小春日和の一日・・・小さな旅をした。
出かけた場所は、栃木県葛生。
「佐野市立吉澤記念美術館」が目的の地。
そこで、俳句を始めて以降「気になっている」与謝蕪村の特別企画展が開かれている。
「東と西の蕪村」がそのタイトルである。
萩原朔太郎の蕪村論は、夙に名高い。
ぼくもまた、この書に触発されて俳句を詠んでいる。
今年は与謝蕪村と、伊藤若冲の生誕300年である。
この企画展には期間限定で若冲の「菜蟲譜」が展示されている。
森羅万象を描いて秀逸である。
この菜蟲譜は、人間の滑稽を描いてもいる。
改めて、蕪村の絵師としての才能に感嘆した。
同時に書家としての筆致の鋭さと柔らかさに感服する他、無かった。
これだけの素晴らしい展示なのに、人は少なかった。
この美術館自体、そう知られている訳では無い。
美術館の前庭にある木のベンチは、苔むしていた。
形としては、ベンチは置いてあるけれど座れない。
しかし、その風情も良かった。
「冬の旅全き空と連れ立って」
葛生の駅から徒歩10分。
途中に、石の橋が二つ。
町に、鄙びた気配を漂わせている。
小春日和のこんな日だからこそ、小さな旅の充実があった。
家を出てから、美術館に到着するまでおよそ3時間。
楽しい一日であった。
荒 野人
出かけた場所は、栃木県葛生。
「佐野市立吉澤記念美術館」が目的の地。
そこで、俳句を始めて以降「気になっている」与謝蕪村の特別企画展が開かれている。
「東と西の蕪村」がそのタイトルである。
萩原朔太郎の蕪村論は、夙に名高い。
ぼくもまた、この書に触発されて俳句を詠んでいる。
今年は与謝蕪村と、伊藤若冲の生誕300年である。
この企画展には期間限定で若冲の「菜蟲譜」が展示されている。
森羅万象を描いて秀逸である。
この菜蟲譜は、人間の滑稽を描いてもいる。
改めて、蕪村の絵師としての才能に感嘆した。
同時に書家としての筆致の鋭さと柔らかさに感服する他、無かった。
これだけの素晴らしい展示なのに、人は少なかった。
この美術館自体、そう知られている訳では無い。
美術館の前庭にある木のベンチは、苔むしていた。
形としては、ベンチは置いてあるけれど座れない。
しかし、その風情も良かった。
「冬の旅全き空と連れ立って」
葛生の駅から徒歩10分。
途中に、石の橋が二つ。
町に、鄙びた気配を漂わせている。
小春日和のこんな日だからこそ、小さな旅の充実があった。
家を出てから、美術館に到着するまでおよそ3時間。
楽しい一日であった。
荒 野人