平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

「東京リベンジャーズ」~クソな人生から熱い人生へ! これが俺の人生のリベンジだ!

2024年05月24日 | 邦画
 実写版『東京リベンジャーズ』を観た。

 内容はタイムリープ×ヤンキーもの!
 現在を変えるために主人公が過去に戻って奮闘するというタイムリープものの王道と
 ヤンキーものを掛け合わせた作品だ。

 主人公・花垣 武道 (北村匠海)はカノジョの橘 日向 (今田美桜)を救うため、
 過去に戻ってヤンキー同士の抗争の中で奮闘する。

 物語が進むにつれて、武道の奮闘する目的が拡大していく所が面白い。
 当初の目的は、日向を救うためだったが、
 それが親友の千堂 敦(磯村勇斗)のため、
 「東京卍會」の副総長、通称ドラケンこと龍宮寺 堅(山田裕貴)を救うためと拡大していくのだ。
 その過程で武道はどんどん強くなっていく。
 人は背負うものが多くなればなるほど強くなれるのだ。
 この物語のダイナミズム!

 武道の戦いは自分のためでもある。
「俺の人生クソだって!」
 現在の武道は逃げてばかりだった自分を責めている。
 戦わずに逃げた結果、現在の人生は底辺の卑屈なものになっている。
 武道はそれを変えるために過去に戻る。
「こんな俺だってよ、譲れねえものがあるんだよ!」
「これは俺の人生のリベンジだ!」
 卑屈でない自分
 困難から逃げない自分
 ケンカが弱くても立ち向かう自分
 そんな自分を取り戻すために武道は過去に戻る。

 そんな奮闘の過程で、武道は心から信頼できる仲間を得る。
・前述のドラケンこと龍宮寺堅
・ダチの千堂敦
・「東京卍會」総長で通称マイキーこと佐野 万次郎(吉沢亮)

 彼らは弱くてもツッパって戦う武道を認めてくれる。
「タケミっち、お前、これから俺のダチ」
「お前。カッコいいよ」
「ケンカが強いヤツはクソほどいるけどな。
 譲れねえもののためにはどんなヤツにも楯突ける。そんなヤツはなかなかいねえ」

 これ、ヤンキーものの王道なんですよね。
 こうやって熱い絆で結ばれた仲間ができていく所が心地いい。
 ……………………………………………………………………………………

 というわけで、1980年代に衰退したヤンキーものが復活した。

「ヤンキーなんてダサい」
「もっとお洒落にスマートに生きようぜ」
「やっぱ二次元。オタク万歳」
「ひきこもり。ニート」
「失われた30年。俺の人生お先真っ暗」

 こんな40年の時を経て、ヤンキーが自己主張を始めたのは何なのだろう?
 武道がタイムリープして、ヤンキーの熱い自分を見出したというのも象徴的だ。 

 ヤンキーの価値観とは何か?
 万次郎の言葉を借りれば、
「ひとりひとりがみんなのために命をはれる生き様」
「肩肘張ってケンカして自分の尻は自分で拭く生き様」

 僕はナンパなのでヤンキーは苦手なんだけど、感じるものはある。
 こういう価値観・生き様が見直される時代が来たのかもしれない。


※追記
 何という豪華なキャスト!
・北村匠海
・杉野遥亮
・吉沢亮
・山田裕貴
・永山絢斗
・高杉真宙
・眞栄田郷敦
・鈴木伸之
・磯村勇斗
・高良健吾
・村上虹郎
・間宮祥太朗
 今やドラマに欠かせない主役級の若手俳優ばかり。
 日向役は今田美桜さんがやっているのだが、最初は気づかなかった。

※追記
 宮藤官九郎さんの『不適切にもほどがある!』は『東リベ』に対するアンサー作品なのだろう。

コメント (2)
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