プロメテウスの政治経済コラム

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衆院憲法調査特別委員会スタート

2005-10-07 21:15:37 | 政治経済
衆院憲法調査特別委員会が6日、実質的な討議をスタートさせた。委員会設置のねらいは、委員会の会長である自民党中山太郎氏の次の発言が端的に示している。「『調査のための調査』からいよいよ現行憲法改正の具体的な手続きについて検討する新たな段階に入った」と表明、改憲のための国民投票法制定が目的であることを明確にした。民主党の枝野議員も「一刻も早く幅広い合意に基づいて制定されることが望ましい」と、民主党も国民投票法制定に積極的に参加する意欲を示した。
周知の通り、憲法96条は憲法の改正について「各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。」と定めている。日本国民の護憲意識が強いもとで、憲法改定が現実の日程にのぼることはなく、これまで戦後60年間、国民投票制度は話題ともならなかった。ところが、90年代以降の日米支配層による自衛隊海外派兵の衝動の強まりは、解釈改憲の臨界点の突破を要求するまでに到った。
自公民改憲派は、国民投票制度の導入と並行して改憲案文の相互擦り合わせを進めようとしている。改憲推進派の焦点が憲法第9条、とりわけ第2項の歯止めを外すことにあることは改憲を急ぐ動機から明らかである。新しい人権、環境権などの甘い言葉に惑わされてはならない。また、自衛隊の現状を追認するだけのものでないことも明らかである。日米支配層が、何故にあれだけのエネルギーを注ぎ、長期間の準備を進めているのか。第9条第2項の「戦力不保持」「交戦権否認」は解釈改憲で自衛のための最小限の実力組織までを許容しても、海外での武力行使を絶対に許容しない。すべての狙いは「自衛隊をなんの制約もなく、いかに海外で戦争できるようにするか」この一点にあるのだ。

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