桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2010・4・17

2010年04月18日 | Weblog
店の閉店時間について考えることが重なる。今日は土曜日で閉店時間は12時。お客さんは北海道から上京中の皮膚科医Kさんだけ。Kさんは閉店時間を知っていて、そろそろ引き揚げようとしていた時に、近所に住む高校の同級生Mさんが12時5分前に来店したもんだから、一杯だけでいいか?と念を押して座って貰う。勿論5分でワインを飲みきることは出来ないし、更にもう一杯お代りして、結果的に1時間近くになってしまった。それはそれで許容範囲として、その間に今日もまた常連のAさんが入ってきた。さぁ、その場合どうするか?Aさんにしてみれば、看板は消えているけど、まだお客さんはいるんだし、飲めると思ったみたいだけど、そこは断固として今日はもう閉店していると告げる。多分Aさんを受け入れていれば売上が1万円以上は増えたと思う。それに常連で殆ど一日おきに来てくれるAさんに悪い印象をもたせるのはマイナスだと思う。ひょっとしたらもう来てくれなくなるかも知れない。でも、そうした感情に負けてAさんに飲んで行って貰ったら店を閉めるのは2時を過ぎてしまう。お客さんが大勢いて強引に帰す訳にはいかなくて土曜日だけど2時3時になることはある。でも、一人のお客さんの為に営業時間を延ばしていたら、キリがなくなる。そこは毅然とした態度をとって正解だったと思う。でも、それが常連中の常連の、例えば夕刊FのUさんだったり、演出家のSちゃんが閉店時間を大幅に過ぎた時間に一杯だけ飲ませてくれと入ってきたらどうするか?冷たく追い出せるのか?と自問すると、そこは自信がなくなる。本当に一杯だけだよと許してしまう気がする。そうなると、Aさんだって受け入れればいいじゃないかということにもなってしまう。その境界線はどこなのか?多分それはAさんがいつも美女連れで、UさんSちゃんは殆どの場合一人で来店する違いかも知れない。僻んでいる訳じゃない。UさんSさんたちは俺たち店のスタッフがいなくてはこの店に来る価値がないと思っていてくれるのに対して、Aさんは俺たちより美女を口説く為の単なる場所としてウチをとらえている違いなのかも知れない。用事が終わるまで、ただぼんやり待っているだけなんて、桃井章はやりたくないのだ。