朝起きて眼鏡をかけようとしたら枕元のサイドボードに眼鏡がない。さては寝ぼけて眼鏡を置いた時に隙間に落ちてしまったのだろうと手で探ってみる。でも、ない。だったら眼鏡をかけたまま寝てしまってベッドと壁の間に落ちたか、マットレスとベッド本体の隙間に挟まっているのだろうと探って見る。でも、これまたない。だったらだったら、昨日はTさんと新宿で飲んでかなり酔って帰ったから、きっとソファで眼鏡を外したままうたた寝してしまったんだとしたらソファの近辺に落ちているか置いてあるに違いないと探す。でも、ない。だったらだったら酔っぱらってトイレに行って、携帯のメールをチェックする時に眼鏡を外したのかもしれないとトイレを探す。でも、ない。だったらだったら寝ぼけながらも歯を磨こうとして眼鏡を洗面所に外したのかもしれないと思って覗いている。でも、ない。とにかくない。どこにもない。眼鏡がどこにもない。一大事だ。こう云う時はあくまで冷静に。机の引き出しの中から十数年前にかけていた眼鏡を取り出してみる。古臭いフレームだ。でも、かけてみるとちゃんと見える。と云うか、行方不明になっている眼鏡よりちゃんと見える。視力が落ちた筈なのに回復したのか?そんなことはない筈だから老眼が進んでこんなことになっているのか?よく分からないけと、今はそんなことを詮索している時ではなくて、よく見える眼鏡の力を借りて今まで探した処をもう一度探してみる。でも、30分近くもかけた捜索の結果は‥‥駄目、無駄。眼鏡はとこにも見当たらない。嘆息。だったらいつか向こうから現れるのを待つしかなくて、とりあえず今日は古臭いフレームの眼鏡で我慢して母の処へ。今日の老老ランチのメニューは、豚の生姜焼きレタス添え、玉子焼き、市販の松前漬けに、一昨日も作ったチーズおにぎりととろろおにぎり。2時に店へ。後片付けと業者の下取り交渉。厨房用品は業務用冷蔵庫やシンクや製氷機などなと使えるものだけ引き取って全体で5000円、普通の冷蔵庫やワインセラーは古いので引き取れないし、もしも引き取れと云うなら椅子テーブルいれて22万円払えと言われて断念。音響照明設備の方も購入価格は全部で200万近くはした筈なのにたった二万円と云う引き取り価格を提示されて、キレル。だったら知り合いに有効利用して貰いたいと思って、自分の劇団で使いたいと云う劇作家のTさんの申し出を受け、ただで引き取って貰うことにする。昔使っていた眼鏡で判断したことだったから妥当かどうか分からない。他にも生ビールの冷却サーバーの取り外し作業やカード会社や酒卸会社との交渉事を終えて、捨てきれない荷物をタクシーに乗せて8時頃家に戻る。本当はビールを飲みながら録画してあった「ドクターX」でも見ようと思っていたら、何かの手違いで昨日同時に録画してあった「俺たちに明日はないッス」(タナダユキ監督)が流れだしてしまったので、そのまま見てしまう。でも、何かの手違いは嬉しい手違いで、お腹が空いているのに何も食べず、135ミリ缶のビールを手にしたまま最後まで見てしまった。こりゃ絶対タナダユキ監督の現在上映中の「四十九日のレシピ」は見に行かなくてはと思った次第。これも昔の眼鏡で見た故か?それにしても何処に行った?俺のメガネ?