上海の冬の朝。
毎度お馴染みだが、上海の冬の朝は最悪だ。
雨が少ない冬場、しかもあまり風らしい風も吹かないので、昼間上空にあったスモッグ(飛行機から見ると茶色に見える)が気温が下がるとともに下りてくる。
朝早くだと、道路にうっすらと靄がかかったようになってしまい、しかもガソリンの臭いがすることもあるほど、大気汚染されている。当然夏場も同じようなもので、日本でも一時期問題になった光化学スモッグになり、目が痛いことこの上ない。
乾燥した冬場の空気が汚染されているのだから、喉にいいわけがない。
会社までは車が迎えにくるとは言っても、車の中とて無事では済まないのが上海のすごいところ。
勿論、車の中には芳香剤も入れてあるのだけれども、そんなものでは効きはしない。
せめて車の中、事務所の中だけでも何とかならないものかと頭をひねった挙句、考え付いたのは、
ホテルなどでも使用されているオゾン発生器とそのころアメリカで一世を風靡していたSHARPER IMAGEで売っていたイオン発生器を置くこと。
早速わたりをつけて、この二つを入手し、車の中にもマイナスイオン発生器をとりつけた。
煤煙もホコリも似たようなものだし、臭いを中和するオゾンなら大丈夫。かくして、効果は抜群で、車からは臭いがなくなり、事務所内も心なしか、綺麗になった気がする。
一番大きな効果は女性社員には不評だった、事務所内の新建材の臭いがしなくなったこと。
うーむ、我ながらいいアイディアだ。
思わぬ副産物はSARSが流行したとき。
やれ酢が効くの、クレゾールが効くだの報道があって、国有のホテルなどは、本当に酢でデスクとか部屋の掃除をしていて往生したことがあったが。
この騒動の最中、スタッフの一人が耳寄りな情報を持ってきた。
「たーさん、オゾンはSARSウイルスに効くらしいですよ!」
「本当か?」
「新聞に載ってましたよ。街のオゾン発生器は売り切れらしい。」
「てえことは、当事務所は、SARS対策のトップを走っているってことじゃあないの?」
「そうですね。飯を食いながら自慢してきちゃいましたよ。」
「やったなあ。買い込んできた甲斐があったよ。」
ISO14001などと環境にもうるさくなっている中国だけれど、この国は国自体がISO14001を取ったほうがいいんじゃないか?
事務所では一応ゴミも分別させてはいるものの、このあいだ回収に来たのを見たら、ぜーんぶ一緒にブチ込んでたもんなあ・・・。
せめて、生活空間だけでもクリーンにしておきたいのはおいらだけだろうか?
ご訪問有難うございます。
Copyright © 2005,2006,2007 Ta-san, All rights reserved