自転車に乗ろう♪

自転車のこと、ロードレースのこと、庭のこと、日々の暮らしのことなど。    HN:Emmy(えむえむ)

プーチンのロシアと安倍政権の日本

2014年10月03日 | 社会、読書
最近まで私にとってロシアのイメージは

・日露戦争で勝利した敵国
・日ソ不可侵条約を一方的に破棄して、1945年8月9日に攻め込んできた敵国

の二つだった。
特に後者に基づく
卑怯(条約の一方的破棄)で残虐(満州での蛮行)な無法者(国際法違反のシベリア抑留)
というイメージが圧倒的で、
「ロシアなんて信用ならない」と思っていた。

この非常に悪いイメージは、少なからぬ日本人が抱いていると思う。
70年前に実際に経験したことだから、当然だろう。
しかしスターリン、毛沢東、ポルポトらの共産主義国家に共通する残虐性・非人道性を知った時
大東亜戦争末期の蛮行が、ロシアという国、ロシア人という民族の本質によるものなのかと
疑問に思うようになった。

あのときソ連軍の最前線には「囚人」達が送り込まれていたとの話も聞いた。
また日本人捕虜の方々が極寒のシベリアで過酷な強制労働に従事させられていたとき
ソ連の一般国民もまた貧困と飢えと思想的弾圧に苦しめられていたのだという。

ロシア革命前の帝政ロシア(1721~1917年)は他のヨーロッパ諸国にまさるとも劣らない文明国だった。
日露戦争時のエピソードに「ロシア人はならず者」的なものは聞かない。
だとすれば、
国民の民度や価値観において、ロシアは比較的まともな国なのではないだろうか。
どの国にも無頼漢はいるし、最前線で日本人に害をなしたのは主としてそういう集団だった。

ソ連とその中核をなすロシアへの悪印象はスターリンの時代に形成され
戦後教育で「アメリカは善、日本は悪、ソ連も悪」と刷り込まれてきたのだと思う。

グローバル化とは、アメリカの価値観、アメリカの流儀を世界中に広げようというものだ。
文化、歴史、価値観は「国柄」ともいうもので、それぞれの国の基本である。
グローバル化はそういった国柄を否定しようとする。

ソ連崩壊後のロシアでは、
オリガルヒ達が権力を握り、自分だけの利益のために国の富を海外へと流出させた。
オリガルヒ達にとって、ロシア国民やロシアという国はどうでもよいものだったのだ。
西欧・米国流の経済政策によって悲惨な目に遭わされたプーチンのロシアは
グローバル化とは一線を画している。

プーチンのロシアが目指すところは明確だ。

強いロシアを取り戻し,ロシア人の誇りを取り戻す。

オバマのアメリカよりもプーチンのロシアの方が
日本と日本人のことをよく理解していると感じる。

70年前に、日本もまたアメリカの落ちこぼれども(GHQ)にいいようにされて
国柄を否定され日本人の誇りを取り上げられた。

今、安倍政権の日本が目指すところは

日本を取り戻す、日本人の誇りを取り戻す。

安倍総理とプーチン氏はウマが合うとよく言われる。
お互いに他国に踏みにじられ辛酸をなめた経験を持ち、
自国の国益を守り誇りを守るために全力で働いている。

共通する部分が多いのだ。

お互いの立場がよく分かっているからこそ
ウクライナ問題後も
実効性のうすい制裁を科し合ったり、小規模な軍事演習をしたりして
敵対ポーズをとり続けている。
日露が仲良くすることが双方の国益にかなうと認識しているのだ。

安倍総理とプーチン氏がお互いを「信頼できる人」としていることが伝わってくる。

10月1日の産経新聞紙面に
「日本こそ対ロ制裁の旗振り役に」 木村 汎(北大名誉教授)
という文章が掲載された。

北方領土、竹島、尖閣とからめて、
クリミアを不法占拠したロシアを非難することが首尾一貫した姿勢だと主張した上で
「日本がウクライナ危機に際し米国の対露制裁方針に必ずしも賛同せず、何とかしてそれを逃れようとさえ試みるならば、どうであろう。日本の姿勢は身勝手な甘えん坊のように映り、米国をはじめ世界の各国に内心では蔑視され、事実上、G7内で仲間外れにされる危険さえはらむ。」
と結んでいる。

アメリカはロシアと遠く離れていて、いわば直接的な影響が薄い。
10月2日の記事にも書いたように、ウクライナ問題の切っ掛けにアメリカが裏で絡んでいる疑いさえある。
木村氏の主張は表面的な現象にのみ捕らわれ、
米国の意向に100%沿うことが日本の取るべき道だという、
極めて卑屈な結論に達している。
はっきり言って、これが専門家かと情けない気分だ。

アメリカはアメリカの国益第一で動く。
日本は日本の国益第一で動く。
日本の国益がアメリカの国益と一致しない場合は、
自分の頭で考えて判断して行動する。
安倍政権がまさにそうしているところだ。

「身勝手な甘えん坊のように映り・・・蔑視され・・・仲間外れにされる・・」
とは木村氏がそう思うだけ。なんという自信のなさ、自虐的なことか。
もう笑うしかない。

木村氏は1936年生まれの78歳だ。
9歳で大東亜戦争の敗戦を迎えた世代だから、戦前戦中の日本のよき姿は知らない。
WGIPどっぷりの米国崇拝者なのかもしれない。
ロシア研究者とのことだが、ロシアがとっても嫌いみたい。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« プーチンとソ連崩壊後のロシ... | トップ | 出掛ける準備など »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。