終戦記念日～愛国右翼の方は「解放のための戦争」を主張しているようだが、どうなんだろうね？

　終戦記念日。
　ツイッターのトレンドなどを見ていると、「村山談話」を否定するツィートがチラホラ。
　いわく、
「侵略戦争ではなく欧米からの植民地解放のための戦い」
「侵略戦争は戦勝国の論理」

　僕が思うに
「植民地解放のための戦い」っていうのは、侵略するための建前・大義じゃないのかね？
　確かにチャンドラ・ボースらインド独立の闘士といっしょに戦ったのは事実だが、
　それは自らの戦争を正当化するための大義、あるいは彼らの力を利用するためではなかったんじゃないの？
　たとえば日本軍はマレー半島を縦断して、シンガポールを陥落させたが、
　その後、シンガポールは「昭南市」と名前を変えて、日本企業が利権を貪る土地になった。
　解放のための戦いなら、なぜシンガポールやマレー半島を手放さなかったのか？
　戦争とは「利権」の奪い合い。
　搾取し、利権を貪る土地を得ること。
　経済的な動機。
　これが戦争の本質だと思う。

　それに、少なくとも中国に関しては「侵略戦争」だろう。

　あるいは現地の人間が日本の占領支配どう思ったか？
　フィリピンなどでは日本の敗北が決まって、現地のほとんどは拍手喝采。
　日本人は石を投げられた。
　日本の戦争が解放のための戦争でその統治が素晴らしければ、日本の敗北を残念がるはずじゃないの？

　石橋湛山という、戦後、総理大臣も務めた政治家がいた。
　彼が唱えたのは「小日本主義」。
・「占領支配」による統治・行政のコストは割高で、「通商」の方がはるかに利益をもたらす。
・日本が所有している朝鮮・台湾などの植民地をすすんで放棄すれば、欧米も居心地が悪くなって放棄する。
・放棄すれば、日本は植民地支配に苦しむアジアの人々が支持するアジアの盟主になれる。
　という当時の拡大主義を否定する考え方だ。
　一番最初の「通商」重視は戦後日本にあてはまる考え方ですね。
　そして、もし日本が「解放のための戦争」をおこなっていたのなら、「小日本主義」という戦略もあったわけだ。

　人間の行為にはオモテとウラがある。
　戦争もしかり。
　きれいごとばかりを見て「日本はすごい」「間違っていない」というのは愚かな行為。
　そして、概ねウラの部分にこそ物事の本質がある。
　僕は９：１くらいで、日本は「侵略戦争」をしてたと思うけどね。
　10％くらいは「解放の戦争」だったかもしれないけど。

　まあ、「解放のための戦争」を唱えて日本の復権をめざす人はがんばって下さい。
　すごくハードな闘いだと思うけど。
　これは「慰安婦がいない」というのもそう。
　人生は案外、短いものですよ。
　これに人生の時間を費やすよりは、もっと自分のためにやるべきことがあると思うのですが、どうでしょう？