エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

名残のセミに捧ぐ!

2009年09月04日 | 日記
今日も涼しいのである。
もはや夏は去り、秋へと移行している。
まるで政権交代劇のようにドラスティックである。






       名残のセミに


    名残のセミよ
    君が声を張り上げるほど
    夏はかなたへと去っていくというのに

    君の声が彼岸のかなたへと届くころには
    ヒグラシがしみじみと林に木霊(こだま)しているのだ

    名残のセミが
    ミーンと
    けたたましいいま

    庭には可愛げな花たちが競い合いを避けて
    それぞれが自立しようとする
    全体としてのアンバランスが
    秋の清涼感を紡ぎだす

    セミが
    名残のセミが
    いま
    ひとりで声を張り上げている

    寂寥感が漂う

    共鳴することの無い
    寂寥はかなたへと
    捨象されてしまうというのに

    名残のセミよ
    ぼくの内部に沈殿せよ
    沈殿せしめよ

    そして何億光年かの季節を過ぎ
    再生せしめよ

    命のほのほを燃やし続けよ
    と









道を歩くとき、目を凝らしているとセミの亡骸に出会う。
彼の生涯を思うと、一抹の寂しさに陥るのだ。









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                         荒野人


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