平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

想像力の欠如~シリア難民を中傷した日本人漫画家のイラストが世界で非難!

2015年10月10日 | 事件・出来事
 日本の漫画家のイラストが世界で物議を醸している。

 シリアの難民の窮状を訴えた外国人写真家の写真をトレースしてイラストにし、難民の方々について、こう表現したのだ。

「安全に暮らしたい。
 清潔な生活を送りたい。
 美味しい物が食べたい。
 何の苦労もなく生きたいように生きたい。
 他人の金で。
 そうだ難民しよう!」
 
 以下は毎日新聞の記事。

 

 ひどいですね。
 苦しんでいる難民の方が見たらどう思うのだろう?
 記事にもあるとおり、完全に「他者に対する想像力の欠如」だ。

 これを描いた漫画家はすみとしこ氏は、こうした意見に対し、次のように反論している。
「このイラストは全ての難民を否定するものではありません。本当に救われるべき難民に紛れてやってくる偽装難民を揶揄したものです。
 例えばドイツでは、難民には月間約17万円が支給されます。これは、パートで働くより良い収入です。
 日本にもドイツにも、これを初めから目当てにしてやってくる「移民」や「難民」がおり、さらに人権派弁護士が裏について、あらゆる権利を行使できるように口添えしてる実態があります」

 だとしたら、そう表現すればいいのである。
 今回の表現は悪意にあふれていて、難民の方々すべてがそうだと取られてもおかしくない。
 そもそも難民問題と偽装難民問題は別個に議論されるべきもので、はすみ氏はそれをいっしょにしている。
 それに漫画家なら、他人の写真などトレースせずに、自分の絵で表現してくださいよ。

 このような表現が出てきてしまうあたり、現代の社会は病んでるなぁ。
 他人に対する不信ばかりで、やさしさがまったくない。
 はすみ氏の心の中には、嫌韓の排外主義や弱者叩き、生活保護受給者への恨みつらみがあるのだろうが、そこから出て来る表現ってこれなのか……。僕にはまったく理解できない。

 なお、このはすみとしこ氏。
 フェイスブックで、『安倍首相を支える会』といったサイトをつくるなど、安倍首相の熱烈な支持者らしい。
 どうして安倍晋三氏のまわりにはこういう人たちが集まるのかね?
「マスコミを懲らしめろ」発言の大西議員といい、「戦争に行きたくないとデモをする若者は利己的だ」「滅私奉公」の武藤議員といい、安倍応援団にはおかしなやつばかり。
 そんな彼らを惹きつける安倍晋三って何なのだろう?


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8 コメント

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口だけ勇者な臆病者が日本を支配した (忘却)
2015-10-10 11:17:41
編集お疲れ様です。

まったくひどい話だ。
あんた一回青年海外協力隊にでも参加したらどうなんだって話です。最前線に行っても同じことが言えるのか。
まあ行けませんよねって話です。銃撃戦とか怖いし、変なウイルスで死にたくもないし、安全な日本から出たくないよって人間にはね笑
でももっとおかしいのは世界から干されているのに、この漫画家は今後この日本で裕福に暮らせちゃうところが。そうネトウヨさん達の募金という名の寄付金でね・・・・・
まったくひどい話だ。

>このような表現が出てきてしまうあたり、現代の社会は病んでるなぁ。他人に対する不信ばかりで、やさしさがまったくない。
 はすみ氏の心の中には、嫌韓の排外主義や弱者叩き、生活保護受給者への恨みつらみがあるのだろうが、そこから出て来る表現ってこれなのか……。僕にはまったく理解できない。

 これもそれもすべて努力している人が報われない社会。嫌なことも無理やり受け入れさせられ、毎日身を粉にして働いても、見返りがほとんど無いどころかマイナスになっている(中流層階級の崩壊・派遣社員の給料と生活保護受給額の確執)ことなど、失われた20年とバブル崩壊から抜け出せない日本社会の負のスパイラルがもたらした結果だと考えます。
 まあそれもこれも時代時代で政治家たちが何にも手を打ってこなかったツケなんですが、なぜその怒りを弱者に向けるのか・・・

>そんな彼らを惹きつける安倍晋三って何なのだろう?
 心理学的に、人間は完ぺきな人間よりも不完全な人間のほうが心理的に惹かれやすいってのはありますが・・・
 もしくは強権政治家だからこそ、彼にさえついていけば少なくとも自分が命の危険にさらされることはないだろう・仮に戦争で国土が焼け野原になることになったとしても彼に上級国民と認められればきっと安全なところにすぐに逃げられるしその権利を(優先的に)与えてくれるに違いないという思考があるのでしょうか〈さすがに極論ですが・・・〉

 ある意味日本が一つになろうとしているのかもしれません。それは全国民が一致団結し・互いの背を預合いながらも互いを信頼しあい・皆で苦労を分かち合いながら・苦しくも輝かしい未来ある国家像などではない・・・全国民が互いを不信し認めず・輪から抜け出そうとする者を排除し・不幸は他人のせい・努力なんかクソくらい・苦労も他人に押し付け・余計な考えは排除し皆がロボットのごとき同じことだけ考えればいい・自分だけが幸せになりたいという(※メシウマ思考)歪みに歪んだ一部の人間にとって輝きある未来(あんこくじだい)を作り上げようとしているのかもしれません。




・・・・そんな窮屈な世界は嫌ですね。
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同調圧力 (コウジ)
2015-10-10 14:07:57
忘却さん

いつもありがとうございます。

>ある意味日本が一つになろうとしているのかもしれません。

まさにこれですよね。
別の言い方をすれば、日本独特の<同調圧力>というやつ。
これは裏を返せば、おっしゃるとおり、<全国民が互いを不信し認めず・輪から抜け出そうとする者を排除する>ってことなんですよね。
本当に窮屈な世界。

安倍首相の言う<一億総活躍社会>というのも、いずれは「働け」「活躍しろ」となり、最終的には「働かざる者喰うべからず」に発展しそうですよね。

現状の認識についても同感です。
>これもそれもすべて努力している人が報われない社会。
>嫌なことも無理やり受け入れさせられ、毎日身を粉にして働いても、見返りがほとんど無いどころかマイナスになっている

これが基底になっていて、現実のうっぷん晴らしのために排外主義や弱者叩きに向かう。
日本が偉く、強くなれば、自分もひとかどの人物になったように思える。
まさに上の方の人間の思うツボです。
不満が自分たちに向けられず、むしろ応援してくれるのですから、こんなに有り難い存在はありません。

安倍晋三という人物が首相になってから、どんどんおかしな社会になっているように感じています。
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閉塞した狭い世界 (忘却)
2015-10-12 10:07:10
 政治への無関心さと、身の回りの経済に対する意識の低さ(別に贅沢はできないけど、暮らしていく分には十分なんじゃないか的なある種の甘い思考)がやはり根底にあるのかとも思いますね。

 日本人は欧米や中国などと比べ、とりわけ
・保守的な思考が強い(内側での活動を好む傾向)
・外に攻める(経済や商売による)ことに消極的
・自分の損得よりも周りとの協調性重視
・とにかくグループ化が大好き
・身近で狭い範囲のことには敏感だけど、広範な政治や経済に対して鈍感

 などが考えられますね。
 こうした国民性が良かった面もあるとは思います。戦後復興のような奇跡は特需もありましたが、おそらく日本の国民性(皆が一斉に前を向いた結果)が生んだ結果だとも思っています。震災復興に対する寄付も、どこか自国民を助けたいという共同体意識の中から生まれるものもあると思いますし。

 しかし、この共同体の力がマイナスに向かったときは最悪ですね。特に戦前は関東大震災と世界恐慌・日中戦争の勃発など日本にとってあまり景気のいい話が無くなった時は、彼らを共同体の危機だと煽ればいくらでも扇動できますからね。

 そろそろ自分たちの国民性についても、なぜこのような思考回路が生まれ、育まれ、そして今日に至ったのか。
 哲学的な話になるので長い戦いになりそうですが、今一度国民一人一人が自分たちを見つめなおす良い機会なのかも知れません
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日本辺境論 (コウジ)
2015-10-12 19:54:27
忘却さん

日本人の共同体意識というのは面白いですよね。

独立した個というものがなくて、集団の中に自分を埋没させてしまう。
東京裁判では、木戸幸一内務大臣は、三国軍事同盟のことを問われて、こう答えたそうです。
「私個人としては、この同盟には反対でありました」(笑)
東郷外相は、「私の個人的な意見は反対でありましたが、すべて物事には成り行きがあります」(笑)

この引用は、内田樹さんの「日本辺境論」(新潮新書)にあるものですが、内田さんに拠れば、日本は常に辺境の存在として生きてきた国なのだそうです。
明治以降は、西洋の辺境で、西洋をモデルにして、その価値観や文化を取り入れ、明治以前は、中国の辺境で、中国の価値観や文化を取り入れてきた。
それらはいずれも他人様頼りで、自分で自我を確立することをしてこなかった。
それは個人にも当てはまる。

面白い分析だと思いました。

だから戦後の日本はアメリカの辺境で、アメリカ様に依存して生きてきたんですね。
一方、大東亜戦争は、日本が世界の中心になろうとした、民族的に無理な行為だったので、失敗した。

安倍首相は、「世界の中心で輝く国になる」と言っていますが、やめた方がいいですよね。
絶対に失敗します。

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技術先進国と権利発展途上国の二枚看板国家 (忘却)
2015-10-12 21:08:43
>明治以降は、西洋の辺境で、西洋をモデルにして、その価値観や文化を取り入れ、明治以前は、中国の辺境で、中国の価値観や文化を取り入れてきた。
それらはいずれも他人様頼りで、自分で自我を確立することをしてこなかった。それは個人にも当てはまる。

 日本で民主主義や自由主義・個人主義が本当の意味で発達しない理由はそれですね。
 欧米の自由主義のように束縛された国民自らが特権階級に対して自由の権利を主張し、勝ち得たものではなく・・・市民一人一人が権利を持つのが当たり前の欧米列強からバカにされたくない一心で、自分たちも同じように国民が権利を持った国にしようと、市民権利を束縛するはずの特権階級のほうから勝手に国民に対して権利を渡してくるものだから、余計に国民は、権利は上から与えられるものだと勘違いをするようになる。
 結局強いものに寄り掛かるのが良いよねって話になって彼是間違いを犯してしまう。(良いことももちろんあるが)〈政治に関心が薄いのも結局政治家に任せちゃおう・自分にはよくわからないしっていう他力本願性が原因なのかもしれません〉

 経済・政治・倫理・道徳など社会科学分野において、日本国はまだまだ発展途上なのかもしれませんね。〈技術・芸術・文化に関しては先進国(それも世界一と胸を張っても良いのでは)といっても差し支え無いと思いますが・・・(無論やらかしたケースもありましたが)・・・それを使いこなせていないのが何とも世知辛い話ですね〉
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オリジナルの憲法をつくれば…… (コウジ)
2015-10-13 08:12:41
忘却さん

日本は海外から何かを取り入れて日本流にアレンジ・発展させていくのは得意なんですよね。
おっしゃるとおり、技術・芸術・文化面では、それが顕著。
アニメで言えば、ディズニーのアニメがジャパニメーションになってしまう。コスプレ、同人誌といった文化にも発展する。

一方、政治では、大日本帝国憲法はドイツに学び、日本国憲法はアメリカに大枠を作ってもらう。
一方、それじゃいけないと考えて、自民党がオリジナルの憲法をつくれば、あの世界に出したら恥ずかしい憲法草案(笑)
道徳の分野では、出て来るのが教育勅語ですしね。そして安倍自民党は、これをまた見てくれを変えて復活させようとしている。

現在、中国は中華思想のもと、中国を世界の中心にしようとしているようですが、安倍氏の「日本を世界の中心で輝く国にする」発言も、中国を意識したものであるように思えます。
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教育勅語の悪用 (忘却)
2015-10-13 11:08:55
 教育勅語も本来は、儒教的考え方に端を発し、天皇中心、忠臣愛国、家族への愛と友との友情を育む、勉学に励むべし、道徳と規律を正すべし・・・といった内容で、国の為に励めよって内容だったのが初期のころらしいです。〈まあ出来た当時の物でさえも国家主義に偏っていないかと批判はあったそうですが(西園寺公望が言ってました)〉
 
 ところが天皇中心主義・国家主義的内容だったこの教育勅語を軍部が悪用し始めたんですよね。(国体保持だとか天皇(というか陸軍)への忠誠、国の為に励め→国の為に命をささげよといった内容へ)

 そこに本来あるはずの天皇陛下の意思も、起草者たちの富国強兵の国造りへの思いも亡くなった形で・・・

 そして、今の新保守層が言う教育勅語とは後期教育勅語すなわち軍人勅諭と同列の方なんですよね。
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あらゆるものは変質する (コウジ)
2015-10-13 19:48:36
忘却さん

教えていただき、ありがとうございます。

軍人勅諭については、松本清張が「象徴の設計」という作品で書いていて、読んだことがあります。
明治政府の軍隊はバラバラで、士族の乱などもあり、山県有朋は軍とは何かを示す軍人勅諭を起草した。

でも、そうした意図も、おっしゃるとおり、時代と共に変質していくんですよね。
だから、今回の平和安全法も特定秘密保護法も心配。
時代が悪くなれば、絶対に変質して、戦争を遂行するための法律になる。
安倍自民党や公明党は、そうした過去の歴史から何も学んでいませんよね。
あるいは、安倍自民党などは戦争をしたくてしょうがないのかもしれません。
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