餌金日記

金魚と川魚飼いの日常です、

自分の内へと向かう

2015-11-19 23:29:06 | 映画
映画「あえかなる部屋 内藤礼と、光たち」を見て来ました。
内藤礼さんの作品は説明がしづらいです。最初に内藤礼の作品を見たのは直島の「きんざ」でした。部屋の中に一人でいるみたいな作品です。豊島美術館は穴の空いた白いドームに水滴が流れています。書くとこれだけなんですが、空間に一人取り残されるようなすごい作品です。
この映画は中村佑子監督が取材を依頼して撮影許可をもらうものの、「撮られると、つくることが失われてしまう」と2年で撮影を断られ、撮ることを諦めかけた監督が内藤アートの本質を確かめることを決意します。
内藤礼さんの作品の魅力は経験すれば何の理由もなくすんなり入れるのですが、言葉で説明しても写真で見ても伝わりづらい。でも一度内藤さんの魔法にかかっていれば映像を見た時その時の風や光を思い出せるのだなぁ、と思いました。外界から取り残されたような、それでいてかすかにつながっている部屋。遠くに人は見えるのに話はできないプールの底みたいな。
やっぱり説明はできませんね。よくこのテーマに挑戦されました。そのこと自体に価値があります。いや、私はわかっていないけど。