LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

家族の応援

2007年07月04日 | Weblog
今日はある家族の方からの報告をご紹介します。とかいってじつは私の娘の話なんです・・(笑)

彼女の会社では、入社当時からいわゆる「ホモ発言」がしばしば聞かれ、気になっていたそうです。会社には「30歳過ぎた独身男性はまずホモを疑われることになる」という定説があるらしく、「○○君もそろそろ結婚しないと疑われるよ!(笑)」というような会話が交わされていたとか。最近、彼女は上川あやさんの『変えていく勇気』を読んで、いたく感動していました。偏見や差別に満ちたこの社会を変えるために自分も何か役に立ちたいという気持ちが強くなり、ある日一大決心をして「会社の朝礼でこの本の紹介をする!」と言って出かけていきました。本を手にしながら、声はふるえ、話はいつもより長くなり・・。「あるゲイの人からカミングアウトされ、この本を紹介されて読んでみました。“ホモ”とか“オカマ”とか“レズ”という言葉が差別用語であること、みんなはそんな人が自分の周りにはいないだろうと思って話しているのだろうけれど、じつは多くの当事者がその横で傷ついていること、そしてカミングアウトするのに大きな勇気がいるということも知りました。だからその人の勇気を自分も無駄にしたくないと思って、今日はこの本を紹介します。これからみなさんの周りで差別的な発言を聞いたときには、一言それは差別だということを言っていただければと思います」ということを話したそうです。彼女の上司はそのあと「・・・なんとコメントしていいかわかりませんが、きっと○○さんにとっては大きな出来事だったんでしょうね。最近テレビなどで時々見ることがありますが、大切なことなので、本を読みたい人や質問がある人は聞いてあげてください・・」と締めくくってくださったそうです。

彼女は「この数分間の話をするだけで、ものすごく勇気がいった。当事者の人たちがカミングアウトするのにどれほどの勇気がいるか、わかったような気がする。」と話していました。けれどその後も、彼女の周りにそのような発言がまったくなくなったわけではなく、飲み会の時などは「そんな趣味は・・」などなど「私の話を聞いてたの?それが差別なんだって!!」と言いたくなるような場面もあったとか。でも彼女以外にも「あれはまずい発言だなあ、この間彼女が話してたのに・・」と思った人もきっといるはずだと私は思います。彼女の勇気ある発言は絶対に無駄なことなんかじゃない、心ある人にはきっと届いているはず!と。当事者のカミングアウト、そしてそれを受けた人たちがその勇気を次へとつないでいくことで必ず社会は変わっていく、私はそう信じています。

お父さん、お母さん、そして家族や友人の方々。カミングアウトされた時、驚きや戸惑いや悲しみもあるかもしれません。でも、どうか彼らの勇気を無駄にしないでください。今度は私たちも勇気を出して、彼らを応援しましょう!!
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