プロメテウスの政治経済コラム

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トランプ政権の対朝鮮「鼻血作戦」

2018-02-05 21:36:56 | 政治経済

トランプ政権内部で、朝鮮に対する限定的軍事攻撃作戦の可能性を検討しているという物騒な報道が韓国から聞こえてきた。名付けて「鼻血作戦」。「鼻血作戦」とは、北朝鮮を象徴する施設1・2カ所を狙って爆撃するというもので、北朝鮮の核・ミサイルを取り除くのではなく、北朝鮮に対して米国の軍事行動意志や能力を知らしめるのが目的。「首を取らずに鼻血を出させる程度の攻撃」により北朝鮮が恐れを成し、核兵器放棄交渉のテーブルに就かせるもので、「北朝鮮は下手に報復攻撃に出られないだろう」ということを前提している。しかし、こんな危険極まりない作戦はない。

軍消息筋は「鼻血作戦は爆撃による被害規模が重要なのではない。米国が決意さえすればいつでも密かに侵入して爆撃できるという恐怖心を北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長に植え付けることが重要だ」と話す。精密爆撃のほか電磁パルス(EMP)攻撃やマイクロウエーブ弾などで北朝鮮のミサイル電子回路を破壊し、発射できないようにする案も「鼻血作戦」の一部として検討されているという。

「鼻血作戦」が米国の意図どおりに進むには、金正恩委員長が戦争拡大に対して恐れを抱き、報復攻撃に出ないことが前提となる。誰がそれを保証できるか。

北朝鮮が保有している長射程砲は計340門余りで、1時間に最大1万5000発の砲弾を韓国・ソウル首都圏に浴びせることができるといわれている。このため、韓国国民だけでなく、韓国国内に居住している米国人23万人が直接被害を受けることになる。また、ペンニョン島・延坪島など西北島しょや非武装地帯(DMZ)などに対する砲撃、潜水艦侵入による魚雷攻撃、首都圏などへのテロ、大規模サイバー攻撃などを仕掛けてくる可能性もある。同盟国である韓国が攻撃されても、韓国国内の米国人が被害を受けても、トランプは本当にやる気か。在韓米軍基地および在日米軍基地に対する最大限の防御装置を用意せず先制攻撃に出るときは、韓米同盟も、日米同盟も一体なんのために存在するのかということになる。


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