桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2005・10・28

2005年10月29日 | Weblog
来週の水曜日、11月2日に行われる『Lchan Night』の通し稽古が始まった。この日記でお馴染みのスタッフのLちゃんが歌ってトークすると云うイベント。Lちゃんはプロじゃないし、エンタテイナーをめざしている訳じゃない。ただカラオケが好きで、お喋り好きの18歳の女の子にすぎない。そんな娘に石川セリから松田聖子まで8曲もの歌をうたわせ、一時間もトークをさせようと云うんだから無謀と言えば無謀だ。まぁ、お遊びなんだから、そう固いこと言わないでと云う甘えを、例え千円でも入場料を取ることで遮断し、それなりのイベントとして成立させなければならない。俺と演出を手伝うTちゃんが見守る中、リハ開始。二人に見られているだけで、Lちゃんは緊張気味に歌い続ける。そんなLちゃんの姿を見ている内、ふと俺は彼女と最初に出会った時のことを思い出していた。まだ16歳だったLちゃんが同じ妹のファンだったRさんに連れられて来た広尾最後の日。俺は彼女を紹介された時に何故かこの娘が新しい乃木坂の店でシェーカーを振るのではないかと直感で思ってしまった。本当に何の根拠もない、ただの妄想。ところが、色々な経緯がありつつも、それが現実になり、そしてこんなイベントをするまでになったこの二年間を不思議な感慨で思い返す。人生にifは意味ないけど、もしもRさんがLちゃんを連れてこなかったら……もしも俺が大阪のホテルで企画したイベントでRさんに名刺を渡さなかったら……そんなことを言い出したらキリがないけど、もしも俺が大阪のホテルの総支配人Yさんと知り合ってなかったら……もしも俺がYさんを紹介してくれたKさんと知り合ってなかったら……今、Lちゃんのリハーサルなんかやってなかったんだと思うと、人生のifをしみじみ感じてしまう。気づいたらLちゃんが『喝采』を歌っていた。♪いつものように幕が開き……ウチの店とは深い縁のちあきなおみさんの『喝采』の歌詞が俺の心に染み渡る。何とか『Lchan Night』を成功させたい。