自転車に乗ろう♪

自転車のこと、ロードレースのこと、庭のこと、日々の暮らしのことなど。    HN:Emmy(えむえむ)

モンヴァントゥーでカメラバイクに追突 ツール第12ステージ

2016年07月16日 | サイクル・ロードレース
一昨日(現地時間7月14日)のツール第12ステージは
平坦路を100km以上走ってから超級山岳モンヴァントゥーを駆け上がるコースだった。
禿げ山の山頂ゴールが予定されていたが、
風が強い気象状況で山頂付近は30m/s以上の強風が予想されたため
ゴール地点が6km手前に変更された。

レース序盤に逃げが決まり、ステージ優勝は逃げ切ったデヘントが獲得した。

モンヴァントゥーの上りに差し掛かかったメイン集団は
次第に人数が減り10名ちょっとになった。
残り4kmを過ぎて間もなく、フルームがアタック!
リッチーポートとキンタナが反応するが
高回転でぐんぐん進むフルームにキンタナは着ききれず遅れた。
残り2.5km付近でモレマが追いついて
総合上位のフルーム、モレマ、リッチー・ポートの3人がまとまった。

コースの両脇ではとんでもない数の観客が熱狂して
叫び、手を叩き、腕を振り回し、選手と一緒に走る。
発煙筒を炊く者までいる。

突然実況の白戸太郎さんが叫んだ。
「3人が落車!観客と接触して落車の情報が入ってきました!」
画面では集団後方のカメラが、立ち上がってバイクをチェックするポートを捕らえた。
さらに進むカメラが写し出したのはランニングするフルームだった。
バイクが壊れ、スペアバイクが届かずに走り出したのだった。

事故は残り1kmを過ぎて、先行するカメラバイクが密集する観客に行く手を阻まれて停止。
そこにポート、フルーム、モレマが追突して落車したというものだった。


事故直後の状況 左からポート、モレマ、フルーム シクロワイアードより photo:TDWsport/Kei Tsuji


壊れたバイクを抱えて走るフルーム シクロワイアードより photo:TDWsport/Kei Tsuji

大きくタイムを失ったフルームとポートには救済措置が取られ
フルームは総合首位を守った。
 
コースが6km短縮されたために、
本来なら頂上までの間にばらけるはずの観客が狭い範囲に押しかけた。
想定を上回る数の観客を運営側がコントロールできなかったことが
事故の原因だろう。
ゴール地点の変更は前日に決まったのだから
人員を配置したりフェンスをを設置したり
選手が来る前に車からのアナウンスを徹底するなど
何らかの対策を打てなかったのだろうか?

こんな混乱は日本だったらあり得ないな、と思いながら映像を見ていた。
選手にも大会関係者にも観客にも重大な怪我がなかったのは不幸中の幸いだ。

シクロワイアードより
クリス・フルームのコメント:
モンヴァントゥーではいつも何かが起こる。今日も例外ではなく、サプライズの連続だった。目の前を走っていたモーターバイクが突然ストップし、リッチーとバウク・モレマと自分が避けきれずに衝突して落車。後ろから突っ込んできたモーターバイクに踏まれてバイクが壊れてしまった。スペアバイクが載っているチームカーが遥か後ろを走っているとわかっていたので、仕方なく走ったんだ。
コミッセールの判断を歓迎する。正しい判断だと思う。コミッセールとツール主催者に感謝だ。ツールでは予想外のことが起こるんだと身構えておく必要が有る。前から言っているように今回のツールは過去最大のチャレンジ。明日のタイムトライアルが楽しみだ。

リッチー・ポートのコメント
混沌としていた。観客が道全体に広がって、自分の目の前でモーターバイクが止まった。行き場をなくして突っ込むしかなかった。すぐ後ろを走っていたフルームが自分の上を転がっていった。モレマと同タイム扱いになって良かったけど、落車による身体への影響が心配だ。
観客のコントロールが効いていない状態だった。レース会場に来てその場を楽しみたい気持ちはわかるけど、選手と一緒に走る必要もないし、選手と接触したり背中を押す必要もない。どうして終盤にフェンスが設置されていなかったのかは分からない。観客の99%は素晴らしいけど、中には並走してセルフィーを撮ろうとする観客もいる。情熱と馬鹿げたことを混同してはいけない。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ニースでトラックテロ | トップ | 第55回独立講演会に参加 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。