本日の宿は鉄輪温泉 八葉。鉄輪のバスターミナルから徒歩5分程度と立地は抜群です。
交通量の多い通りに面していて、一般住宅に挟まれた場所にある、八室だけの小さな宿です。

車を停めさせてもらった駐車場は建物を一個隔てたところの細い道を入った先にあります。駐車場からは荷物を自分で運んで移動する必要があります。
今回宿泊するのは別館の露天風呂付きの部屋です。
2021年に開業したとのことで、建物はきれいです。見た限り安普請ではなく、素材もよくしっかりした造りの建物です。
宿泊して分かったことですが、この部屋、間取り的に問題があります。

入り口は一般家庭のようですが、広さは充分です。
入るとすぐに洗面台とトイレがあります。こちらも広さは充分です。


次が九畳の和室。

手づくりのういろうとお茶が出されます。

この和室はいろいろと問題があると感じました。
まず、荷物を置くスペースがない。宿の和室は端に板の間とか広縁とかがあるのが通常です。これは部屋の畳に荷物を置かれると畳が傷むからでもあるのですが、この部屋にはそのようなスペースはありません。
また、この部屋の場合、夕食は部屋食になるのですが、この低いテーブルで食事をとることになります。
当方膝痛餅なので、これはなかなか苦痛でした。
あと、夕食後布団を敷くとテーブルはかたずけられてしまうので、お茶を飲むにも置く場所がありません。
部屋の一角にこのような棚があるので、ここで立って飲むしかありません。

部屋着は作務衣、女性用に浴衣が用意されています。

この部屋で最も問題なのが露天風呂で、和室から直接露天風呂に行く構造になっています。
脱衣所等はありません。このためか巨大な衝立が部屋に置いてあり、ただでさえ狭い部屋が余計に狭く感じます。
露天風呂は外の景色が見えるわけではなく、単に屋根と一部の壁がない風呂でしかありません。
浴槽は広いですが、屋根がないので、雨の日はほぼ使用できないでしょう。
洗い場も屋外にあるため、今の時期、特に風が強いととても使い物にならないでしょう。あと、周りの岩がごつごつしていて使いにくいです。
温泉は源泉かけ流しとなっていますが、常に新鮮なお湯が供給されているわけではなく、バルブを開けると供給される仕組みです。
温泉資源を無駄遣いしないという意味では良いと思いますが、今の時期だと朝はお湯が冷え切っていて、入れるようになるまで一時間近くかかりました。

このように部屋の広さのバランスが悪く、使い勝手も悪い別館の和室ですが、例えば部屋のレイアウトを、和室ー玄関ー洗面ー内風呂にして、玄関と洗面を少し狭くして、和室に一畳ほどの板の間を設置するだけで敷地面積を増やすことなく大幅に使い勝手を改善できると思います。
新築なのになぜこのような部屋のレイアウトにしたのか、理解に苦しみます。
この宿には大浴場はなく、貸切風呂が3か所あり、空いていればフロントで鍵を借りて利用できます。

この貸切風呂も構造的には問題ありです。
まず脱衣場が狭い。二人一緒に着替えるのが難しい狭さです。さらに履き物を脱ぐスペースがなく、下足で足ふき用のタオルにのらないと扉を閉めることができません。
内湯は浴槽は広め、洗い場は一か所です。一人用の陶器の露天風呂もついています。
内湯は扉を閉めて換気扇を使用すると、下水の空気を吸い上げて強烈なにおいがします。これは構造的にミスがあるとしか思えません。
貸切風呂も部屋の露天風呂と同じくバルブを開くとお湯が供給されるタイプですが、部屋の露天風呂であればともかく、他の客も利用する貸切風呂の場合、衛生面が少し気になりました。
チェックイン時に「お湯は抜かないでください」と何度も言われたので、余計に気になりました。
<その10に続く>