過日、村上春樹氏の「色彩を持たない田崎つくると、彼の巡礼の年」を面白く読んだ、とお伝えした。
この小説の一番の売りは、”美しい緻密な文章でさりげなく青春を語っている”ところにあると思うが、村上氏の場合、造詣の深いクラシック音楽の断片を物語のテーマにかぶせて効果的に使っている点でも興味深い。
例えば、大作の「1Q84」ではヤナーチェクの「シンフォニエッタ」が使われ、今回は、リストの「巡礼の年」が登場する。
このピアノ独奏曲集「巡礼の年」は、リストが「20代から60代までに断続的に作曲したものを集めたもので、彼が訪れた地の印象や経験、目にしたものを書きとめた形をとっている」(ウイキィ)とされる。
小説では、その中から、1年目の「スイス」の第8曲「ル・マル・デュ・ペイ(Le mal du pays:郷愁)」が使われている。
演奏は、ラザール・ベルマンが紹介されているが、小生のNAS(音楽サーバー)には収容されていなかった。代わりに、(小説でも引用されるが)アルフレード・ブレンデルの演奏があったので、改めてこれを聴いた。
テーマは単純な旋律なのだが、愁いに満ちた魂を揺さぶるような楽曲で、いかにも、この物語にふさわしい音楽のように思った。
尚、これらは、HMVの関連ページに詳しいので、ご参照願いたい。
この小説の一番の売りは、”美しい緻密な文章でさりげなく青春を語っている”ところにあると思うが、村上氏の場合、造詣の深いクラシック音楽の断片を物語のテーマにかぶせて効果的に使っている点でも興味深い。
例えば、大作の「1Q84」ではヤナーチェクの「シンフォニエッタ」が使われ、今回は、リストの「巡礼の年」が登場する。
このピアノ独奏曲集「巡礼の年」は、リストが「20代から60代までに断続的に作曲したものを集めたもので、彼が訪れた地の印象や経験、目にしたものを書きとめた形をとっている」(ウイキィ)とされる。
小説では、その中から、1年目の「スイス」の第8曲「ル・マル・デュ・ペイ(Le mal du pays:郷愁)」が使われている。
演奏は、ラザール・ベルマンが紹介されているが、小生のNAS(音楽サーバー)には収容されていなかった。代わりに、(小説でも引用されるが)アルフレード・ブレンデルの演奏があったので、改めてこれを聴いた。
テーマは単純な旋律なのだが、愁いに満ちた魂を揺さぶるような楽曲で、いかにも、この物語にふさわしい音楽のように思った。
尚、これらは、HMVの関連ページに詳しいので、ご参照願いたい。