「おれなどは生来人がわるいから、ちゃんと世間の相場を踏んでいるよ。上がった相場も、いつか下がるときがあるし、下がった相場も、いつかは上がるときがあるものさ。その上がり下がりの時間も、長くて10年はかからないよ。それだから、自分の相場が下落したとみたら、じっとかがんでおれば、しばらくすると、またあがってくるものだ。大奸物・大逆人の勝麟太郎も、今では伯爵勝安芳様だからのう。」(勝海舟「氷川清話」より)
勝海舟の人生を見ていると実に面白いです。言いたいことを言って左遷されたり、やりたいことをやって辞めさせられたり。左遷させられたり辞めさせられたりすると人は気持ちが落ち込みますが、勝海舟は、これ幸いと自分の好きなことを始めます。そのことが必ず将来に役立ってきます。そして幕府や明治政府が頼まざるを得なくなってお呼びがかかります。その時も勝海舟は決して自分の地位や名誉にこだわりません。いかに社会のためになるかーそのことだけを考えて行動します。人はあまりにも自分の地位や名誉、保身にこだわりすぎますが、現代もまた勝海舟のような生き方を学べば明るい人生・社会が創れるのではないでしょうか。