青島、Weifang
青島空港
オモロイ外観とは裏腹に、これが山東省きっての空港かと思うほど中は
質素にできている。
イミグレの荷物検査員の(レーンも一つしか空いていない)ニーチャンは
鼻歌まじりで、どうやら隠し持ったライターを探し出すことに執念を
燃やしているようだ。
没収されたライター入れの中には少なからずZIPPOのライターが含まれていて、
こいつらの収入源になっているのかも・・・。
今回はまったくのプライベートなので、(とはいえ、頼まれごとをこなしに
行ったのだが)マイレージを使ってビジネスクラスで渡航。
あっし的には近いこともあって、エコノミーで十分だったのだけれども、
あいにくエコノミーは満席、かつ韓国、北京経由とも全て埋まっていた
ので、選択肢がなかったというのが現実。
機長・副機長ともに女性という珍しいフライトで青島空港に到着。
一足先にマレーシアの老朋友が来ていたので、久しぶりにエキサイティング
な夜を一緒に過ごそうと計画し、お互い忙しい合間を携帯メールで時間
を調整しながら、彼は香港から入って日程をこなし、こちらもそのつもりで
仕事を進めていたのだが、あっしのフライトが仕事の都合で一日遅くなって
しまったので、夜は次の機会に。
香港に戻る彼とは空港で1時間のミーティング。
出発ロビー内の珈琲店で待ち合わせて、久しぶりに会ったあっし達は
おおはしゃぎで、近況の報告やら、あいつはどうしてる、こいつはこうしてる
という話が先に来てしまって、実際の仕事の話は20分そこそこしか時間
がなかった。
とはいえ、勝手知ったる間柄なので、一度話して資料を見せれば、
言いたいことは全てわかるという実によい関係だ。
現地の某大手企業の社長でありグループ全体では万の単位の従業員の頂点に
いる彼だが、規律あるこの社会ではあっしの弟分。
相変わらずいつになっても兄貴という呼び方で如才ない。
打合せの内容といっても、こちらは将来構想に近いもので、彼と同行して
いる政府関係者と投資顧問のドクターへのプロポーザルが主体だ。
聞けば、政府関係者の彼はいろいろ話もあるだろうからということで、青島
に余計に一泊してから香港に行くという。
あっしはといえば、ここから150kmも離れたWeifangという場所まで行か
ねばならない。
今日あっしが一日遅れて到着するということで、現地で落ち合うはずの
某氏は、台湾に行かなければならないところ、わざわざあっしと食事会を
するために出発を一日遅らせてくれているので、どうしても今日中には
着かなければならない。
仕方がないけれども、次回マレーシアでの再会を約して、Meridianに
泊まるという政府関係者をお送りしてからWeifangに向かうことに。
「なあ、たーさん、泊って行こうよ。青島にさあ。」と、政府関係者。
彼は中国名ながら、現地の血が強くでてしまったのか、見た目は現地人だ。
「ダメだよ。明日の朝Hさんは台湾に出ちゃうから、今日は一緒に食事しないと。
それに現地の政府関係者も来てくれるって言うし。」
「Meridianの隣はカラオケなんだよ?一人じゃあ・・・、僕が可愛そうじゃないか?」
「うーん、そりゃご一緒したいけどねえ・・・・。青島に送ってから行くって言っちゃったしねえ。」
「泊って行こうよ。朝早く出れば良いじゃないの?ホテルタクシーでバーンとさ?」
「いくら取られると思ってるのよ?」
「いいよ、いいよ。 Dに請求しとくから。(Dはくだんの社長)」
「いやあ、慎み深いあっしとしては、そこまではできないよ。」
「残念だなあ。じゃあ、ウエルカムドリンクだけ付き合ってよ。」
「それはもちろんOKさ。」
どうやらはっきりとは言わないものの、先に帰ってしまう社長のDに代わって、あっしの予定が
なんとかなるなら誘って楽しんできてくれと言い含まれているらしい。
そこまで気を遣う必要もないのに。
しきりに残念がるK氏を振り切って、何とか会社がやっているうちに着きたかったのだが、
結局、高速をせかしてぶっ飛ばしても時間内には到着できなかったものの、
首脳陣を紹介するというので、会社に直行。
清華大学出身の董事長と、営業・技術のトップ、さらに主だった幹部を紹介されたあと、
さっきの運ちゃんの車で、ホテルに向かう。
あーあ、個人的には期待できないご当地よりも青島に一泊が良かったけどなあ。
ともあれ、開発区(と言っても、南に較べてしまうととても閑静な)近くに
ある、不釣合いとも言えるホテルにチェックイン。
8階の部屋はホテル正面の道路がよく見える、というか、ずいぶん先まで見通せる部屋。
部屋も広く、新しいせいかそんなに不自由は感じない。
とは言うものの、初めての土地の初めてのホテルでは、まず真っ先に
洗面所とトイレ、バスの水の流れ具合をチェックしてしまうのは、貧乏性と
いうしかない。
「いやー、こりゃあ、見事にネオンがないなあ・・・・」
待ち合わせの時間にロビーに下りていくと、さきほどトップを紹介してくれた
Hさんとそのご一行がすでに待ってくれていた。
「やあ、たーさん。」
「今日は遅くなってしまい、申し訳ありません。青島市内が思ったより混んでいたので。」
「いやいや、明日一日ありますからね。 Dさんとは会えましたか?」
「ええ、空港でね。相変わらずだ。」
「彼は人物ですねえ。」
「そりゃあねえ。今では押しも押されもしない大社長だから。」
「付き合いは長いんですか?」
「かれこれ、13年になりますか。」
「夕べもたーさんが間に合わなくて残念だ、残念だと言ってましたよ。」
「いや、有難いこってす。じきに彼のところにも行くことになるでしょう。香港には頻繁に来てるようだし。」
「そのときには宜しく伝えてください。商売の話もあるし。」
「もちろん!よく見て欲しいとも頼まれてる。」
「お手柔らかに。さて、それじゃあ、食事に行きましょうか?」
「不案内なので、よろしく。」
開発区近くのそこそこのレストラン、ということは街のはずれの一等レストランで食事。
ビールで乾杯することには、さきほどの董事長と課長も合流して、山東省の料理?で盛り上がる。
主賓席には董事長が。 うん?
「やあ、皆さんお楽しみのところを申し訳ない。」
そういいながら入って来た、少し恰幅のいい紳士が一人。
とたんに董事長が立ち上がって、席を譲った。
「ああ、こりゃあすいませんな。」
左隣の皆さんはひとつずつ席をずれていく。あっしは右となりのそのままだ。
「Weifangへようこそ。私はZと言います。」
差し出された名刺には開発区長、副書記とある。
「や、これはこれは。久仰大名!たーさんです。」
今日初めて会ったのだが、彼を良く知る人たちがいるので、お世辞を一発。
「日本からですか?ま、どうぞ一杯。」
みんなで乾杯。二人で乾杯したあとは、しばあらく彼の独壇場。
いかに当市政府がこの事業に期待しているか、そして董事長に明日にでも台湾に同行して欲しいと。
「いや、しかしZさん。仕事もありますし、ビザも取らなきゃいけない。」
と抵抗する董事長。
確かに、明日は工場内の案内と、技術説明を自ら買ってでてくれていたのだが。
「S董事長、何を言う。これは省のプロジェクトだからね。ビザなんてどうにでもなる。」
うん、確かにどうにでもなるな。
「詳細を打ち合わせなければならないな。ちょっと静かなところへ行こう。」
殆ど、無理矢理外に連れ出される董事長。
ドアを出ていく間際に英語で一言。
「Hさん、たーさん、申し訳ない。明日は会社に行けないでしょう。」
「えーっ!」
まあ、こちらはこの程度のことは見慣れているっちゃあ、見慣れているので、
さして驚きもしていなかったが、こんな光景を初めて見る約3名はポカンと
している。
「たーさん?」
「ああ、このまま明日は台湾ということでしょうね。よくあることですよ。今日の明日は」
「こんなことがあるんですか?」
「あるねえ。あんまり口出しして欲しくないところだけれど・・・ねえ、Hさん。」
「そうだねえ。ま、うまくは行かないでしょう。」
「多分。」
「さ、それより食べましょう。すっかり醒めてしまわないうちに。」
で、その時の献立はと言うと、
Hさんが辛い料理が食べられないので、ごくごく普通の献立だったのだが、
中国国内では有名はWeifang大根というのがあって、こいつがうまい!
(見た目は大根には到底見えていないが。)
食事のスタートが早かったので、食後は街中を視察に行こうということに。
Hさんが運転するという。
どうやら、山東省のこと、運転手はとっくに帰ってしまっていて、車だけが
手元にあると言うことらしい。 じゃあ、帰りはあっしが運転しましょう。
こんなに道がすいているなら、無免許でも問題なし。
右側通行に慣れているHさんとあっししか運転はできないであろう。
そもそも、Weifangという街は”凧”の世界大会が開かれている場所でも
あり、また、市街地の道路照明の殆どがLEDということで、世界的に
有名な街。日本ではなじみのない街ながら、人口は約800万人ほども
いる、山東省では歴史のある街なのだ。
意外なことにJUSCOもある。
殆どがLEDで彩られた市街地を見学したあと、ホテルに戻る。
街中は意外なほど、人が多い。
(と言うことは、結構面白いところもあるはず。)
今日はとにかく、隣接しているサウナでのんびりしてマッサージして寝ちまおう。
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