過去に読んだ本の中から、印象に強く残っているものをご紹介しています。
今回は、帚木蓬生(ははきぎほうせい)著「水神(上下)」と冲方丁(うぶかたとう)著「天地明察」です。
前者は、寛文4年(1664年)徳川4代将軍家綱の時代、筑後国久留米有馬藩江南原(現在のうきは市・久留米市)で水不足に悩む5人の庄屋と農民が藩を動かし、筑後川に堰堤を築いて取水に成功するまでを農民の目線で克明に描きました。当時の庄屋や百姓の水にかける熱い思いが伝わってきます。
一方、後者は、同じ家綱の時代、将軍や老中相手の碁打ちだった渋川春海という天才青年が、数学や天文学、暦学を修めつつ、度重なる挫折にもめげず、日本独自の大和暦を創りあげ、改暦を成し遂げるまでの壮大な物語です。映画化もされたので、ご存知の方も多いことでしょう。
いずれも実在の人物を元に描かれた力作で、日本人のすぐれた資質と人間性を再認識させられます。また、このような偉業をなしとげた人々が、江戸時代初期に実在したことに快哉を叫びました。読書の楽しさを満喫させてくれる二冊です。
尚、「水神」は第29回(H22年度)新田次郎文学賞を、「天地明察」は2010年本屋大賞を受賞しています。ご一読をお勧めします。
今回は、帚木蓬生(ははきぎほうせい)著「水神(上下)」と冲方丁(うぶかたとう)著「天地明察」です。
前者は、寛文4年(1664年)徳川4代将軍家綱の時代、筑後国久留米有馬藩江南原(現在のうきは市・久留米市)で水不足に悩む5人の庄屋と農民が藩を動かし、筑後川に堰堤を築いて取水に成功するまでを農民の目線で克明に描きました。当時の庄屋や百姓の水にかける熱い思いが伝わってきます。
一方、後者は、同じ家綱の時代、将軍や老中相手の碁打ちだった渋川春海という天才青年が、数学や天文学、暦学を修めつつ、度重なる挫折にもめげず、日本独自の大和暦を創りあげ、改暦を成し遂げるまでの壮大な物語です。映画化もされたので、ご存知の方も多いことでしょう。
いずれも実在の人物を元に描かれた力作で、日本人のすぐれた資質と人間性を再認識させられます。また、このような偉業をなしとげた人々が、江戸時代初期に実在したことに快哉を叫びました。読書の楽しさを満喫させてくれる二冊です。
尚、「水神」は第29回(H22年度)新田次郎文学賞を、「天地明察」は2010年本屋大賞を受賞しています。ご一読をお勧めします。