「この気持ち、平岡様にお伝えしたかった」
一橋藩が引き渡しを拒んで、積年の恨みの岡部藩の代官に一矢を報いた篤太夫(吉沢亮)たち。
篤太夫が泣くのはこの時なんですね。
円四郎(堤真一)の死を知った時はショックで崩れるだけだった。
死の悲しみとはこういうものなのかもしれない。
悲しみは、生前にやってもらったさまざまなことが思い出されて、後からじわじわやって来る。
まして篤太夫たちは円四郎の遺体を直接見ていないわけだし。
………………
政局はガンガン動いている。
・禁門の変
長州が帝奪還をはかって軍隊を京へ。
「命を下す。長州を討て」
「臣・慶喜、これより長州を征伐致します」
迎え撃つのは一橋慶喜(草彅剛)。
そして西郷吉之助(博多華丸)が率いる薩摩軍。
敗走する長州軍。
かくして長州は朝敵に。
一方、下関では四カ国艦隊の砲撃を受けている。
そして、これらの裏では、慶喜と薩摩の権力闘争。
西郷は、慶喜の帝や朝廷における政治力を評価していて、しばし静観の様子。
権力闘争は他にもあって、
十四代将軍の家茂(磯村勇斗)はフランスとの接近を試みている。
これが後の幕府・フランス VS 薩摩・長州・英国の戦いに発展する。
・天狗党の乱。
60人で始まった攘夷運動が全国の志士を集めて1000人に。
しかし執拗な幕府軍の攻撃で兵は削られていき、
京にいる、水戸斉昭(竹中直人)の息子の慶喜を頼ることに。
天狗党の指導者たちは慶喜を頼ったのか。
円四郎がいなくなって、慶喜がふたたび攘夷に協力してくれると思ったのかな?
一方、慶喜は──
「尊皇攘夷か……まこと呪いの言葉になり果てた」
この台詞、ぞくぞくするなあ。
結局、これが「内乱」や「外国艦隊の砲撃&賠償金」といった厄介なものをもたらしてしまった。
これで円四郎も命を落とした。
そして、このイデオロギーをつくったのが慶喜の実父……。
慶喜の心中はかなり複雑であっただろう。
複雑と言えば、篤太夫の状況も難しくなって来た。
かつての仲間が参加している天狗党と戦わなければならないのだ。
今までの篤太夫は結構、単純だったんですけど。
戦国時代と比べて、幕末はこんなふうに複雑なのである。
逆に言うと、この複雑さが幕末の面白さでもある。
今作が慶喜視点を描いたことは、成功であっただろう。
慶喜の苦悩はますます激しくなっていく。
一橋藩が引き渡しを拒んで、積年の恨みの岡部藩の代官に一矢を報いた篤太夫(吉沢亮)たち。
篤太夫が泣くのはこの時なんですね。
円四郎(堤真一)の死を知った時はショックで崩れるだけだった。
死の悲しみとはこういうものなのかもしれない。
悲しみは、生前にやってもらったさまざまなことが思い出されて、後からじわじわやって来る。
まして篤太夫たちは円四郎の遺体を直接見ていないわけだし。
………………
政局はガンガン動いている。
・禁門の変
長州が帝奪還をはかって軍隊を京へ。
「命を下す。長州を討て」
「臣・慶喜、これより長州を征伐致します」
迎え撃つのは一橋慶喜(草彅剛)。
そして西郷吉之助(博多華丸)が率いる薩摩軍。
敗走する長州軍。
かくして長州は朝敵に。
一方、下関では四カ国艦隊の砲撃を受けている。
そして、これらの裏では、慶喜と薩摩の権力闘争。
西郷は、慶喜の帝や朝廷における政治力を評価していて、しばし静観の様子。
権力闘争は他にもあって、
十四代将軍の家茂(磯村勇斗)はフランスとの接近を試みている。
これが後の幕府・フランス VS 薩摩・長州・英国の戦いに発展する。
・天狗党の乱。
60人で始まった攘夷運動が全国の志士を集めて1000人に。
しかし執拗な幕府軍の攻撃で兵は削られていき、
京にいる、水戸斉昭(竹中直人)の息子の慶喜を頼ることに。
天狗党の指導者たちは慶喜を頼ったのか。
円四郎がいなくなって、慶喜がふたたび攘夷に協力してくれると思ったのかな?
一方、慶喜は──
「尊皇攘夷か……まこと呪いの言葉になり果てた」
この台詞、ぞくぞくするなあ。
結局、これが「内乱」や「外国艦隊の砲撃&賠償金」といった厄介なものをもたらしてしまった。
これで円四郎も命を落とした。
そして、このイデオロギーをつくったのが慶喜の実父……。
慶喜の心中はかなり複雑であっただろう。
複雑と言えば、篤太夫の状況も難しくなって来た。
かつての仲間が参加している天狗党と戦わなければならないのだ。
今までの篤太夫は結構、単純だったんですけど。
戦国時代と比べて、幕末はこんなふうに複雑なのである。
逆に言うと、この複雑さが幕末の面白さでもある。
今作が慶喜視点を描いたことは、成功であっただろう。
慶喜の苦悩はますます激しくなっていく。