アーバンライフの愉しみ

北海道札幌近郊の暮らしの様子をお伝えしています。

今村翔吾著「塞王の盾」

2023年02月27日 | 読書三昧

 

人気作家今村氏の「塞王の盾」を読んだ。第166回直木賞受賞作。「小説すばる」2019年8月~20年12月、21年3月~8月号連載、552頁の大作。

もう誰も死なせねえ、この城をそして愛する者を守り切る!
戦国末期、関ケ原の役の直前、近江の大津城の攻防をめぐって、石垣を築いて城を守る職人たちと新式銃と大筒で攻撃する鉄砲職人たちとのせめぎ合いを軸に、武士、城主や領民などを巻き込んだ人間ドラマとして構築した時代小説。

久しぶりに、読書の楽しさを満喫させてもらった。
特に、戦国時代の活劇としてではなく、何のために戦うのかという命題を下地に、職人や当時の各層の人々の思いを壮大な物語に築き上げた同氏の小説作法と力量に感心しながら読んだ。

また、目の不調を抱えながらも大作を読了しえた満足感もあり、この間、楽しい日々であった。ご一読をお勧めします。(お勧め度:★★★)

 

 

 

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何でもランキング~肉まんとあんまん どちらが好き?

2023年02月26日 | アーバンライフ

過日の新聞(朝日)雑学版に掲載された何でもランキング。

今回のお題は・・・。

 

とまぁ、どちらでも良さそうですが、結果は肉まんの圧勝ですね。

この記事、小生は初め肉まんと”あんパン”とどちらが好きかと訊いているものと勘違いしていて、どちらも同じくらい好きだと思いました。

ところが、読み進むと、要は、いわゆる「中華まん」と、詰め物だけが「あん」に替わったものとの比較であることがわかりました。

勿論、設問通りあれば、小生も中華まんをとりますが、日頃これを食することはありません。

その意味では、「あんパン」こそが、小生のフェイバリットということになります。

 

 

 

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新着ドーナツ~ノイマン「ドボルジャーク:交響曲第9番”新世界”」

2023年02月25日 | アーバンライフ

 

ノイマン・チェコフィルによる”新世界”と言えば、つとに有名で、過去、何度か録音されているが、このドーナツは、マエストロの「人類遺産的なものに」との希望で制作されたという1995年版である。

演奏は、熱く語りかけると言うより、むしろこの曲はこうあるべしとした「正調”新世界”」を提示するものになっている。

気負いも誇張もなく坦々とした運びの中にこそ、作曲者が意図した曲想が表現されるとしている。

それにしても、第2楽章で演奏される「家路」のメロディーは、いつ聴いてもしみじみとした郷愁に誘われる。

収録曲 ドヴォルジャーク

 交響曲 第9番ホ短調 Op.95「新世界より」
 交響的変奏曲 Op.78

演奏

 チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
 ヴァーツラフ・ノイマン(指揮)

録音:1995年 プラハ・ドヴォルザークホール OVCL00229 Octavia Exton

 

 

 

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またしても

2023年02月24日 | アーバンライフ

先週、ミュージックバード(デジタル音楽放送)から「来年2月末で放送を止める」との通知が来た。

現在、別の会社と提携し(2社で)衛星を借りているが、提携先がこれを下りると言って来たので(放送を)継続できないと言う。

ただ、これは表の理由で、要は、ネットによるストリーミングサービス等の拡大で顧客(視聴者)が減り、経済的に存続しえなくなったというのが本当のところらしい。

この会社の場合、過去にも「PCM放送の休止」という言わば”前科”あり、視聴者は、またしても足元をすくわれることになった。

小生もそのひとりだが、特に困るのは、現在使用している受信設備(アンテナやチューナー)は、この放送に特化した機材のため転用(転売)出来ないことである。

放送という言わば、公共のインフラをかくも簡単に休止して良いのか憤懣やるかたない。

 

 

 

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寝ぼけ味噌

2023年02月23日 | アーバンライフ

 

先週末の18日(土)、目下、仕込み中の自家製味噌の切り替えしをした。

昨年、11月15日に仕込んだもので、仕上がりまで6ヶ月のちょうど中間点である。

今回は冬場の寒仕込みとなったので、表面にカビが出ることもなく、きれいな切り替えしとなった。

まだ、半分眠気眼の手前味噌だが、少しつまんで舐めてみるときちんと味噌の風味が感じられ、発酵が順調に進んでいることを確認した。

こうして酸素を取り込んだ寝ぼけ味噌は、またよく寝て発酵を繰り返し、5月には美味しい味噌に仕上がるに違いない。

 

 

 

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新着ドーナツ~ブロムシュテット「モーツァルト:交響曲第40・41番」

2023年02月22日 | 音楽三昧

 

緻密で重層的な音楽を紡ぎ出すことで定評のあるヘルベルト・ブロムシュテットのモーツアルト最後の交響曲、40番と41番「ジュピター」を聴いた。

2013年(40番)と17年(41番)に行われたライヴの録音だが、どういう訳か13年の40番の方がよく録れている。

ただ、マエストロの指揮もさることながら、やはりモーツアルトの最後の交響曲の完璧なまでの美しさと構成美に圧倒された。これほど美しい曲は、他に存在しえないのではと思った。

収録曲 モーツァルト

 交響曲 第40番 ト短調 K.550
 交響曲 第41番 ハ短調 K.551「ジュピター」

演奏

 バイエルン放送交響楽団
 ヘルベルト・ブロムシュテット(指揮)

録音 2013・17年 ミュンヘン・ヘルクレスザール 900164 BR Klassik

 

 

 

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時事川柳傑作選

2023年02月21日 | ドラミング

今朝の新聞(朝日)オピニオン欄に掲載された時事川柳。

世相を反映した傑作が並んだのでご紹介しよう。

 

 

1-2句:何やってんだか~ + 毎度のことで。

3句:H3ロケット~彼の国のは実戦配備とか・・・。

4句:喉元過ぎれば熱さ忘れるのごとく、原発も12年経つと再稼働OKとか。情けなや。

5句:同感。

6句:パリ五輪へ。

7句:スリーナインよどこへ行く。

 

 

 

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ホーリック

2023年02月20日 | アーバンライフ

 

数独に魅了されて10年近くになる。

この間、暇にまかせて種々の問題に挑戦して来たが、もはやホーリックに陥っているのではと思っている。

つまり、毎日何らかの問題にトライしないと気がすまなくなっている。

幸い、世は数独の時代かと思わせるほど、あれこれのメディアに出題されるので問題に事欠くことはない。

大のお得意さんは、やはり新聞紙面に掲載される出題で、WEB版には特別コーナーまである。

その場で数字を入れて遊べるが、小生の場合は、印刷して紙の上でトライする。

他方、「週間現代」に毎週掲載されるそれは、半年くらい前から★★以下に(易しく)なってしまいパスしている。

「毎日が発見」誌上のそれは、一癖も二癖もあってグレードは★★★なのだが手こずることがある。

挑戦し甲斐のあるのは★★★★グレードで、これが5つになると論理だけでは解けず、当て推量が必要になるので運不運が出て来る。

とまぁ、毎日暇に任せて挑戦し続けている。

小生にとっては、格好の認知症予防策である。

 

 

 

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衰退する超大国の「力こそ正義」

2023年02月19日 | ドラミング

 

しんぶん赤旗日曜版19日付けに掲載された寺島実郎氏の政治時評を感心しながら読んだ。以下、長くなるが文字起こしをしたのでアップします。

 

衰退する超大国の「力こそ正義」 寺島実郎

アフリカ、中南米、アジア、中東の諸国が存在感~これからは「グローバルサウス」がカギ

プーチン大統領がどうあがこうと、これから10、20年先の見通しとして、ロシアが世界史の正面に登場してくることはないでしょう。ロシアに対する国際社会の制裁と孤立が、ものすごくロシアのボディーに効いています。

ロシアは世界の1万2700発の核弾頭のうち約6千発を保有しています。一点豪華主義のような核大国です。

一方で、資源大国ではあるものの付加価値をつける経済基盤が極めて弱く、産業小国と言えます。2021年のGDP(国内総生産)は世界11位で韓国よりも下。しかも昨年はマイナス成長に落ち込みました。

プーチン自身はソ連時代のKGB(国家保安委員会)出身でありながら、社会主義や共産主義に何の郷愁もありません。彼の心象風景は、ソ連時代の歴史を消し去り、旧ロシア帝国時代への回帰を夢みているように見えます。

プーチン大統領は100年前の「力こそ正義」という旧世界秩序の世界観に染まっています。しかしウクライナ戦争でいまロシアは、その間違いを思い知らされています。


帝国崩壊の歴史

約100年前の第一次世界大戦(1914~18年)で、4つの帝国が消えました。ドイツ帝国、オーストリア・ハンガリー二重帝国、オスマン帝国が敗戦国として消滅。ロシア帝国が17年のロシア革命で崩壊しました。

第1次大戦前の旧世界秩序のテーゼは、「力こそ正義」でした。自分たちが掲げる「正義」の実現のための戦争は当然という時代でした。

それが第1次大戦を境に変わり始めました。
当時のウィルソン米大統領が「力こそ正義」ではない国際連盟の構想を提唱し、米国が「理念の共和国」として世界史に登場してきました。

第2次世界大戦中にはルーズベルト米大統領が英国とともに大西洋憲章を発表し、大戦で勝っても領土を拡大しないなどと宣言しました。この精神が今日の国際連合(45年設立)につながりました。ただ、掲げた理想はともかく、実態は米国中心の世界秩序でした。

その米国は、91年のソ連崩壊で冷戦の勝利を誇りましたが、今では「唯一の超大国」でも「世界の警察官」でもなくなりました。迷走のあげく中東でのプレゼンスをいかに後退させたかは、アフガニスタンからの撤退(2021年)でも示されています。米国は、世界をまとめあげ、けん引していく力を失いつつあります。

中国はどうか。
中国の経済発展を支えてきたのは、世界に7,000万人以上いるといわれる華人・華僑の存在です。その華人・華僑ネットワークが、強権化する習近平体制に距離をとりはじめました。中国は今後成長軌道を見失い、不安定化は強まるでしょう。中国のピークアウト(頂点から下落に転じること)も間違いありません。


全員参加型秩序

米国もロシアも中国も、世界を束ねるリーダーとなる構想力、理念性はありません。世界は「二極」でもなく、「多極」を通り越して「全員参加型秩序」に向かっているのです。

これからの世界のキーワードは「グローバルサウス」(途上国、新興国)です。
アフリカ、中南米、アジア、中東などの諸国が台頭し、存在感が徐々に高まってきています。かつて米国の「裏庭」と呼ばれた中南米では、ブラジルで左派のルラ政権が発足し、「ピンク・タイド」と呼ぱれる左派政権の広がりが注目されています。

グローバルサウスは、ロシアのウクライナ侵略を厳しく批判する目線は持ちつつ、制裁で締め上げることには慎重です。これはウクライナ戦争を契機に、世界を「権威主義陣営対民主主義陣営のたたかい」と分断する米国のやり方への異議申し立てです。ロシアの影響で腰が引けているのではなく、主体的意思で「世界を二極に分断するな」とメッセージを発しているのです。

それにもかかわらず、日本のメディアも政権も「米中二極の対立」という表面的な見方で「ウクライナの次は台湾だ」と防衛力強化の議論にひた走っています。


日本に足りていないのは戦争回避する戦略構想力

ここで考えてほしいのは、台湾には米軍基地は1つもないことです。台湾をめぐる衝突に介入する米軍は、沖縄から出撃するのです。

政府は「敵基地攻撃能力を持つ」といいます。
しかし、「日本が持つ」と強調すれば、相手が持つことも認めることとなります。相手にとっての「敵地」は米軍が出撃する沖縄も含まれることになります。愚かにも戦争を自ら沖縄に招き込むロジックを言っているようなものです。

年末の沖縄での講演で、私は「日本は”厄介な同盟国”になるべきだ」といいました。たとえばイスラエルは自国の利害のためには同盟国の米国を引きずり回す国です。一方、日本は「従順な同盟国」として米国に過剰同調し、振り回され、世界で埋没しています。

日本に足りないのは、この地域で戦争を起こさせない戦略構想力です。

例えば、提案したいのは、東南アジア諸国連合(ASEAN)をはじめ世界各国を巻き込み、軍縮を軸とする「国連アジア太平洋本部」を設立し、沖縄に誘致することです。沖縄を戦争に巻き込んではいけないという空気を醸成しようということです。

米国にとっては厄介なことを言う存在だ、と思われるかも知れません。
しかしアジア諸国が日本に期待しているのは、対米過剰依存から脱皮し、アジアをどうしたいのか、その構想を示し、国際社会で役割を果たそうとする日本の行動ではないでしょうか。

 

 

 

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朝倉かすみ著「にぎやかな落日」

2023年02月18日 | 読書三昧

 

朝倉さんの最近作は、「小説宝石」等に掲載された掲題の連作小説240頁。

北海道で一人暮らしをする「おもち」さん83歳。
人生最晩年をにぎやかに、しかもしたたかに生きる姿に共感しつつ読んだ。

それにしても、どうしたらあのように周囲の人々を巻き込み、その気にさせながら日々の暮らしを送ることができるのだろうか。

それは、北国の広大な土地だからこそ育まれたおおらかさなのかも知れない。ご一読をお勧めします。(お勧め度:★★)

 

 

 

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