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桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2014・1・12

2014年01月13日 | Weblog
鞄がない。明日から母と一緒に一週間のハワイ旅行に行くのに、いくら何も持っていかないとは言いながらも、帰りは色々買い物をしてしまうだろうし、せめて小さな旅行鞄を持っていこうとクローゼットの中を覗いたのだけど、確かここに大小合わせて三つはあった筈の旅行鞄が一つもないのだ。最後に海外旅行に出かけたのは三年前の正月だ。ポルトガルのリスボンに行くのに、まだ結婚していたこともあって、手荷物のバッグをそれぞれ一つずつ、それと大きな旅行鞄を持って行った記憶がある。それなのにそれらの鞄が一つもないのだ。まさか彼らに足が生えてここから逃げ出した訳でもあるまいと思うと、答えは決まっている。誰かがここから逃げ出した時に荷物を入れて持って行ってしまったのだろう。もう俺の中では過去の人なのに、こんなことで思い出すなんて少し気分がブルー。でも、こう云う時ってブルーが重なる。旅行にビデオカメラを持って行こうと充電をしていたら、ファイルが過去に撮った映像で満杯になっていることに気づく。その殆どは二度出向いたポルトガルの街の風景だ。ただどの風景にも同伴者の姿が映っている。それなのに今日まで削除しないでいたのは、そのことを除けばポルトガルの雰囲気を自分流に味わえたからだろう。でも、もういい。近い内にまたポルトガルに行って新しい映像を撮影してこようと、思い切って五時間分のファイルを削除した。お蔭で憂鬱なブルーからハワイアンブルーにチャンネルが切り替わった。それにしても旅行鞄をどうしようと悩む旅立ち前日。

2014・1・11

2014年01月12日 | Weblog
今のマンションには四年前から住んでいるけど、実を云うとここは親の持ち物と云うこともあって30年以上前にも一度居候的に三年ほど住んだことがある。その頃、二度目の結婚をする前だったこともあって、ここに大勢のオンナ友達(決して恋人ではなく)を招いてはすき焼きパーティをしたりしてした。その中には今年年越しを一緒にした女性編集者のYや去年23年ぶりに再会したIもいた。当時は二人友20代で、勿論結婚もしてなかった。その二人が、その後の三十年の間に結婚し、それぞれ子供をもうけた。そしてYの息子は今J航空のパイロット見習いのTで、今回のハワイ行きで世話になった。名門都立高校に通うIの娘のSちゃんは今受験勉強に一生懸命だけと、時々「天使」として俺とごはんを一緒にして癒してくれる。そんな二組の親子。そしてその四人とそれぞれ別々に人間関係を続けたり始めたりした俺の三十年。その四人が今日俺の部屋に集まってすき焼きパーティをした。きっかけはハワイ行きの手続き費用を立て替えてくれたTにお金を返すのと世話になった御礼をしたくて部屋に招いたのだけど、それを知った他の三人が別々に集ってきたのだ。すき焼きの臭いが充満するこの部屋で経過して行った三十年の時間が愛しい。そこに集った四人プラス俺の人間模様が愛しい。

2013・1・10

2014年01月11日 | Weblog
ベッドで朝刊を読むのも習慣になっていたけど、検察庁の川崎支部から逃走したSの本格的取り調べが始まったとか、細川元首相が都知事選に出馬する可能性が大きくなってきたなんて記事を読んでいる内に、もう俺にはこの種のニュースは関係ないなとふと思ってしまった。本田のACミラン加入もTPPも新聞で詳しく解説を受けなくてもいい。だったらさ、やめよう。何をって新聞だよ。毎日小学校に入った頃からの約60年間の習慣だったけど、これも煙草と同じように中毒で、別になくても困らないような気がする。そういえは20才の時から約43年間中毒症状が続いた煙草だって三年前誰に命令された訳ではないのに、ある日ふとやめてしまったし、新聞活字中毒もやめられるだろうと思ったら、次の瞬間販売店に電話していた。煙草はやめて約3万円の節約になったけど、新聞は3925円だ。でも、年金(プラス著作権収入)生活者は少しづつでも節約しなくちゃね。何しろ店をやめて殆ど部屋にいてエアコンをずっとつけッ放しのる生活を続けていたら電気代が独り暮らしなのに2万円をオーバーしてしまった。こんなことじゃ原発反対なんて気安く叫びづらいし、倹約倹約と呟きつつ、こんな寒いのに朝から暖房を付けなかったのだけど、そんなこと呟いている傍からタイミングよくHさんからご飯食べませんかと誘いがあるとホイホイ人形町まで飛んで行く女好きの俺、スペイン風バル→焼きとん屋と廻る一昨日に続いての割り勘お食事会だったけど、節約した筈の新聞購読料は千円位オーバーしてしまった。

2014・1・9

2014年01月10日 | Weblog
昨日の出来事を朝から順番に書き出すのもつまらないので、今日は眠る寸前から逆に書き出してみようか、なんて気取ってはみたのだけど、実はどうしても眠る前に見た映画のことを書き出したくてたまらないのだ。それは「贖罪 インターナショナル版」(監督・黒沢清)と云う上映時間271分、約4時間半と云う映画で、一昨年WOWOWで五話連続ドラマとして放送された作品を黒沢監督が海外での映画祭用に映画バージョンとして再編集したものだ。去年の暮れにWOWOWで放送されていたのを何気なく録画しておいたのだけど、まさか4時間半の作品だとは思わず、いくら俺が暇だからって娯楽活劇だったらどうか分からないけど、彼の映画には「難解」とか「暗い」とか云う形容詞が被せられることが多いし、録画したまま放置してきたのだ。それなのに今日、母と稲荷寿司とトロロ汁で老老ディナーして帰宅してから録画してあった「闇金ウシジマくん」(山口雅俊監督)を見た後、ハワイに行く間に録画しておきたい番組がいくつかあって容量の問題からこの四時間半の作品はどうせ見ないのだから削除してしまえと思ったのだけと、その前にアバンタイトルだけでも見て雰囲気を知っておこうかと立ったまま見だしたのが確か9時頃だったか?それなのに小泉今日子から始まって蒼井優、小池栄子、安藤サクラ、池脇千鶴と云った女優陣の凄味ある演技に吸いよせられて、途中トイレに行くことも許されず、見終わったのが2時近くだったと云うだからびっくりしてしまう。テレビ用に作られてもこれは圧倒的に映画だった。久し振りにそんな気持にさせられた四時間半。湊かなえ原作の作品は「告白」で懲りて二度と見たくないと思っていたけど、この映画を見た後は撤回。やはり映画は脚本(黒沢清)監督次第だと思ってベッドに吸い込まれた一日だったが、母と老老ランチをする前のこともちょっと面白くて、実は昼に元マドンナのTちゃんと新しい店を開くにあたっての相談に乗って貰おうと六本木に行こうとしていたのだけど、バスの中で寝てしまって「六本木駅前」という車内アナウンスで飛び起きた時に、寝ている間にメガネを外して膝においてあったのか、慌てて飛び下りた時にメガネを落としてしまったらしく、降りた時に呆然。バスは走り去ってしまったし、そのバスが終点から戻って来るとは限らないし、例え次にその席に座った客が運転手にメガネを届けてくれたとしても営業所にそのバスの運転手が戻って来るまではどうしようもないんだしと諦めて、メガネなしでTちゃんと二時間程お喋りしたのだけど、スッピンでいい女に対している時の落ち着きのなさよ。と云うわけでTちゃんと別れた後、営業所に連絡したら届いていると言われたので、飛んで行ったのは云うまでもない。

2014・1・8

2014年01月09日 | Weblog
久し振りにポルトガル語のテキストを開いた。毎晩寝る時に本を読むのに疲れると、灯を消してポルトガル語のCDを流しつつ眠るのだけど、66才ともなると石川遼君と違ってただ聞き流すだけでは外国語は体に吸収できない。やはり目からも吸収しなくてはと、今日母の処に歩いていく50分の間にテキストの一頁目の「COMO ESTA?」(ご機嫌いかが?)から暗記することにしたのだけど、20近いフレーズを全てクリア出来たことの快感。老老ランチ(イカの刺身とカイワレ大根の柚子胡椒風味サラダ、しめサバ、納豆昆布と納豆ととろろ昆布と大根おろしと九条ネギとカツオ節のミックス、春菊の味噌汁)した後、去年の秋から新しい店の設計プランに関わってくれている一級建築士のFさんど打ち合わせ。これまでの経緯を御破算にしてゼロからプランを作り直すことにする。Fさんには迷惑この上ない話だと怒られるんではないかと恐れていたけど、開口一番「美意識を共有したい」と言われたことから俺もイメージをアトランダムに話していく。それは何だか芝居を演出する時に美術デザイナーや照明プランナーと打ち合わせする時と似ていて、一時間半があっと云う間に過ぎていた。何だか新しい店がうまくいく様な予感。夕方渋谷のBカメラでハワイ旅行の買い物。あんなにハワイを嫌がっていた癖に、いざ行くとなると結構楽しくなって、人生が前向きになってきたのが不思議だ。途中Hさんから電話がかかってきたので四ノ橋の焼き肉屋Jで待ち合わせ。レバーとハツを堪能。その後白金のケーキ屋、最後はバーでラフロイグを飲むなんて土砂降りの雨の中の変則ハシゴ。いい女と割り勘ごっこをやれる66才は幸せだ。彼女と別れた電車の中、「Estou ben、obrigado(元気です。有り難う)というフレーズが自然と口から出る。

2014・1・7

2014年01月08日 | Weblog
老老ランチは母に来客がある為お休みだったけど、今日は七草なのでお粥を炊く。と云っても七草は用意しておかなかったので、刻んだ大根とかぶの葉で代用し、食べる時に春菊を散らした三草粥。おかずは金目鯛の開きに納豆とカイワレ大根のサラダ、味噌汁はネギと若布。食事後J航空のT君と何度かのメールと電話のやりとりで13日からのハワイ行きが正式に決まる。妙なもんだ。最初は冗談と親孝行の延長線で決めたことだったけと、ハワイ行きを意識してから、それまで心と体の中に沈殿していた「やる気」のようなものが徐々に復活してきて、全てが前向きになってきた。今日も税理士と司法書士と連絡をとって会社の移転手続き、決算に向けての書類の作成、資金の工面がつかず中断していた新しい店のプランの練り直しと建築事務所と電話での打ち合わせなどなど、「コレドロス症候群」で長い間リングにノックアウトされていたけど、漸く立ち上がる兆しを見せ始めた。同時に尊敬する有名演出家のIさんから「パラソル」は面白くて傑作だったという年賀状をいただいたことも気分を高揚させる。そしてその後に「今年は映画をどります。人生まだまだです」と続いている。そろそろ80才にならんとするIさんにそう言われては66才の桃井章がこのままKOされたままでいる訳にはいかない。大丈夫、俺は闘うぞと自らを奮い立たせるようにニンニク二粒を使って250グラムのステーキを焼いて食べる。。

2014・1・6

2014年01月07日 | Weblog
昨日、もうすぐ(14日)母の誕生日なので、何か美味しいもの食べに行こうか?何が食べたい?と母に聞いたら、食べるより何処か旅行に行きたいというもんだから年賀状をいただいていた箱根の温泉ホテルにでも行こうかと誘ったら、母は寒い処より暖かい処がいいと云う。だったら沖縄とかハワイ?とかと冗談半分で云ったら、ハワイがいい!、一度行きたいと思っていたのよ!と90ウン才は想像以上の乗り気。そうなると引き下がる訳にはいかない。とは云っても一週間後の出発だ。旅行会社のパック旅行はもう締め切っているに違いない。案の定、旅行代理店に勤める知人に電話してみたら、もう無理とすげなく断られ、一カ月後のツアーを進められた。一カ月後じゃ駄目なんだよ。誕生日は一週間後なんだからと、駄目元は覚悟してJ航空でパイロット見習いをしているT君に電話してみる。生れた時から知っている俺の頼みを無下に断る訳にはいかないT君は十数分後、系列の旅行代理店に折衝してくれて、何とか母と俺のハワイ行きを確保してくれた。感謝。持つものはオンナ友達の息子だ。うーん、それにしても俺が一番似合わない土地、ハワイでバカンスとは!そして90ウン才の母と66才の息子は、ハワイで一週間何をして過ごすのだろう?

2014・1・5

2014年01月06日 | Weblog
人間って分からないのだ。他人には分からない心理を持ったり行動をするのだ。だから人間なのだ、なんて分かったようなことを言いたくなるのは、特にテレビドラマなんかを見ていると他人の心理や行動を主人公たちが分かったように説明することが多すぎるからだ。そんな説明しなくたっていいよ。勝手に解釈するからさ。いやいやその前に解釈しなくたっていいじゃないのと言いたくなってしまうのは、十数年前まではさんざそんなテレビドラマを書いていた癖して、足を洗ってからは説明シーンを一切排除する芝居を書いている俺の言い訳と自己弁護。でも、やはり部屋を真っ暗にして「一人映画館」をやっていると、よく分からない人間たちばかりが出て来る映画に出会うとウキウキする。今日も「キツツキと雨」(沖田修一監督)を見ている内に役所広司や小栗旬を初めとする登場人物たちのバカバカしさと愛しさに時間を忘れてしまった。映画っていい。芝居っていい。こんな世界だけに耽溺していられたらどんなにか幸せだろうけど、そうもいかない。「一人映画館」のソファから立ち上がって書斎机に座る。昨年末までしなくてはいけなかった帳簿の整理、仕事関係の年賀状の返信、各種契約書の作成などなどをこなして久し振りに仕事をした気分になる。こうして徐々に社会復帰だ。

2014・1・4

2014年01月05日 | Weblog
午前中夕べ煮込んだおでん、おにぎり六つ、市販のひじきの煮つけを持って母の処へ。今日は真っ直ぐ歩いていくことが出来て小躍り‥‥というのは少し大袈裟だけど、歩いて帰る時は問題ないのに、行きに歩くと、品川御殿山から桜田通りの高輪台に出て目黒通りの白金台に出るのに近道して住宅街を通ると,途中に三叉路が二つ、四叉路が二つあって、ぼんやり歩いているととんでもない場所に出てしまうのだ。けれど今日は初めて望み通りの地点に出ることができて小躍りした次第。それにしても三叉路二つ四叉路二つの抜け道ってすごい。これをマスターしたからには白金台からプラチナ通りを通らずに恵比寿三丁目に抜ける道を探してみようと地図を広げてしまう俺は地図オタク。老老ランチには大晦日に食べて冷凍しておいた蟹の殻で出汁をとり、白髪ネギの味噌汁を作る。わずかに残った蟹の身が貴重品。これはこれでささやかな喜び。今日は五反田のブックファーストに寄って新潮新書「仁義なき日本沈没」(春日太一著)と「知の武装」(手嶋龍一+佐藤優著)を買って帰る。早速「仁義なき日本沈没」から読み出す。これは元旦から見返している「仁義なき戦い」が出来るまでの戦後日本映画界に於ける東映と東宝の戦いと盛衰を描いたものなのだけど、何故か最終章から読み出してしまって、続けてその前の五章、四章‥‥と逆さから読んでしまった。こんな経験は初めてだけど、著者の論理展開が俯瞰的に見えて面白かった。そして今日のWOWOW三昧はその本のテーマにもなっている「仁義なき戦い 頂上作戦」(深作欣二監督)と「苦役列車」(山下敦弘監督)の二本。前者は笠原和夫脚本の完結編。カタルシスに持っていかない終り方が東映映画らしくなくていいと改めて思った。後者は森山未来の気持ち悪さが凄い。それと対照的な高良健吾のさわやかさ。ヒロインの前田敦子も含めてキャスティンクの旨さに脱帽。夕食はイカにリング揚げに刻んだ生の白菜を混ぜたマヨネーズサラダ、牡蠣のニンニクバター炒めライスでビールからジャックダニエルに移っている内に、食べるものが足りなくなってソーセージを茹で、おでんの残りを食べる。こんなことをしていたら太って当然。もうこんな生活はうんざり。そろそろ立ち上がらなくては。

2014・1・3

2014年01月04日 | Weblog
五百枚も年賀状の文面を印刷したのに、住所録の「カ」行の途中までと三が日に届いた年賀状の返信だけで途中放棄。二日の段階で元旦付けの日記をアップするのに、郵送する予定だった年賀状の文面をそのまま載せたことや、それに全部出していたら500×80円=四万円かかることに気づくと、もう肉筆で宛名と添え書きを書いて封筒に糊をつけ、切手を貼る作業がとても辛く虚しくなってしまったのだ。全てマイナス思考、全て負け犬思考。そんな日の老老ランチは焼いたホッケ、ポテトサラダコンビーフミックス、カイワレ大根、茗荷の味噌汁でご飯を二膳。行きも50分歩いたけど、最近部屋にばかりいてお腹が出てきたので今日は帰りも歩く。合計100分のウォーキング、とこれだけはプラス思考。部屋に帰って録画してあった「夢売る二ふたり」(西川美和監督)、六時半にIと下北沢で三時間ほど新年会をやって、帰ってから明日の老老ランチ用におでんを作る。と云っても練り物は一切なし。ゆで卵にがんもと大根と結びしらたき、そして牛スジの五品。牛スジが柔らかくなるまで「仁義なき戦い 代理戦争」(深作欣二監督)を見て待って、映画が終わってから牛スジを試食。旨いっ。かなり飲んで酔っぱらっているのに牛スジにはビールでしょと冷蔵庫を開ける。