プロメテウスの政治経済コラム

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大阪W選挙  「維新」対既成政党の構図の嘘  橋下氏の人格こそが問題

2011-11-13 18:51:18 | 政治経済

大阪府知事選に続き、大阪市長選が13日告示された。大阪府議会を非民主的な選挙制度で支配した(40%の得票で52%の議席を獲得)「大阪維新の会」の代表である橋下徹氏は、次に大阪市長選挙に立候補し大阪市を支配するために大阪府知事の職を任期途中で放り出した。独裁的な政策を断行する度に自分で責任を取ると言っていたのに、大阪府庁移転問題は放りっぱなし、教育基本条例案や職員基本条例案は出しっ放しで大阪府知事も1期目の途中で止めたのだ。「失政というか、政策自体が思いつき。彼の人格こそ問題では」(府労連中垣雅雄前書記長)。
橋下の提灯持ちに明け暮れるマスメディアは、小泉劇場政治以来の既成政党(抵抗勢力)対「維新」(改革派)の構図でまたぞろB級大衆を煽っている。しかし、今度の選挙は、橋下氏の人格こそが問題なのだ。

 

「維新」対既成政党の構図は、事実関係から言っても嘘である

第一に、「大阪維新の会」は、今年の統一選挙に立候補しており、歴史は浅いものの、また地域政党とはいえ、「既成政党」の一つである。それなのに、同党が「既成政党」でないという前提でマスコミが報じるのは、真実を報じていることにはならない。

第二に、「既成政党」である国民新党の亀井代表は、「大阪維新の会」の代表である橋下徹氏を支持している。また、同じく「既成政党」である「みんなの党」は、「大阪維新の会」の大阪都構想を応援しており、その候補者を支援すると公言している。

さらに、「既成政党」である民主党の一部は「大阪維新の会」と連携を考えているようで、小沢一郎グループの原口一博氏は昨年11月末、「大阪維新の会」や「減税日本」との連携にも意欲を示していたし、今年2月には、「佐賀維新の会」(佐賀市)と「日本維新の会」(東京都)を設立していた。民主党の大阪府議会選出の国会議員も、元代表の小沢一郎氏も、「大阪維新の会」及び橋下徹氏と全面対決しない姿勢のようである。

「既成政党」である自民党の石原伸晃幹事長は、「大阪維新の会」の都構想に賛意を示した。

そして、「既成政党」である公明党は(橋下氏と裏取引の結果)「自主投票」の方針だ(http://p.tl/x15l)。

 

こうしてみると、「既成政党」と橋下「大阪維新の会」との全面対決という構図は嘘である。はっきり言ってデマの類である。大阪ダブル選挙の基本的構図は、「独裁対反独裁」の構図である

なぜ橋下・「維新の会」を独裁政治と呼ぶか。

第一に、橋下氏は自ら「政治はやっぱり独裁」と公言している。

第二に、橋下氏は議会の議論と民主政治を否定する。“選挙で勝ちさえすれば何をしてもいい”という思想の持ち主であり、曲がりなりにも政治家でありながら、「そもそも議論は要らない」とうそぶいている。

第三は「独裁」のための具体的企てを公然と開始したことである。「大阪都構想」「教育基本条例案」「職員基本条例案」は“独裁3点セット”である。

 

私は、「人種、信条、性別、社会的身分又は門地により」人を差別する者ではないが、橋下氏の言動はあまりにもひどい。

週刊誌や月刊誌で一族のプライバシーが報道された直後に行った、知事辞任後初の街頭演説で1000人を超える聴衆の前で、彼はこう叫んだ。

「父親が正式な暴力団員だったって、週刊誌読んで初めて知ったんです。うわさ では暴力団“関係者”とは聞いてましたが…」「これはしょうがない。死んだ親父のことだから。しかし、今の権力構造を変えるには、坊ちゃんやお嬢ちゃんじゃできませんよ!!実の父が暴力団員?結構毛だらけだ!!実の父がガス自殺、結構毛だらけ!」そして、橋下氏の親族や生い立ちについて報道した『週刊新潮』と『週刊文春』に対し、
「バカ文春やバカ新潮も自分たちもチェックを受ける権力者だと言うことを自覚しろ。僕は報道機関じゃないし、行政機関を使ったと思われるとしゃくなので、このバカ文春やバカ新潮の社員の行状について、ツイッターで情報収集したいと思います。どんどん世間に公表していきます」(原文ママ)と、投稿。
続いて、『週刊新潮』と『週刊文春』の記者の実名をあげたうえで、「皆さん上記メンバーの情報をお寄せ下さい。男なんて女関係で必ず失敗があるはず」「風俗や飲み屋にでも行って失敗もあるでしょう。」などと、フォロワーたちに記者に関する情報提供を呼びかけたのだ。

週刊誌で報道されていることは、実際には八尾の住人なら皆よく知っていること。ここのところ、いっせいに全国規模で報道されただけなのだ。

 

私は、門地の血は争えないないぁと思った。先の府労連の中垣前書記長は次のように証言する。

「何度か団交で前知事と渡り合いましたが、そのうち気付いたのは、この人物は何を話しても無駄だということ。目すら、合わせようとしない。とにかく自分より『弱い』と見た相手は徹底的に攻撃し、いじめ抜く性格なのです。逆に『強い』と思ったら、絶対にケンカを売らない」(『週刊 金曜日』2011.11.4より引用)。

「言っていることのすべてが、絵空事」「尋常ならざる人格」「右も左も関係ない。その本質は反社会的な人間」――橋下氏の言動を身近に経験した多くの人びとの一致した証言である。

大阪市民は、自分の頭と目でよく見極めることだ。橋下バッシングに同情するような愚かなことだけは、絶対にあってはならない


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