プロメテウスの政治経済コラム

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住民税 やっぱり増税  どうしたら庶民大増税路線を食い止められるか

2007-06-26 16:29:33 | 政治経済
2006年6月に出る予定であった政府税調の中期答申が、次期総裁が有力であった安倍晋三内閣官房長官(当時)の強い意向で見送られた。庶民大増税の内容を特に消費税増税を07年7月の参院選挙後まで隠したかったからである。答申を出さないという不作為の違法をした石弘光会長は続投できなくなり、本間正明氏が税調の新会長となったが、その後辞任に追い込まれた経過は周知のところである。
しかし、それまでの議論の経過や、05年6月の「個人所得課税の論点整理」などを読めば、庶民大増税と大企業・金融所得をもつ高額所得者減税の路線は今後ますますひどくなっても緩和することはない。定率減税の廃止などは、ある意味でまだまだ序の口だ(その一端は、日本共産党ホームページの「新負担増シミュレーション」の「小泉増税・サラリーマン増税・消費税10%の試算」で見ることができる)。

先述したように、政府税調の税制改正大綱が決まってしまうと、ほとんど勝負ありである。新年度の開始(4月1日)に間に合うように3月下旬に税制改正法案が無修正で成立するのがこれまでの国会であった。
政治は、いろいろなイデオロギー、言説でカムフラージュされているが、とどのつまりは、税のとり方と使い方を決めているということである。米軍再編も全国学力テストも何にカネを使うかである。定率減税を廃止して、減価償却制度を見直すのは、カネのとり方を決めている。固定資産投資の大きい大企業が大幅に負担軽減となり、中低所得者の負担が大幅に増える。
しかも今回の増税戦犯は、庶民を支持基盤にしているはずの公明党であった。池田教に心酔する庶民はだませてもインテリはだませない。最近、公明党を除名になった福本潤一参院議員は、これからが大変だ。仏敵は撲滅されることになっているからである。
自民党は基本的に日米支配層の利益を代表する党である。ただ、中選挙区制時代には、自己の選挙の地盤固めのために農民や中小零細企業者の声を政治に反映させることに努める面もあった。高度経済成長が続いていたこともあって、日本の支配層にもそれだけの余裕があったわけである。しかし、支配層に余裕がなくなるとともに、これらの自民党の旧守派=「抵抗勢力」は小泉「構造改革」の敵として力を失った。
民主党は、党内は雑多であるが、日本の支配層が余裕を失った後に、彼らの権力奪還の過程で生まれた党である。資本権力が強くなれば、庶民の生活が悪化するのは、資本蓄積の一般法則である。そこで、小選挙区制とともに庶民の抵抗を吸収する第二自民党としての民主党がつくられた。民主党が庶民の声を聞くことは、自分たちの存在意義を失うことであるから、絶対にそうはならない。
社民党は革新の立場を徹底できないで、今日に到っている
首尾一貫して庶民の声を代表する党は、日本共産党以外ないということになる。20世紀社会主義が失敗したので共産主義を名乗ることに抵抗を感じるというのは尤もな話である。しかし、日本共産党は、上部構造(ソ連覇権主義のこと)を主に批判しているが、20世紀社会主義がなぜ失敗したかはよく知っている。本当は下部構造(経済システム)に問題があったのだ。だから、資本主義の枠内での日本改革を主張しているのだ。

庶民増税を阻止し負担軽減を図るということは、メダルの裏側として、大企業・高所得者に応分の負担を求めることになる。これを実現できるのは、日本共産党しかない。選挙でどの党を選択するか―答えは、おのずから明らかである。

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