限り。 ギリシャ仕立てのドレッシングも実にいい味を出している。

「やー、Dさん。 ここはおいしいねえ!」
「だろう。ちょっと遠いからあまり来れないんだが、時間があるときにはここでのんびりする。」
「とはいえ、一人では来れない?」
「そう!飲んじまうからなァ。今日みたいに誰か運転できる人間がいないとな。」
「Fは飲めないからちょうどいい?」
「そういうこと。」
「いつも運転手だよ。」とF。
「いや、F。運転手やるだけでこの料理が食べられるなた毎日やってもいいけどなァ・・・」
「毎日ではやりたいところだけどさ・・・おっと!」 横からワイフがつついている。
「だよなあ。ワイフが料理を作って待ってるのに、毎日はこれないわな。」
「なんて言いながら、結構Dさんと一緒に食べに行ってるのよ。まるで未亡人だわ。」
「まあ、可愛いベイビーが一緒なんだから、大きいほうはいいんじゃないの?」
「そうねえ・・・」

いじられやすいキャラのFはここでも散々だが、元々は大手会社のバイヤーをやっていたので、英語には全く不安がないし、物腰も堂々としているのだが、このメンバーで集まってしまうと、残念ながら、いいとこなしだ。
特にワイフには弱み(いつかご紹介)を握られているので、全く逆らえない。

「ところで、おみやげって?」 出掛けにFのワイフが言っていたのを思い出した。
「ああ、そうそう。 2週間位前に母と銀食器を買いに行ったんだけど。覚えてる?銀のマーケット?」
「覚えてるよ。いつもあそこで皆さんにブレスを買ってもらったりしてるからね。」
「そこで、いいのが見つかったのよ。たーさん、ナザルボンジュを欲しがってたでしょ?」
「ドアにかけるおっきいやつ!」
「そ、それが見つかったから買っといた!」
「有難う。いくらだった?結構したんじゃない?」
「いいの。母からのプレゼント。」
「ええーっ!それはまずいよ。 いくら?はらうから。」
「ほんとにいいのよ。母もたーさんのこと知ってるしね。よろしくって。」
「なんで?会ったことあったっけ?」
「ない!けど、前に家に来たとき、皆で写真とったでしょ?あれを引き伸ばして飾ってあるから、母がうちに来ると必ず話しがでるの。」
「ふーん、それでか。」
「そんなわけだから、気持ちよくもらって。」
「ありがたくもらいます。明日にでも探しに行こうと思ってたんだ。開けても?」
「どうぞ、どうぞ。」
マーケットのこととて、袋はスーパーの袋みたいな奴で、箱もボール紙みたいなものだったけれど、中のナザルはそれはそれは、あっし好みの洒落たセンスのものだった。 さすがフランス留学のせいか、センスは抜群だ。
「こりゃあ・・、ばっちりだ。本当に有難う。お母さんにも宜しく伝えてください。」

食事もうまいし、お目当てのナザルは手に入ったし、美人の奥さんもいる。
急に酒がまわってきた感じだ。

 ご訪問有難うございます。



たーさんの裏街道を行く トルコ編 Vol. 24

2008-11-17 | トルコ編




「アロー、Dさーん、入るよー。」

親父さんは軍の高官で、自身もイスタンブールの名門大学出身のエリートだが、ベビーフェイスに似合わぬ巨躯と、とぼけた話し方で愛嬌のあるFが汗を拭きながら入ってきた。

「やあ、たーさん。いらっしゃい。久しぶり。」
「よっ!久しぶり。ベイビーは元気か?」
「ベイビーは元気さ。ベイビーじゃなくてうちのワイフのことじゃあないの?」

Fはフランス語と英語がペラペラの奥さんがいるのだが、おいらがFのワイフと異常に親しいのを嫉妬していて、いつもこんな言い方をする。 確かに、奥さんとしては、いつもは言いにくいことを、おいらに同意を求める形でFを嗜めているのだが、そんなことはFの狭い了見には通用しない。

それを知ってるDさん、すぐにFに意見する。
「また、それか?おまえのワイフはスマートな男が好きなんだ。比べてみればすぐわかる。うん。」
「そりゃ、たーさんには・・・」
「敵うわけがないだろう。せいぜい寝取られないように気をつけるんだな。」
「またDさん、そんなこと言うと、ますます警戒しちゃうぜ。」 笑いながらその場を納めるあっし。
「なあ、F。 こういうところが大人の対応というもんだよ。なっ!」
「ちょっとした冗談だよ。そんなに突っ込まなくても・・・・。」 恐縮するFは体がでかいだけに滑稽でもある。
「Fさん、紅茶でも飲むか?イギリスで買ってきたお茶があるけど。」
「あっ!これかあ。Dさんがうまいから飲んでみろって持ってきてくれた紅茶だね?」
「そう。」
「いただきます。おいしくてさあ・・・。ワイフにこんな気の利いたものどうしたのって聞かれちゃってサア。たーさんの紅茶をDさん経由でもらったって言わざるを得なかったんだよ。」
「じゃあ、ちょっと持って帰って、また、たーさんの話題で盛り上がるといいさ。」 とDさんがまた茶化す。
「いや、これは貰っていく。 自慢できるから!」 
早速、いくつかのパッケージを取り上げて吟味するF。
チャイを常に飲んでいるこの国では、イギリス風味が人気なのだ。台湾で売っているアイスロイヤルミクティーなども、この国では当たり前に飲めるので重宝だ。
ちなみにあっしの持っている、正式なチャイのセットはDさんのスポンサードでFの奥さんが選んでくれたものだ。

「で、Fさん。今日はアジア側で食事するんだって?」
「おお、そうそう。 それなんだけど・・・。」
「どうした?」
「電話しても全然出ないからね。休みかも知れないんだ。」
「まあ、いいさ。あそこが駄目なら、アパレル街のところのレストランにしよう。」
「そっちでもいいですか?」
「いいさ。景色はあそこのほうがいいけどな。」
「じゃあ、とにかく行って見ますか?」
「そうしよう。じゃ、たーさん。そろそろ出掛けるとしよう。」

階下に下りると、Fの乗ってきたDさんが何台か持っているBMWのうちでもお客の移動用に使っているものが置いてあった。

「あれっ?誰か乗ってる?」
「誰だ?女性っぽいけど?」
「実はワイフを連れてきた。」 Fが恥ずかしそうに言う。
「なーんだ。」

 ご訪問有難うございます。



たーさんの裏街道を行く トルコ編 Vol. 23

2008-11-16 | トルコ編




最高のラクの作り方と言っても・・・

① ラクをよく冷えたグラスにシングルの量プラスαを入れる
② カチカチの氷(汗をかいていないもの)を3ヶ入れる
③ 鉱泉のミネラルウオーターを入れる

と、まあこんな様子で、ラクを飲むたびに誰彼であっても、この方法がラクの最高の飲み方という能書きとともに作ってくれる訳であるが。
個人のオフィスと住居の両方が同居しているDさんの家はマンション形式であるので、トルコの建物には珍しいと言える、テラスがあって、海峡が一望できる斜面に建っている。
海峡から吹き付けるひんやりと冷えた潮風にあたりながら、陽のあたるテラスで飲む“最高のラク”は確かにうまい。フランス語が母国語となるDさんのつまみはクラッカーとチーズと言うのがいつものスタイルだ。
チーズについては、一家言あるDさんの説明を聞きながら(チーズの話しだけで30分は時間が潰れる)、勝手に2杯目を作ってチビチビと飲んでいるあっし。

デスクや、ソファのサイドテーブルにはベルリッツのENGLISH/CHINESEや、FRENCH/TURKISH、ENGLISH/TURKISHなどの本があって、その横にはこれまた、各国のコインや紙幣が山と散らばっている。
「Dさん、こんなところにお金置いとくと、なくなっちゃうよ。」
「ん?ああ、いいんだ。賄いのおばちゃんはトルコの金しか持って行かないから。他の国のはどんなに高額でも持ち出さない。律儀なもんだ。」
「てことは、トルコの金は殆どやられるわけだ。」
「わけだ。ハッハッハッ!とはいえ、あんまり大きな額はおいてないけどな。トルコの奴は。」
「これは?どこの札?」
「ああ、それはイランのやつだ。」
「こっちは?」
「イラクだな。俺がフランスから出て10年くらいバクダッドにいた話はしたろ?」
「こいつは今使えるのかねえ?」
「多分な。小さい額だから、当時の記念みたいなもんだ。たーさんはどうなんだ?貯まらないか?」
「いつの間にか、大変なことになってた・・・」
「だろう?特に硬貨はいつの間にか・・・な。」
「こないだ整理して、封筒に入れてみたら、各国とも結構な額になってた。ドイツはもう換えそこなったし、ユーロ関連の硬貨はコインショップあたりに売るしかないよ。あと、10年くらいしてからね。」
「そうだな。」
「やっぱ、律儀にホテルでこまめにコインは全部だしてスプリットテンダーで処理しないと駄目ですね。」
「なあ、いつもそう思うんだが、結局朝はギリギリまで寝ていたいから、カードでホイだ。」
「そうなんですよねえ・・・・。貧乏人のくせにそういうとこは大雑把になっちゃう。荷物が重いとか言いながら、カバンのどこかのポケットにはコインがガッサリ入ってる。」
「まったくだ。香港やイギリスなんか始末に負えないぞ。」
「意味も無く重いからねえ・・・。」
「中国や香港のはどうしているんだ?」
「中国も香港もオフィスのデスクに、ほら、昔のお金の形した貯金箱をおいてあってね。そいつにザラザラ入れておくわけさ。すると、あーら不思議5-6回も通ってると、パンパンに貯まってるから、皆を連れて食事に行くことになる。」
「なーるほど。その貯金箱はどこに売ってるんだ?」
「香港?」
「そう。」
「香港なら、Dさんのマンションの前の道を降りていくと、線香とかお札売ってる店あるでしょ?」
「店中、真っ赤のところか?」
「そう、あそこでも売ってると思うよ。あっしも事務所近くのマーケットの中にあるああいう店で買ったからね。香港人はあんまりああいう貯金箱っていうのは、感覚がないんだねえ。」
「そうなのか?」
「うーん、香港人の家に遊びに行っても、貯金箱にはお目にかかったことがないからね。ああいうのを置いとくと、盗まれると思ってるんじゃあないかな?」
「かもな。うちの事務所のAなんてのは、金は人が払うもんだと思ってるしな。」(中国編アモイを参照)
「ハハハ。 アモイの時のAにはまいったねえ。マイタンの時には必ず寝てるんだもんねえ。」
[次回、たーさんが香港に行った時には必ず奴に連絡して払わせてくれよ。]
「まあ、あの時の発票(領収書)はBさんに置いてきたからね。律儀に口座に入ってたよ。」
「そうか。」 クスリと笑う、Dさん。
「Bとも長い付き合いだ。あの何て店だったっけな?アモイの?」
「アルコール・タバコ禁止のレストラン?」
「そうそう!あの時は、Bがいて、Mがいて、たーさんがいて4人だったんだな。最高の夜だったが、まったく・・・」
「リラックスできない!!」二人で言って、大笑いする。
「Dさんと知り合えたのも、Mさんと言う共通の知人がいたからでしたね。」
「そうだなあ・・・。 MもBも酒を飲まないからなあ・・・。結局、たーさんとの回数が増えるわけだ。」
「まあねえ・・。まったく、増えるにも程ってもんがあるけど。ハハハ。」
「そう言うな。 SAMURAIと戦士の子孫なんだから、仕方がない。思考回路は似てて当たり前だ。」
いつの間にか、酒の量も追い越されている。
「もう一杯どうだ?」
「夜になる前に酔いつぶれちゃうよ。長いんでしょ?今日の夜も?」
「おお!長いぞ!今日は特にな。今日はアジア側に行くからな。」
「下のイタリアンじゃあないの?」
「何を言う!Fが迎えに来るからな。奴は美人のカミさんに怒られるから、今日は送り迎えだけだ。」
「へええ。Fが運転手?」

他愛のない、あちこちの国での出来事の報告と、新情報の交換などをしつつ時間が過ぎていく。

テラスで談笑しながら、ラクを飲む。
2時間も過ぎた頃だろうか。チャイムが鳴った。

 ご訪問有難うございます。



※ スポンサーサイトも見てね。

たーさんの裏街道を行く トルコ編 Vol. 22

2008-11-16 | トルコ編



今日はヨーロッパに入ってから久々のお休み。
ホテルの窓からの景色はけしていいものではないけれど、どうもいい天気らしい。

トルコで休みとることにしたのは訳がある。
師匠というか、兄貴というか・・・、ベルギー生まれのフランス育ち、若い頃にはイラクにも10年以上住んでいたという、正真正銘のコスモポリタン、Dさんの家に遊びに行くことになっているからだった。

普段は、ビジネスがらみの食事会や、飲み会なので、天然のエンターテイナーであるDさんの正体は果たして、あのままなのか?あるいは、やはり普段は物静かなインテリなのかを確かめようとの目論見なのだ。
えてして、普段からサービス精神旺盛な男の私生活は意外と質素で、かつすっきり清潔なことが多い。

遅い朝食をホテルで摂る。
フランスパンのトーストと、マーマレード、オイル&ビネガーでグリーンサラダ、チーズとソフトサラミ、オリーブ漬け数種類(常時10種はおいてある)と、トマトージュース、紅茶をホテルの食堂でのーんびりと。
仕上げのコーヒーはロビーまで持って行って、外を眺めながら飲むというのが、このホテルでの過ごし方。

ロビーをうろうろしている観光客と思しき、イタリア人や、フランス人が出て行ってしまうと、ロビーは驚くほど静かになってしまう。

「たーさん、今日は朝遅いですね?」 もう親しくなってしまっている従業員が話しかけてくる。
「うーん、今日は休み。もう少ししたら、出掛けるけどね。」
「どこか行く予定でもあるんですか?」
「いいや、海峡近くの友人の家に遊びに行くんだよ。」
「どのへんですか?」
「xxxxxxxxxxだって。」
「ああ、いいところですよ。結構外国人が住んでいる地域ですね。」
「そうなの?」
「坂道がきついので気をつけてくださいね。下りきると、おいしいイタリアンのお店がありますよ。」
「探してみるよ。有難う。」
「お気をつけて。」

半袖のシャツにコットンパンツのスタイルで歩いていくと、夏も終わりに近づいているとはいえ、じんわりと汗ばむ。 ホテルを出るときから、歩いていくと決めていたのだが、途中でさすがにきつくなって、アイスティーで一休み。
イスタンブールの街並みは意外と綺麗だ。
ブエノスアイレス同様、店の親父や従業員が自分の店の前をいつも綺麗に清掃していて気持ちがいい。

携帯が鳴る。Dさんからだ。

「アロー」 今では、フランス語と英語の両方で会話することが多い。
「アロー、たーさん、今どこだ?」
「今向かってるところですよ。歩いてきてるから、探しながらだけどね。細い下り坂に入ったところだけど、近い?」
「角にたばこと水を売ってる店があったか?」
「ああ、あった、あった。」
「じゃあ、合ってる。ずーっと下って4本目の路地を右にはいったら、左に下りていく細い道を入ってくれ。突き当たりのアパートがそうだ。」
「わかりました。なんか、この下り坂降りきったところにイタリアンの店がある?」
「おお、よく知ってるな。あるぞ。しかもうまい。」
「ホテルのにーちゃんが教えてくれた。」
「よっしゃ、あとで行こう。まず、こっちでラクを飲もう。」
「ほーい。じゃ。」

昼真っから酒でもないもんだが、またぞろ背中の痛みが出てるのかもしれない。
背骨にとんでもないハンディを持っているDさんは、万一のときのためにレントゲン写真をいつも持ち歩いている激痛のために気絶して運び込まれたときのための用心なのだ。
ま、そんなこともあろうかと、今回は彼のために相当強力な痛み止めを日本が持ってきている。アモイで落ち合ったときに渡したのと同じもので、一発で効いたらしく、それ以来たまに送ってあげているものだ。

やっと、Dさんのアパートに到着。ドアには例の魔よけの目玉がぶら下がっている。

例によって、S.O.S.のモールスでノック。
「よう!よく来てくれた。結構時間がかかったな。」
「こんにちは。寝起きの悪いDさんに合わせたつもりだったけど、起きてたんですね。」
「なあ、久しぶりだものなあ。 香港で会って以来か?」
「そうですね。お久しぶりでした。」
「ま、入れ、入れ!もう用意してある。」
「ラク?」
「そうだ。久しぶりだろう?飲もう!」
手にしたラクはご当地トルコでも高級と言われているボトルだ。これはあまり飲んだことがない。
「いただきましょうか。ああ、そうだDさん、イギリスで手に入れてきた紅茶、ここに置いておくよ。」
「ありがとうな。この間もらったやつと同じか?あれはうまかった。」
「と思って、同じものを手に入れてきたよ。」

「よし!最高のラクを作ってやる!」

出た!ドイツ的お国自慢のフレーズ。
このへんがコスモポリタン一流のところ。

 ご訪問有難うございます。



たーさんの裏街道を行く トルコ編 Vol. 21

2008-06-03 | トルコ編




スパイス

中近東でも同じような売り方だけれど、かの国では大量に消費されるスパイスたちがこんな様子で売られています。 殆どがはかり売り。 何故かこういうお店、カラスミが売られているのが、ビックリ!



 ご訪問有難うございます。




クリアな原音を再現する
BAUXAR MARTY 101
iPOD接続可
価格29,400.-


Copyright © 2005-2007,2008 Ta-san, All rights reserved

たーさんの裏街道を行く トルコ編 Vol. 20

2008-02-20 | トルコ編


エチオピアの音楽にも共通した旋律をもつトルコの音楽。

普段はロックが基本なのだが、ドイツへいったらクラシック、イタリアへ行ったらオペラ・カンツオーネ、フランスへ行ったらシャンソン、アイルランドへ行ったら民謡などとと言った具合に、とにかく現地特有の音楽を聴くことにしている。
トルコも現地の音楽を演奏している店などに出入りしていると、お気に入りの歌手などもできてしまい、CDを買い込んでくることも。

トルコの音楽というと、はっきり分からない人が多いので、今日は一曲ご紹介しましょう。
俗にTurkish Popsと呼ばれるジャンルです。

http://www.youtube.com/watch?v=fGJETr0yiAc&feature=related

http://www.youtube.com/watch?v=AO48m31qOfg&feature=related

http://www.youtube.com/watch?v=WzM3vUWQm44&feature=related

特筆すべきはバックで踊っているダンサーの皆さん。
トルコで出会えそうなタイプ、フレンチ、ユダヤ、アラブ、ベニス、ギリシャ系のすべてのお嬢さんが踊っています。
このへんはスタートレックの出演者同様(殆どのアメリカの人種がフューチャーされている)、他民族国家のお家芸といえるところでしょう。

 ご訪問有難うございます。




クリアな原音を再現する
BAUXAR MARTY 101
iPOD接続可
価格29,400.-


Copyright © 2005-2007,2008 Ta-san, All rights reserved

たーさんの裏街道を行く トルコ編 Vol. 19

2008-02-12 | トルコ編



久々にイスタンブールが恋しくなって、トルコ料理を食べに行った。

やっぱり、現地のおっさんのレストランにはかなうわけもなく・・・。いや、春になったら行ってくるかあ・・・。

なーんとなくご無沙汰しているトルコ。

僕にとっては、世界の中でも中国同様、もっともパワーと緊張感がもらえる国。


2分でイスタンブール。
http://www.youtube.com/watch?v=mf0JSou-Vro&feature=related

イスタンブールの夜
http://www.youtube.com/watch?v=7RUAEd_aCGQ&feature=related

イスタンブールタクシム界隈
とっても馴染みのある風景。
http://www.youtube.com/watch?v=xWB_IO_t1no&feature=related

TV5(フランス語だけど・・、やりとりでなく、外の風景を)
この一本奥に銀細工の店・土産物屋・マーケットや、飲食店がたくさんあります。
http://www.youtube.com/watch?v=sB62kT0KYe8

イスタンブール観光
http://www.youtube.com/watch?v=3ROb3qs8fBU&feature=related

イスタンブールダイジェスト
http://www.youtube.com/watch?v=qfO0g159cKQ

 ご訪問有難うございます。




クリアな原音を再現する
BAUXAR MARTY 101
iPOD接続可


Copyright © 2005-2007,2008 Ta-san, All rights reserved

たーさんの裏街道を行く トルコ編 Vol. 18

2007-12-25 | トルコ編




トルコに出入りしていた時期。

まあ、仕事自体はそれこそ、デスクと電話、筆記用具にPCさえあれば、そこが即オフィスということになってしまうので、快適なホテル空間があればオフィス兼、自室という海外生活。
現地に駐在するとなると、いろいろ制約もあるし、人間関係も難しいことばかりだが、出張ベースだと、煩わしさはないけれど、仕事が終わったあとや、休日などには、なかなか人恋しいものがあります。

イスタンブールも何回も行っていると、ブルーモスクや、アヤ・ソフィアをはじめ、市内の主だった場所は殆ど見尽くしてしまって、退屈。かと言って、カッパドキアまで行く元気も残ってないので、勢い休日は、近所をうろうろすることになる。

主な目当ては銀細工。
とにかくトルコは銀細工には事欠かないので、バザールや、フランス通りの路地をうろついて、めぼしい銀製品を見てまわることが多かった。観光客に人気の似たようなデザインはパスして、実際に自分で作った、あるいはデザイナーがついているようなものを中心に捜すのだ。

さて、香港あたりだと、“金”ということになるけれど、トルコでは圧倒的に銀!
どうもその訳は、こんなところにあるらしい。

菌に対する、殺菌・抗菌(650種類以上に効くらしい)
消臭効果
毒性中和
人体に無害
活性酸素の除去
銀の壷で水を保管すると、殺菌効果がある?
(んー、確かにイタリアに売ってた壷は銀だったような・・)

中世ヨーロッパで大流行したペストでも、意外なほど、貴族が死ななかったのは清潔は環境と、銀食器のおかげかも知れませんね。

 ご訪問有難うございます。



スポンサーサイトへのクリックも激しくお願いします!


クリアな原音再生
BAUXAR MARTY 101
iPOD接続可


Copyright © 2005,2006,2007 Ta-san, All rights reserved

たーさんの裏街道を行く トルコ編 Vol. 17

2007-02-24 | トルコ編


銀のお馬に、銀の鈴~♪

銀細工を買うならトルコでしょう。

たまたま僕のトルコの友人がそうなのかはわからないけれど、彼らはよく銀製品をプレゼントでくれる。
殆どが、ブレスレットかネックチェーンなのだが、なかなか質のよいものばかりで、身につけていても飽きが来ないデザインのものが多い。 市街地の商店街などにいくと、道端で普通に銀細工が売られていて、その場で電子ばかりで計って価格を教えてくれる。当然毎日レートによって値段が違うということになるわけだが、時々すごく凝っていていいものがあったりするので、ちょくちょく顔を出していると、掘り出し物を教えてくれる。

もう10本近くのブレスレットと数本のチェーンをもらっていて、自分で買ったものもあわせると相当充実したラインアップになってしまったけれど、ご他聞にもれず、中国などでせがまれて何本かを失っている・・・・。

小生の尊敬するトルコ在住のD氏もよく中国へ行くが、その度に僕も狙っていた“高価な”ブレスを失っている様子だ。

シンプルかつ実用性が高い(いざとなれば、きちんと売り物になる)トルコ製のブレスレットは非常用としても重宝なので、少なくとも3本は肌身離さずつけている。
厭味ととられる方も多くいるけれども、欧米ではごく普通で、あまり意識しすぎるのは禁物。

アクセサリーの似合う日本人男性がもっと増えると、嬉しいんだけどなあ。

 ご訪問有難うございます。

     

     

Copyright © 2005,2006,2007 Ta-san, All rights reserved

たーさんの裏街道を行く トルコ編 Vol. 16

2007-01-17 | トルコ編


「たーさん、良かったな。今度は彼らと一緒に食事にしよう。」

ニコニコしながら、E氏が声をかける。
同行していたFといえば、あきれかえってポカンと口を開いている。
「おい、Fどうしたんだよ?」
「って、たーさん、すごいことだよこれは・・・。もう、商売は決まったも同然だ。」
「まだ、これからやることは沢山あるだろ?」
「いや、そうじゃない。一族の一人がOKして食事に招待したんだ。威力は絶大だ。下っ端じゃあ、どうすることもできまいよ。」
「そんなもんかい?」
「そんなもんなんだよ。ここは。」
E氏は相変わらずニコニコしながら、
「Fの言うことは間違ってないよ。これで私もおこぼれに預かれるだろう。ありがとう、たーさん。」
「うーん?なんだかなあ・・・。」

今まで相当な苦労をしながら、機会を伺っていただけに、こーんなワンシーンで商売がうまく行ってしまうのが悔しくもあったわけだが、事実はいかんともし難く、多分E氏やFが言っているようにその通りになるだろう。
しかしながら、してやったりとダビドフのシガリロに火をつけて、一人快哉を叫ぶ気分とはほど遠いのも事実。

これからの段取りと食事を終えて、BMWを運転しながら思いついたことはたった一つ。

今日は、Fを連れて徹底的に飲むぞー!!

 ご訪問有難うございます。

     

     

Copyright © 2005,2006,2007 Ta-san, All rights reserved

たーさんの裏街道を行く トルコ編 Vol. 15

2007-01-16 | トルコ編


今日は美味しいところで、のんびりしながら話をしましょう。

そう言われて、訪ねて行ったのは、イスタンブール市街地からは20分ほどのところにあるテニスクラブ。

「ここかあ?おい、F間違いない?」
「たーさん、ここだよ。指定の場所は。有名なテニスクラブだ。普通は入れないぜ。」
助手席で同行のトルコ人、Fが呟く。
D氏から借り出したBMWを運転してはいるものの、ここに至るまでの坂道が急すぎて、マニュアルシフトでは結構運転するのが難しい。

辿り着いたのは、古びたクラブハウスだが、お誘いを受けた人物の名前を言うと、黙ってコートを預かってくれて、席まで案内してくれる。
席にはワインを飲みつつ待っていたE氏。

「やあ、たーさんお呼びだてして申し訳ない。お、Fも来てくれたのか?」
「や、すいませんEさん、不案内なもんで、彼について来てもらったんですよ。」
「Dさんは元気なのか?」
「ええ、元気でやってますよ。今はフランスに行ってます。」
彼Fは僕の尊敬するD氏の使用人なのだ。今日会うE氏は曲者なので、用心のためにD氏がつけてくれた。

本来は、イスラム系のディストリビューターとそうでないグループが厳然と分かれているトルコだけれど、E氏はその両方にパイプをもつ、ベネチア系移民の名士なのだ。
よくわからない、イスラムの世界とのパイプを作るために、彼に骨折りを頼んでいたのだが、その回答をもらえることを期待して今日ここに来ている。

クラブハウスで食事をしているのは、僕らのグループと、まったく裕福な暮らしをしているらしい初老の紳士とその奥様と思しき女性、それに紳士の友人らしき2人が一緒にいるグループの2組だけ。

「さ、まずは乾杯しよう。トルコは何度目になりました?」
「かれこれ、7回目くらいですかねえ。」
「たーさんのトルコ外交に乾杯しましょう。」
「皆さんの健康に。」
「乾杯。」
さすがにいいシャンペンが置いてあるもんだ。思わず、全部飲んでしまった。

「さて、食事はゆっくりするとして、たーさん、この間の返事だが・・・。」
「その件だと思いました。」
「たーさん、こちらへ。」
「???」
連れて行かれたのは、もう一組のグループが座っているソファテーブル。
「たーさん、こちらは○○○○グループのオーナー一族の○○氏、それと、こちらのお二人は政府の○○担当の
○さんと○○さんだ。」
「えっ!?」
「初めまして、たーさんです。この度はいろいろ無理をお願いしています。」
「いや、Eさんから話は聞いていますよ。今度ゆっくり海沿いで食事でもしましょう。Eさん、挨拶はこれで済んだ。お先に失礼するよ。」
「ありがとうございます。」

さっと立ち上がると、会釈をしながら引き上げていく、4人組。

僕がもっとも会いたかった人物達と、このテニスクラブで引き合わせてくれたわけだ。

 ご訪問有難うございます。

     

     

Copyright © 2005,2006,2007 Ta-san, All rights reserved

たーさんの裏街道を行く トルコ編 Vol. 14

2007-01-15 | トルコ編




とにかくトルコ人は飯を食うことが大好き?

中国人とメンタリティが似ていると思う瞬間はこんなときで、親しくなるために、とにかく徹底的にめしを喰う。

「今日はどうしてる?」
「飯はどこで食うんだ?」
「誰が来るんだ?」
「誰と行くんだ?」
「うちのかみさんが一緒に飯を食いたいと言ってる。」
「空港に行く前にうちで飯を食っていけ。」

などなど、携帯から昼食と晩飯が近づいてくるたびに電話がかかってくる。
これは、普通のお店でも変わらない。
毎日水が買いに行く、街の商店。休みの日には必ずいく、近所のレストランなどでも同じことが起きるわけで、通りがかりで挨拶などしようものなら、「寄っていけ、寄っていけ。」となって、そのたびにチャイ(トルコ茶)や、羊の練乳ドリンクをご馳走になってしまうことになる。
店の奥はなんと、アラビアンナイト風になっていて、トルコじゅうたんが敷かれ、月と星や、目玉があしらわれたクッションなどが置いてあったりする。

普通だと、いろんなものを売りつけられるというのだが、あいにく、一度もそのような押し売りをされたことがない。

日本人というだけで、多くのトルコ人が良くしてくれる。
中には、受けた恩を少しでも返したいという人までいる。(そんなの明治の話だろうに。)

とにかく、トルコに行くと、多くの誘いでお腹はいつもパンパン。

出張に出ると、大抵は食事を取る時間もないので、4-5kgsも痩せてしまうのだが、トルコだけは肉と魚が主体なので、すっかり顔色がよくなってしまうのであります。

勿論、ホテルの近所のお店で大量に買い込むオレンジは相当においしいので、ビタミンも問題なし。



 ご訪問有難うございます。

     

     

Copyright © 2005,2006,2007 Ta-san, All rights reserved

たーさんの裏街道を行く トルコ編 Vol. 13

2007-01-13 | トルコ編



今日はなかなか会えないと言われる、某大企業の会長と昼食。

食事といっても、身内を大事にする某会長としては、自分が経営しているショッピングセンターの中に入っているイタリアンレストランを指定。

実は、このショッピングセンターというのが曲者で、自分の社員達の昼飯から、接待、はては帰りがけに生活用品までが買えるように細工が施してある。それぞれの店の価格は生活用品、食品は現地価格よりもちょい高めなだけだけれど、旅行用品や、カバン、服飾品は、"ここはトルコか?“と疑うほどの価格。

しかも、当局の税金対象としては、ショッピングセンターということで、税率が高くなっているはずなのだが、そこはそれ、やり手として、トルコでトルコ人の上前をはねている会長としては、その上を行かなければなりません。

その会長がとった手とは、

“ショッピングセンターの中に映画館とフィットネスセンター、カルチャーセンターを作って、文化施設として登録しなおしますと・・・、あーら、不思議。 税率はショッピングセンターとは比べ物にならないほどの低率に。

しっかり儲けて、税金はちょっぴり払う。 

これ、お金持ちの基本です。

ここで儲けたほんのチョッとは、スイスやフランスにおいてあるクルーザーに化けてるのかなあ・・・・。

 ご訪問有難うございます。

     

     

Copyright © 2005,2006,2007 Ta-san, All rights reserved