桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2009・3・26

2009年03月27日 | Weblog
午後一番で、昨日気胸で手術をした息子を見舞う為、秋葉原にある三井記念病院に出向く。肺だけじゃなく心臓にも穴が空いていたとのことで、手術は長時間かかったらしく、ベッドに横たわる息子は俺の顔を見てもグッタリとしている。話すのが辛そうなので、30分程何も喋らず傍にいただけで病室を後にする。そこに偶然、息子と同い年で、女性編集者Yさんの息子のT君から電話。就活の一環で、仲間同士で模擬面接をしたいのでウチのスペースを借りたいとの由。パイロットになりたいという子供の頃からの夢を後一歩で実現できそうな彼の弾んだ声と、同い年で病院のベッドでグッタリとして話すのがやっとの息子の声が、俺の中で複雑に絡み合う。電気街で月末のパーティの為に保温の効く大人数用の珈琲メーカーを買って五時半に店へ。直後からスピーカーの修理にきたAさんと六月に公演予定の俳優のYさん、そして今月末に公演するAさんたちが見学にきたりして店がバタバタ動きだす。更に美術デザイナーのHさんが店内改装の打ち合わせに。店が生き残る為に百万円かけることを決意。それはいいけど、その百万円をどうやって工面するかは未解決。そこに出資者の一人であるTテレビのLさんが来店。社員総会で社長を前をしてTテレビを盛り上げる唄を歌うことになったとかでイベントスペースでリハーサルを始める。息子の病状と百万円の工面をあれこれ考える俺の耳にLさんの歌う津軽海峡冬景色の替え歌が、♪大丈夫、大丈夫、何とかなるわよと聞こえた気がした。それにしても今日は盛り沢山の日だ。それからも今週今日で四日連続来店となるベストワンのOさん、ベテラン新劇俳優のKさん、独特の演劇活動を続ける劇団Rの女優Aさん、近所の出版社のO君、最近完全な常連となったプロデューサーのKさん、撮影が終わって二週間ぶりの来店となる常連の演出家Sちゃん、某ソニーレーベルの社長のXさんたち、Tテレビの演出家Oさんと女優のKさん、改装の打ち合わせが終わったHさんが呼んだ映画プロデューサーのWさん、冒頭に書いたT君とその母親のYさんなどでカウンターと控室はギッシリ。それぞれに人間模様があって、俺の頭の中は今日一日だけでドラマの宝庫となった。