街中の古い巨大ビルが解体され 跡地にはデカいマンションが建つという。今では ビル乱立の街中から 岩手山を遥拝することは難しくなっているが この機会を逃してなるものか…と 江戸期を妄想しながら 解体中の現場付近に隙間を探した。
しかし…運悪く晴れの日が なかなか無いのである。
やっとチャンス到来。昔の人は 晴れていれば日常的な生活の背景にあったと思われるその姿が現れた。
大袈裟ながら 自分の生涯でも 盛岡の街の時間の流れからも 街中の地面に立ったまま その姿が眺められるのは これが最後の日!? になるかもしれない。…と想像すると…なかなか その場を立ち去りがたかったのでありました。
…未練がましいとは このことだろう。しかし 一期一会に自己陶酔しながら 下手な写真に収めたのであった。(ピンボケ)
「ふるさとの山に向ひて言ふことなし ふるさとの山はありがたきかな:啄木」
(石川啄木の処女歌集「一握の砂」より)