桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2012・9・23

2012年09月24日 | Weblog
今日の日記に昨日のことを書くのはなんだけど、昨日俺はSちゃんと一緒に歌手のKさんとウチでやるライブの打ち合わせをしながらも、その直前に見た映画「桐島、部活やめるってよ」(監督・吉田大八)について考えていた。面白い、チャーミング、最高だなんて陳腐な感想を述べるのは簡単だけど、何故何処か面白いのかチャーミングなのか最高なのか喋ろうとすると、いいだろ?面白いんだからチャーミングなんだから最高なんだからと居直ってしまうのだ。でも、いくらなんでももうすぐ65才の元映画人がそんな子供みたいな居直り方をして済ます訳にはいかないと思って、気になることをヒントにこの映画の面白さチャーミングさ最高さを考えてみる。まずは出演者がちょい役の教師三人?を除いて全員高校生だということ。舞台も確か映画館と公園などを除くと殆どが高校の中だということ。こう書くと青春映画としか思えないけど、この映画は絶対青春映画ではない。強いていえば大人が見る「高校生映画」か?だからといって懐古趣味的なものではなく、明らかに登場人物は現在の等身大の高校生。だったらリアルな青春映画と言ってもよさそうだけど、アンチ青春映画というか不条理映画というか、あまり言いすぎるとネタバレになりそうだからやめとくけど、この映画って少なくとも現役の高校生が見ても絶対分からないだろうと思ってしまう質の高さを持っている。それと原作ではどうなっているのか分からないけど、題名にもある「桐島」の意味。どう見たって同じ高校の学生なんだけど、この高校生の存在が大きな意味を持っている。このことこそ以上書くとネタバレになってしまうけど、映画を見ている内にベケットの「ゴドーを待ちながら」を思い出してしまった。ゴドーって誰だ?桐島って誰だ?ゴドーは来るのか来ないのか?そして桐島‥‥うーん、もうやめよう。でも、最後にもう一つ。この映画には主役がいるようでいない。このことが冒頭から約半分を占めるシークエンスを含めて大きな特徴で魅力なのかも知れない。ウーン、誰かこの映画について語りに店に来て下さい(と営業したりして)そして今日は午後からウチのスタッフのYさんが出演している文学座演技研究所の発表会「雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた」(作・清水邦夫、演出・小林勝也)を見に行く。妹が出ている芝居もそうだけど、Yさんにも身内意識が働いてしまって台詞をとちらないか踊りを間違えないかという余計なことが気になって芝居の内容に集中できない。でも、一言だけいうと、初演は淡島千景などベテラン女優が集まってやった芝居をまだ殆どが二十代の研究生がやるのはどう足搔いても無理があるのではないかと思ってしまったけど、この戯曲を何故発表会で取り上げたのかいつか誰かに聞いてみたい。お腹が一杯だと二時開演の芝居は寝てしまう可能性が大きいと思って何も食べずに出かけたので、二時間半以上の芝居が終わった後、バスに乗って五反田に帰ろうとしたけど、途中我慢できなくなって白金で降りて、行きつけのトンカツ屋「D」へ。ここのロースカツはホント美味い。★コレドのホームページのアドレスがhttp://www.nogizakacoredo.jpに変わりました。どうぞよろしく。