平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

麒麟がくる 第32回「反撃の二百挺」~三好・本願寺・浅井・朝倉・延暦寺・信玄──信長包囲網登場!

2020年11月16日 | 大河ドラマ・時代劇
「信長があれほど脆いとは思わなかったぞ」
「前代未聞のだらしなさでございますなぁ。もはや信長ごときは無用かと」

 義昭(滝藤賢一)、どうやら摂津晴門(片岡鶴太郎)の毒がまわってしまったようだ。
 光秀(長谷川博己)の言葉より摂津の言葉に耳を貸すようになっている。
 まあ、光秀の言に従って摂津に参軍したら負けいくさだったし、信長(染谷将太)は分をわきまえぬ要求をしているようだし、こうなってしまうのは必然か。

 確たる信念のない人物は付和雷同、まわりの言葉に流される。
 目の前の出来事に目が行き、長期的にものを考えられない。
 まあ、僕たちは歴史を知っているからこう言えるわけで、迷える不安な人物が目の前の事象に振りまわされてしまうのは仕方のないことなのだが。

 摂津でのいくさの後、義昭は甲冑を脱いでふんどし姿の裸体を披露。
 実に象徴的だ。
 義昭はひ弱な僧から武士になりつつある。
 …………………

 信長包囲網を今回のように重層的に描いたのは初めてではあるまいか。

・三好が四国から襲来。
・これに力を貸す石山本願寺。
・これに呼応して浅井・朝倉が京に向かう。
・途中の近江で比叡山延暦寺が信長に反旗・警告。
・三河では武田信玄が侵攻してくる予兆。

 今まで『点』で描かれていた個々の史実が、『線』となり『面』となっている。
 その要にいるのが摂津晴門と朝倉義景(ユースケ・サンタマリア)、そして摂津に毒された義昭。
 すべての史実は連動しているんですね。
 その中で、義昭、信長、光秀、朝倉義景ら登場人物たちの心中を細かく描いているのは見応えがある。
 コロナの休止期間で、脚本を練り直す時間があったから、このクォリティになったのかな?

 そして、駒ちゃん(門脇麦)。
 どんどん存在感・発言力を増している。
 将軍・義昭と直に話すことができ、薬の販売で今井宗久(陣内孝則)の茶会にも招かれるような存在に。
 これは面白い。
 まさか駒ちゃんの出世物語を見られるとは!
 今までの大河のオリジナルキャラクターと言えば、忍者くらいだったからな。

 新登場の人物は筒井順慶(駿河太郎)。
 さまざまな駆け引きのできる、したたかな人物として描かれている。
 おそらく松永久秀(吉田剛太郎)の関わるドラマに絡んで来るんだろうけど、
 摂津晴門といい、今まで注目されなかった人物にスポットライトを当てているのはいいですね。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする