to go somewhere, to be something

楽しいこと、好きなことをのんびりと書いていきます。
尚、当ブログにある文章、画像の無断転載はご遠慮いただいております。

2015年4月11日 京都旅行 2日目(その3 伏見編-1)

2015年04月23日 20時50分56秒 | 旅行

鳥羽街道駅から京阪電車で伏見に向かいます。

 

京阪というと、関西私鉄の中でも唯一、プロ野球球団を持ったことがなく、地味で雅な印象ですが、5扉車とかハイバックロングシートとかなかなか変わったものを世に送り出しています。

そして意外に古い車両を大事に使うのも特徴で、この1000系も古いものは、車体は1967年製です。

それにしても、この新塗装、今一つ似合わないと思うのは私だけでしょうか。昔のグリーン濃淡のツートーンのほうが良かったと思うのですが。

 

途中、丹波橋で特急に乗り換えます。3扉の二代目3000系でした。

乗った瞬間、室内のグレードの高さに驚かされます。ラッシュ時を考慮した2+1配置の転換クロスシートは背もたれがぶ厚く、見た目の印象だけでも坐り心地がよさそうです。

このような車両は残念ながら関東では見かけることはありません。

 

その特急に3分間だけ乗車して、中書島で下車します。

 

 

伏見は、秀吉が伏見城を築城したときに城下町として整備され、宇治川の流路を変更し、濠川との合流地点に伏見港を築く等交通を集中させたことにより物流の拠点として重要な場所になりました。

日本の運命を決める大きな二つの戦、関ケ原の戦いと戊辰戦争の両方とも伏見で火ぶたが切られたのも、重要な拠点だったことを証明していると思います。

明治になって琵琶湖疎水と接続されるとますます栄えますが、やがて鉄道網の発展によりその役目を終えることになります。

 

伏見の水運の主役だった濠川を、水運衰退の原因になった鉄道:京阪電車が越えていきます。

 

まあ、そういうことは歴史好きの人に任せておいて、伏見といえばなんといっても日本酒の名産地です。

ということで、まずは月桂冠の大倉記念館に向かいます。

 

月桂冠、言わずと知れた大手酒造メーカーで、出荷量は現在全国第二位です。

ここの記念館は有料ですが、入場するとおみやげがもらえます。入場料300円で純米酒一合瓶がもらえ、さらに試飲もできるので非常にお得です。

中はこんな感じです。奥は展示室になっており、昔の道具やポスターなどが展示されています。

 

 

中には仕込み水の井戸があり、飲むことができます。癖のない素直な水という感じです。

伏見はもともと伏水が転じたといわれ、酒造に適した湧き水が豊富だったことと、長距離輸送のできない時代に京都、大阪の大消費地に近かったことで酒造が発展しました。

 

ちなみに、重要なことですが、伏見の日本酒は地酒ではありません

 

昔は灘、伏見の酒のステータスは非常に高く、それに対する地方の(あか抜けない)酒の意味で地酒と呼ばれたもので、もともとは若干見下した意味合いがありました。

しかし、戦後、灘、伏見の大手酒造は工業製品として安い日本酒の大量生産に向かったため、結果として日本酒はまずい、悪酔いする等の評判を招き、日本酒不人気の原因の一つを作ってしまうことになります。

そんな中、地方の、昔ながらの酒造を守ってきた酒蔵が注目されるようになります。いわゆる地酒ブームです。

というわけで、現在では灘、伏見と地酒の立場が逆転してしまったのです。もちろん、灘、伏見の大手もよい日本酒は作っているのですが。

 

 

一通り見学した後、試飲ができます。

まずは、大阪万博当時の日本酒を復刻したという日本酒。甘くてざらざらした感じがあり、もっさりした感じです。

続いて、大倉記念館限定の玉の泉というお酒。こちらはシャープな辛口で、今風の日本酒です。

最後はプラムワイン。紀州の梅を仕込んだワインで主に海外に出荷しているとのことです。梅酒との違いが良くわかりませんでした。

 

最後に売店に寄り、奈良漬を購入しました。

右はおみやげの純米酒です。プラスチック瓶でおちょこもついているので、持ち歩きやすいようになっています。

 

 

 

 月桂冠大倉記念館、なかなか面白かったです。

板塀の酒蔵と高層マンションが混在する伏見の町を散策することにします。

 

 

                           <その4に続く>

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする