桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2006・9・26

2006年09月27日 | Weblog
今日のランチに来てくれたのは、設計事務所に勤めるMさんたち、近所の出版社のSさん、Mさん、Oさんたち、この日記を見て遠方より来てくれたKさんと皆夜の店のお客さんばかり。まるで夜のお客さんをランチで取ってしまったみたいと思っていたら、案の定夜は早い時間Fさん、大阪の女性プロデューサーTさんたち、映像キャメランのYさん、某国営放送局のSさんたちだけ。それでも遅い時間になって、日比谷の映画興行会社の総支配人Tさんが、ウチの店の経営不振をこの日記で知って、部下五人を引き連れて来てくれたりして、何とか格好がつく。そんな店に、その女性はフラッと入って来た。初めてなのにカウンターを素通りしてイベントスペースの方に入って来た彼女は、俺がオーダーを聞いても首を傾げるだけ。メニューを見せると一頁目からじっくり眺めだす。なかなか決まらない。いつもどんな物を飲んでいるんですか?と聞く。それには答えずメニューを見続ける。ちょっとやばい女か?と俺は少々不安になりだす。その俺の不安を見透かした様に彼女はニコッと笑うと「オルメガ、ストレート」と口を開く。そのイントネーションが少しおかしい。すると彼女は又もや俺の疑念を見透かした様に「ワタシ、カンコクジン」と云う。それも昨日日本に来たばかりで、赤坂で知人と待ち合わせしていたのに連絡が取れなくなってしまったので、この店で連絡が取れるまで待たせて欲しいと云う。
22、3歳に見えたけど、実際は25歳。韓国では「イヌヲヤッテタ」と云うから何のことかと思ったらペットショップやトリマーの店を数カ月前まで経営していたらしい……なんて、ここまで聞き出すのにカタコトの日本語とカタコトの英語でどの位かかったか?でも、異文化コミュニケーションと云う奴は、人と人を近づける効果があるらしく、知人と連絡が取れて店を出て行くまでに俺と彼女はかなり親密になっていた。こんなことがあるから出会いのステージである酒場はやめられない。