プロメテウスの政治経済コラム

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北朝鮮、米国との首脳会談の再考示唆  朝鮮半島情勢を決めるのはアメリカ帝国主義の出方

2018-05-17 18:30:40 | 政治経済

北朝鮮国営の朝鮮中央通信は16日、米政府が北朝鮮の核プログラム放棄を一方的に主張し続けるならば、北朝鮮は米国との首脳会談開催を再考するかもしれない、と伝えた。

米朝首脳会談を控え、ドナルド・トランプ米大統領の外交・安保の中心人物らが一斉に「見返りのない北朝鮮の広範囲な非核化」を強調した。
ポンペオ国務長官は「我々は、過去に歩んだ道を踏襲しない。私たちは目的を達成するまで制裁を緩和しない」と述べた。北朝鮮の非核化という目標を達成するまで、段階別措置には見返りを提供しないということだ。
ボルトン補佐官は、米国のイラン核協定の脱退に北朝鮮に向けたメッセージが盛り込まれていると言う。ボルトン補佐官は特に「我々が要求しているのは、北朝鮮が1992年の朝鮮半島非核化共同宣言に立ち戻り、核燃料サイクルの始まりと終わりの両方を除去すること、すなわちウラン濃縮やプルトニウム再処理を放棄すること」だと強調した。

非核化に対する北朝鮮の立場ははっきりしている。米国が北朝鮮を侵略しないと約束するなら金正恩は核を放棄すると誓い、5月に豊渓里の地下実験トンネルの解体に立ち会うため、国際査察団とジャーナリストの入国を許可すると語った。「関連国が北朝鮮に対する敵対視政策と安全保障脅威をなくしさえすれば、朝鮮は核を持つ必要がなく、非核化は実現可能だ」。「完全な非核化」は、米国の体制安全保障(敵対政策と安保脅威解消)と等価交換の対象だという意味である。

米国が「北朝鮮の完全な核廃棄以前には補償はない」という立場をとり続ける限り、これまでと事態はなんら変わらない(米朝首脳会談は成功しない)。それは、「等価物の同時交換」ではないからだ。米帝国主義こそが朝鮮半島の分断に加担し、朝鮮戦争で北朝鮮を完全に破壊し、それ以来ずっと70年間、朝鮮半島の戦争状態を煽ってきたのである。北朝鮮の要求は、少なくとも、朝鮮半島、北東アジアで米国はその帝国主義的介入を捨てよということである。それが可能であるなら北朝鮮が核を保有する意味は全くない。しかし、それが簡単でないことは、中東のイスラエル⇔パレスチナの対立を70年間煽り続けてきたアメリカ帝国主義のやり口を見れば明らかである。

朝鮮戦争を終わらせ、朝鮮半島の人々を一つにしてあげられるかどうかは、ひとえにアメリカ帝国主議の出方にかかっているのだ。


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