桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2006・4・28

2006年04月29日 | Weblog
俺とLちゃんの男女関係を疑うお客さんが一杯いる。あんまりしつこく聞かれると面倒くさくなって「はい、はい、ヤリマシタ。今もときどきカンケイあります」なんて冗談で答えて受け流すけど、深夜一人残ったLちゃんファンに真面目に聞かれたりすると、そう云う訳にはいかず、Lちゃんとの出会いから現在までを真面目に話して彼女が何故俺と一緒に働いているかを分かって貰う。話すと殆どの人は納得してくれる。でも、昨日残ったNは違った。もう三時を過ぎているし、話を締めくくる意味で、Lちゃんの生い立ちを話していたらNが突然泣きだした。Lちゃん自身が持ち前の明るさと屈託のなさで悲惨な生い立ちを話すと「すげぇ、面白い」となるのに、俺が話すと陰々滅々とした気持になってしまうのか、Nの涙がとまらない。30分以上も泣いている。困った。深夜52歳の男に目の前で泣かれ続けても抱いてあげる訳にもいかない。Nの涙が乾き、感情が治まるのを只待つしかない。Nが漸く帰ってくれる気持になったのは四時半近くだった。バタバタと店じまいして部屋に帰る。明日は日記を書く時間がなさそうなのでパソコンに向かうが、途中で眠ってしまい、気づいた時にはパソコンには訳の割らない文字の羅列。もうこうなったら寝るしかないと三時間程仮眠して九時起き。シャワーを浴びて日記の続きを書いて十時半過ぎには店へ。一昨日に引き続き『erogance・春』の映像の撮影。食事を挟んで四時まで。エロチックなシーンを撮っている為か、肉体的より精神的に疲れる。出勤して来たTちゃんに衣装の相談、女優Kさんと今後のスケジュールの打合せをした後、一旦部屋に戻って『ハナミズキの有る家』のフライアーに載せる「演出家の挨拶」をペラ二枚書く。途中冷や奴ときゅうりの浅漬けとスクランブルエッグと韓国海苔と大根の味噌汁で、まるで朝食みたいな食事をして八時に店へ。デザイナーのIさんとプロデューサーの荻原さんを交えてフライアーの打合せ。途中音響デザインを担当してくれる演出家のTさんも加わって芝居談義。その間にカウンターには六月公開の映画『やわらかい生活』監督のHとプロデューサーのMとAが主演女優のTと来店。この作品がシンガポール国際映画祭のグランプリを受賞したとかでお祝いの乾杯。宣伝を兼ねてテレビに出演する時に見せる写真を撮りたいと云うことで俺を交えて記念撮影。何だか華やかな一時だったが、明日から大型連休だと云うのに華やかなのはその時だけ。他にお客さんは法律事務所勤務のNさんたち、プロデューサーのHさんたち、設計事務所のMさん。遅くなって女優のKさん、更に二時過ぎにタクシーが拾えなかったAN嬢がワイン一杯だけと来店しただけ。AN嬢がKさんと話しているのを聞いている内、さすがに疲れて半分眠っていた。でも、その睡眠不足と疲れの半分は直接店の仕事とは関係ないイベントのことに原因がある。連休を前にしてタクシーが拾えない程、街は賑わっているのに、ウチはガラガラだったなんて、疲れたなんて言っている場合じゃないと自戒しつつ、一日の終わりにラムを飲む。